Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

靴の絵と「ペンで描く スケッチから精密描写まで」

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見え方と描き方の話なのかなと思ったり。

休みの日に数時間読み進めている「ペンで描く」いろいろなことに注意深くフォローがなされていて、そういったことが厳しくも優しい本だという印象を深め、作者自身に興味が湧いてくる面白い本だ。

 

 

ペンで描く

ペンで描く

 

 

最序盤の”初歩的なペンの扱い方””トーン構成の実際”で「練習しましょう」と書かれているので練習をするわけだが「線の間隔と線の太さがトーンを表現するのに関わっている」ことを知って

 

「ああ、そういうことか」

 

と一人で納得した。靴の絵を描くことに注力しているのでそれが基準になるのだがシワの表現が難しく、漫画的なシワの処理をしてもどうにも合わない上に、そもそもそれが正しいものかもわからないという状態でシワは見えているけど描かないものとしていたのだがこれでなんとかなるのでは??とやる気が出た。

 

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この辺とか

 

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この辺が練習。二枚目の右上に靴のつま先のようなものを描いたが「いや、こういうことじゃないな」と思ってやめた。描いていると線の太さと間隔の話はよくわかる。自分はそういったことを陰影をつける上でぞんざいに扱っていたからうまくいかなかったのだと。これだけの陰影の表現やペンの線の重なりがあることを知ればそれぞれを丁寧に扱えれば何かが変わるのも必然といえば必然だ。

 

というわけで描いたのが冒頭の一枚目なのだけれど、これに関しても「花、果物、装飾品、本、皿などを描くのに興味がなければ、練習の題材は何を選んでも良い」と作者の手厚いフォロー、要は「興味があるものを描けばいいんだよ、ただし描けよ」といった厳しくも練習を促す様子が非常に優しい。

こちらからすれば「ああ、じゃあ俺靴描くわ」となるわけで。

それで前回も載せたこれをトレース。

 

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その作業中に「待てよこれ、もしかしてこういうことか」と甲に注意深く線を引く。

多分こうだ、線をこう扱えばきっといける……間隔に注意してシワがフェードアウトしていく感じは長さに変化をつけて……。

甲に出来上がったシワを表現するための線を見て「あ、やっぱりこういうことか」と気づいて「じゃあここはこうか。なるほどなるほど」と進めていく。見えてて無視したものが形になっていくのは集中力がグッと高まっていくのを感じてとても楽しい。

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上手いか下手かは別のところで明らかにならなかったものが明らかになっているのはとても良いことだなと思う。特に私は自分が履いた靴を描きたいので実際はこういったシワが描ける方がそこが描けたのは嬉しい。このまま練習すれば、今見えていないものがどんどん見えるようになってきてきっともっと精密なもの、複雑なものが描けるだろう。

ただ、忘れてはいけないのは私はこの絵を文章に添えるために描いていることであって、そこはやはり軽快な感じでいたいということだ。なんて思いながらペンで描くをパラパラ読み進めていたら描く際の明度のコントロールについても書いてあった。

一体この本はなんなのだろうか。

 

引き続き読んでいきたい。

 

 

ペンで描く

ペンで描く

 

 

「ペンで描く スケッチから精密描写まで」の面白さ

優しい本を買った。

 

 

ペンで描く

ペンで描く

 

 

この「ペンで描く」はその名の通りの本でペンで絵を描くことにフォーカスした本で、ボールペンで絵を描いている私には必要そうな本。休みの日に絵を描いていて朝になって「もう朝なんだけど」とうんざりして何か新たに勉強することで技術を身につける楽しみをそのまま描く楽しみへ繋げようという試みのために私に買われた。

 

ペン画は描いてるんだけど描き方がよくわからんというのが正直なところで加えると「どういう描き方があるのかもわからない」状態。検索しようにも検索ワードがわからない感じといえばわかるだろうか。実際、ペン画で検索すると緻密な絵が多く出てきて今の自分からはかけ離れすぎていて目をそらしたくなるし、そらす言い訳を考えたくなる。「ここまでやらなくてもね」なんて。

 

そういった上手い人たちと自分をつなぐ架け橋になりそうなのが本著だと思う。

「ペンの限界」という項目が最序盤にあるが、そこでまずペンでできないことを教えてくれる。そして習慣的に技法が決まっていることで各々がそれぞれの文字を書くように個人の独創性が発揮しやすいことも描いてあり急にペン画が身近に感じるようになってくる。その後、さまざまなタッチで表現されたトーンを見て「ああ、こんな描き方があるのか」と驚いたりすることが楽しい。

 

まだ4章までしかしっかりと読んでいないのであまり深く切り込むことはできないが、この本が面白いなと思うところは、ところどころに優しさと厳しさがそれとなく混じっているところで教則本のようでそうでもないような……という不思議な形態になっている点だと思う。先述した「ペン画の技法は習慣的に決まっている」の件もそうだし、他の素材では成功している人もペンでは失敗してるよ!と応援してくれるかと思えば「機会があるごとに、繰り返し練習すること」と、やらないといつまでたってもうまくならないぞと釘を刺してくる。不思議な本だ。

 

また、私は左利きなのだが「左利きは不利じゃない、むしろ右利きから左利きに変えて成功した人もいるんだ」と書いてくれているのがとても嬉しく「この本、著者の気遣いがとても良い……がんばるぞ……」と思えたのがよかった。

 

ペンで描く

ペンで描く

 

 

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というわけでこちらは読んだ後の絵。

「あー、縫い目ってこうしてもいいよね」って思える程度の安心感をこの本からもらっている。

 

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これは読む前でこれに苦戦して怠いことになった。細かく、でもすっきり描いているのでいいっちゃいいんだけどね。つま先のシェイプがよくないので描き直す予定です。

 

続き

 

re-11colors.hatenablog.com

「コミックマーケット92」評論島で買い物

友人と休みが合ったので「行ってみるか」とコミックマーケット92、夏コミへ行ってきた。私自身が春の文学フリマにて評論ジャンルに出店したこともあって同じジャンルの人たちが何を出しているかに興味がすごく沸いたのでさらに規模が大きいコミックマーケットへ行こうと思ったわけだ。

 

事前情報でよく聞く「カタログを見て目星をつけよう」みたいなのはもちろんしていない。ノリで行ってしまったから。よく後悔するとか回りきれないという記事を目にするが全くその通りだった。とりあえず興味が湧いたものをパパパパッと買ったけどもっとなんていうかじっくり見ても良かったかなという感じで、結局そのじっくり見る行為を事前に行うようなものがカタログを眺めることだと終わって気づかされた。

 

というわけで、手に入れた順で買ったものの紹介を。

 

Electron&Positron 高エネルギー加速器研究機構、PROTON 大強度陽子加速器施設/ツインテ

 

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実験施設の写真集。メカメカしい様子がとにかくかっこいい。かっこいいしか言いようがない。事前にTwitterで知っていたので「まずはこいつを」という感じで買った。

 

CLASSIC CAMERA/Peronarlinse

 

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これはウロウロしてたら見つけた。ふと手にしてパッと開いたときのPENTACON Sixの特集ページのレイアウトの良さで購入決定。もちろん写真も綺麗です。

 

響け!ユーフォニアム マスターロケーションガイド/えてすけ総合運転所

 

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響け!好きなので。堂々としたタイトルに惹かれて手にしてみたら圧倒的な内容でとても良かった。こういう執拗な感じって自分の靴の本もそうだよなぁと勝手にシンパシーを感じたり。

 

パスタと休日/Sayu STUDIO

 

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これも圧倒的ですね。表紙のイラストと文字の組み方もそうだけどページをめくった瞬間に「ああ、綺麗だなこれ」って思って購入。パスタも最近よく食べるし良い買い物だった。

 

即売会は買う側で参加って実はしたことなくて、参加してみたらとても楽しかった。

私は「欲しい」と思ったらすぐ買うのとあとは自分が作ってるのもあるせいか、ああすごいなと思うと買ってしまう。実際に買うと面白いし楽しいな、自分も文フリでそういう時間と本を提供できればな。なんて思ったりしてまたひとつ歩き出せるというか強くなれそうというか。

 

そんな感じ。