Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

買い物 G-SHOCK mini

タイムマネジメントが肝心。

 

というわけで最近異動もあったりして終日内勤の日もある。

外勤の場合は業種にもよるけど1日の流れってなんというか、終わりが見えてる感じで、人と接する機会も多いから話のネタにということでヴィンテージウォッチを巻いたりしていた。ヴィンテージウォッチの中でも、まぁまぁ安いものの小さく、そして溢れる大衆感が好きで「昔の人はおしゃれだったなぁ」なんて思ったりするのも楽しくて今もほぼ毎日するのだけど、今の内勤の「自分で終わりを決めてそれに向かって延々とダッシュを繰り返す」的な業務をもっと上手くやれるようにならないかと思い一時間ごとに「ピピッ」と鳴る時計が必要になった。

 

電子音に頼らなければ時間の感覚がわからないというのは恥ずかしい話であるが、それにしても業務時間中はとにかく良い仕事を、早くとスピードを出し続けて「あ、こんな時間か」となったり、あるいは時間で切って幾つかの作業をバランスをとりながら同時進行させ、その週の内勤の最終日にはどれも決着がついているという手法とろうとしたりと自分でもよくわからないことを自分で勝手に行っていて不思議だ。

 

それに対して「ピピッ」と一時間ごとに鳴る時計は「あなたは今ココにいますよー」と教えてくれている感じがあり「マラソンってこんな感覚?」と思ったり、競艇のスタートにおける定置定点のように、この時間にここにいるなら大丈夫と身体を安心させる効果もあるように感じる。

 

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一時間ごとにピピって鳴る時計というとG-SHOCKの印象が強くて、でもフェイスが自分にはデカすぎて「いくらギア的なものが持つ一種の無表情さをアリとしたとしても、自分という人間の腕の太さとか、身体の骨の感じとか普段身に付けるものとかとのバランスが大事でしょう」と面倒な持論を持つ私には相容れないもの。Baby-Gなどはどう見ても女性的なデザインにしか見えないのでもともと視野の外。その後「そういえばあったな」とヤフオクで探してその後amazonで新品が未だに売っていることを知り、G-SHOCK mini を手に入れた。

 

G-SHOCKより70%ほど小さいという触れ込みだが、その通りで到着したときに「小さっ」と思ったものだ。独特のゴツゴツさが凝縮されているというか。こういうぎゅっとつまったことで本来のデザインのバランス感が微妙に崩れて却ってその情報が一つ一つ克明になるものは私は好きである(靴なども小さいサイズになるとバックルの大きさやミシンのステッチの幅などが全体の大きさに対して同様になるので好きな様子になり、それを楽しめるので私は足が小さくてよかったと思う)。

 

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人気の三つ目、6900タイプ。液晶周りのやんわりとした水色が夏っぽかったり、小学生の頃に使っていた三角定規の薄水色のそれを思い出す。なんとなく夏の時計だなと思ったりしながら腕に巻いている。大きさもちょうど良い。

 

こういった定番を買うのは私も好きだけど「やっぱり定番だよね」と素直に思えない点もある。それはこの時計のレビューだったりを調べるとわかるけど、中学生男子もする時計だったりするし、実際はBEAMS BOYなどにも置いているのでつまるところ、そういう時計でもある。

 

みんながしているから定番と見ることもできるけど、自分が求めているものはなんなのかで事情はだいぶ変わってくるので単に「飽きのこないデザイン」と咀嚼してしまったり、たまにはG-SHOCKも良いよねとか話すのもなんだか違う気もするのである。ましてやg-shock miniを「絶妙な定番」と評することはないだろう。

私はこの時計に「g-shock mini」ではなく「Baby-G」と書かれていたら買わないし、できれば「G-SHOCK」と書いていてくれればと思う。

そんな時計だ。

 

 

 

イラストのようなものとイラスト(のようなもの)

自分が描いているこれはイラストなのか、なんなのか。

とよく悩む。いろいろなイラストのスタイルがあることは重々承知だが、こんななぞったような、むしろなぞったほうがマシなようなものが絵なのか??と思う。

 

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今もそう思うのだけど、一時的に「いや、これは図だ」という納得をしていた。

ある靴を解説するための図であってイラストではないと。

だから、その辺はあまり気にしないようにしてただただ、描いていた。

ただ両足しっかり描くようになってから「うーん??やっぱり図ではないのか?それでもなぁ……」と頭を抱える羽目になっていた。なっていた、のである。

 

最近、上のブーツのようにがっつり描かなければ定期的に描くにも苦労しないだろうと目をつけ5〜20分くらいで仕上げる遊びをしているのだけど、一昨日くらいに「これはイラストっぽい!!」と出来上がったものをInstagramにあげたあとにピンときた。

こういったものは大体「ここがダメだなぁ」と思う点がそのあとに見えてくるのも面白い。

 

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これに関して最初に「あ、イラストっぽいわ」という感想を抱いたのだけどイラストっぽいなと思うのは迷いなく引かれている線であったり不思議なテクニックで靴紐が結ばれている部分がさらりと描かれているところであったりする。特に、後者に関しては非常に不思議な感覚を私は覚える。素人考えで靴の絵を描くというと例えば踵、土踏まず、つま先、甲……と順番に進んでいくことがセオリーに感じるし、紐はそういう意味だと靴に重なることがほとんどなので線も重なるのが常なだったのだが、この靴の紐の部分はどういうわけか他の部分とあまり線が重なっていない。

理由ははっきりと覚えていてこの紐周辺を描くときに「あーここは先に結び目の輪の中を描いておこう、他の部分も同様でネガスペースを描いていって最終的に描きたかった形が浮き彫りになるようにしよう」と考えていたからだ。その辺の一定の手順に沿わずに進んだ中で「今はこう、だからここはこう」と進めていって気づいたらどんどん進んでいく感覚は楽しいものだ。

ただ一方で、先に書いたとおりでダメだなと思うところもある。

 

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そう、わかっていないところはわかっていないまま描かれるので全く絵にならないのだ。単なる線の集合がごまかし空間を作っている状態になる。

履き口や踵、レースステイ周辺の曲線は雄弁に語るのにソールのキワはもごもご口籠りお茶を濁したような頼りなさ。つま先のエッジがよく立っているのと自信がない曲線の合流地点はもっともダサいことになっている。

 

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そしてもう一つが筆が滑って大事なことを忘れてしまうことだ。

この絵は右下の左右の靴のエッジが作り出す三角形の部分に注目してそこから描いたのが個人的には面白い体験だった靴だが何せ眠さに負けて後半はひどいものであった。

特に忘れてしまったのはサイドゴアブーツのゴアが平行につけられているはずなのに大きくゆがんでいることだ。こんなことはわかっているのに眠さでいささか手を自由にしすぎてしまったようだ。

 

じっくり描いてわからないところがなくなれば、ササっと描いても絵らしくなるのだろう。日々反復。

坂崎千春のアデリーペンギンの絵を額装した

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ペンギンが、ペンギンの絵を見ている。

先日の記事の続き。

 

re-11colors.hatenablog.com

 

手に入れた絵をせっかくだからと額装チャレンジ。

お店は画材を何度か買いに行っている田中金華堂さん。

twitter.com

 

額装フロアにある、アイドルの限定デザインの缶であったりアニメグッズをひとまとめにしたものなどのサンプルを見て「ここならなんでもできそうだな」と思ったのといろいろなものが持ち込まれている様子が怖くないなと感じたりと、まぁこのお店なら怖くないし大丈夫だろうと思ったということでお願いすること。

私は額装に関して全くの素人だったが、お店の方はかなり親切に対応してくれた。

まずは、持ち込んだものを額装する方法を幾つか教えてくれて、その中でオススメのものを提案してくれました。その後は額縁選びです。

無難なこげ茶とかそういったものが出てくるのかと思いきや「面白いもの……面白いもの」とその絵だからこそ合うものを時間をかけて選んで出してくれる。やっぱり向こうはプロである。

「大体こんな感じですね」と絵の色味に合うような額縁を持ってきてくれ、四隅に合わせてくれたが緑のものがほとんどで左上の白っぽい額縁も節目は緑系。

 

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その後は今回の額装方法だとバックの色を決めるのでこれもまた合うものを選んでくれる。

 

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緑か、白か。淡い色でニュアンスが微妙に違うので却って悩む。悩む悩む。

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実際置いて印象をチェック。緑もいいなと思ったがペンギンの白味を目立たせるために象牙色に。微妙な色の差だからこそ白さが映える、白さが映えると黒さも映える(と持っている)。

 

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そして10日ほどで完成。

ペンギンの気取った様子と額縁から溢れるやんわりした貴族感があっていて良いなと思う。額装は、大切なものをそれらしく保管するというか保存するというかバシッと時を止めてしまうような行為で面白いなと常々感じていたが、様々な額装の方法や額縁の種類を実際にお店の方から提案してもらいながら決定していく様子は絵を買った人がその絵に独自の味付けをするという行為でもあるのだなとハッとさせられる楽しい体験となった。