Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

勉強が好きかもしれないと自覚できる日は

なかなか「勉強が好きだ」と気づきにくい環境ってあるよな。と最近ふと思った。

 

学校で勉強していればガリ勉野郎と言われたり、こうやって書いている大人になった今だって意識高い系と言われるのは嫌だなと思ったりすることはよくある。

他人の目が気になる。それに尽きる。

仕事に関わる本や、例えば質問するのは苦手だからとそれをカバーできるような本を読もうとかそういう足りない部分を見つけて補おうとすることだって

「本なんか読んじゃって」

なんて思われていないか気になる。そういう話につきる。

 

しかし、こういった環境はいつからあるんだろうか。

よくある「テスト勉強を全然していない、でも実はしてました」なんてのもそう。

じゃあ、勉強するのダサいみたいな風潮にまかせて勉強から自ら遠ざかるのか。

まぁ遠ざかるよな。自分はたまたまお酒も飲めないし旅行も運動も興味が無いしうまいものが食べたいとかそういうのもほとんどないからそういったものを「みんながやってるからやろうかな」なんて思わなくてそっちには流れなかったけど「勉強が好きかもしれない」って気づくまではネット見たり買い物に出かけたりとかそんなことばっかりしてた。もちろんそれらについても知識が積み重なったり上達の喜びがあるのは知ってる。

でも、それとは違うお勉強的なもので学ぶことが楽しいとか好きだとかっていつ気づくんだろうか、それで良いんだっていつ自分を認められるのかっていうのはとても気になる。

 

俺は絵の練習をしているときに「ああ、これは絵の本を読まないとダメだな」と初心者向けの本を読んで、大変だけど面白いなと続けてその後にまた本を買って……ってときになんとなく気づいてその後にお金に関わる本を読んだときに「なんとなく難しいと思っていた本を読めた」という感覚が面白くてまた何冊か買って……ってやってるときに「あ、俺勉強好きだわ」って気づいて好きならもっと続くかと思いながら最近も本を読んでいる。

 

最初の方にも書いたけどこうやって書いていても「スポーツだって勉強ですよ」とか「お酒だって食べ物だって極めるためには勉強が必要ですよ」なんて声が聞こえてくる。そんなことは重々承知だ。それなら服だって靴だって勉強だし、こうやって文章を書くことだって勉強だ。でも、そういうことじゃない。

 

人生のいつ、どこで「勉強するのがダサい」みたいな話はなくなるのだろう。

 

なんて周りのせいにしたりいちいち考えるよりも「自分はこれでいいんだ」って信じられるようになる方が良いですよね。好きだったり楽しいって思えるならやってるとそうなれる。良いですよね。勉強。仕事が早くなったりすると働き方に余裕が出ますし。

あ、でも本で勉強するのが一番!みたいなのは違うと思ってるのでその辺のバランス感は個々でとってるんだろうなとも思います。

自信がついたりするので筋トレ的な側面はあるかもしれないですね。

オフィスの間取りは変えられないが財布の間取りは変えられる〜affordance〜

私がよく会社で後輩に何か教えるときに「どこそこのドアが立て付けが悪いから、引っ張りながらドアノブを回す。とかそんな馬鹿な話は、実際にはあるにあるけど自分たちからそうなってはいけない」なんて話をする。

 

このドアノブみたいな話は大なり小なりあってマジで解決できないものとよそから入ってきた人間からすれば「これくらいなら直せよ」ってパターンがあって私は外様なので割と直してしまう。でも直らないものは直らないので、例えばタイトルの通りに間取りみたいなのは無理だろう。ここの導線がダメなんだよな。とか、この椅子と机の高さの関係性が悪いとか。で、たまに無意識で自分たちができる範囲のことでそっちに流れてしまうときがあるからさっきの話が出てくる。

 

そういった意味で、財布はどうだろうか。

 

鞄もそうだが、財布も部屋が仕切られていて、その語の通りに部屋の集合体であとは心の持ちようでそれが家だったり会社だったり銀行だったりするものだろう。

なので、それぞれが色々と考えを巡らせて財布を買っている気がする。

 

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買ったのはaffordanceというブランドの財布で、丸善日本橋店の革職人店で知り、そこで「次にやるスパイラルでの展示ではグレーが出る」ということだったので、それが良いと思い実際に見てみるとやはりそうだったのでグレーにした。

 

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ボタン開けて広げると更にボタン留めされた部屋があって手前・奥と小銭とカードを入れる部屋。

 

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あまり財布に関心がないせいもあって知らなかったが紙幣を縦型に入れるこのデザインが白眉。まとめてガバッと入れやすく、かつ端っこが折れ曲がらない。出すのもパシパシパシと指で繰り出せるのが非常にスムースで気持ちが良い。

 

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「何か文字を打てますけどどうします?」と聞かれたので内側に完成日を打ってもらった。このサイズ感が控えめなのがとても良い。

あとは、ここの革は特徴的で良いなと思っている。ヌメ革が染められたもの(?)だと思われるがマットな見た目と触ったときに手に馴染む感じ。

色味が深くなることや、光沢を放つことが約束された風合いでそれを汚く感じさせない程度の明るい色味もラインナップに入っている点も見逃せない。

 

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神社の屋根色をイメージしたブルーグリーンも中々。

 

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買った財布はこちら。

エイジングは毎日使うものなのでいずれ。

喜びの道具に込められた小さな「よしっ」を朝の玄関で。

最近また、新しい靴が出来上がった。

あまり褒められた話ではないが新しい靴が入ってきてもそれがすでにある靴に勝てない場合がある。最近は滅多に無いが勝てないならまだしも稀に負けることがあるからそれはそれで苦しい。

この新しい靴は今のところ「思ったより履いている」という感想が素直で、良さが上手く伝わると思う。履きやすい靴はたくさん持っているがこの靴は、作り手の狙い通りに履きやすい靴だと感じる。簡単に言えば「仕掛けにハマっている」。

 

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木型は見た目の通り。そして言葉を付け足すならインサイドストレート。一見丸っこく見えるが意外と品がある。ここに惚れる人は多いと思う。「そうじゃないんだよな、自然とかそっけないとか、優しいって。そうじゃないんだよ。こうなんだよ」って。

何が言いたいのかというと、丸いのにその丸さを強く感じさせないというところが偉い。

 

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ここの靴の製法は

 

・九分仕立て

・革底のみのマッケイ製法

・マッケイセメント製法

 

となるのだがマッケイセメント製法を選んだ。中板とアッパーはマッケイ製法で縫い付けるけどアウトソールは接着でくっつける製法。仕上げがまた丁寧でそれでまた更に「きれいだ!」となる。特に外側は湾曲が特徴的だからそれを野暮ったくさせてしまうのか、キレイに見せられるのかはこの辺の仕上げの上手さにかかっているのでは。

どれが正解って話は普段はあまりしないけどここの靴はマッケイセメントかマッケイが正解のような気がします。作り手側がおそらく気にした品や一種の軽やかさをどう出すのか?が分かりやすいのとあとはそのほうが安いからね。本格的な仕様が良ければもちろん九分仕立てでどうぞ。修理交換って意味だとマッケイセメント製法はある程度それが担保されているのと、わざわざ謳ってるメーカーもそんなに見ないので味わうのは悪くないと思う。揃えている革も面白いものが多くて、見かけないわけではないけど取り揃えているところは多くはないようなという物が多い。

私がオーダーした革も見るには見るが革小物がメインで靴に使うってのはあまり聞いたことが無い。ただ、そこに「なんか有名所とは違う良さのあるオイルドレザーを探そう」という意思は見える。それが良い。黒い革も複数あるし、スエードはイタリースエードをわざわざラインナップに入れてのグレーが珍しい。

 

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この革についてを見ているとトルコの革が急に出てきたりしてその辺がまた、なんというか実験的でもあるが、あのシェイプで行こうと決めた人が選ぶんだから……と期待させる。

 

肝心の履き心地とエイジングの話にそろそろ入るが、履き心地はパターンオーダーシューズでもあり、最近の日本人の足型に合わせられるのはこういった小さなブランドの良さでもあるので当たり前に良い。

ただ私が注目したいのは履くときの良さだ。羽根が大きい分紐を緩めたときにパッと羽が開くので足入れがとても楽だ。そのあとグッと紐をキツくしながら足を正しい位置にセットする。この過程が苦じゃなく、自分が靴を履こうとしていることを認識するようになっているのが面白い。「この靴を履いている」と。これはかなり良い点だと思う。

無自覚にやれやれと履くという話ではなく、意識して履くことを楽に行わせてくれる。

 

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その小さな「よしっ」という感じは割りと求めている人が多い瞬間ではなかろうか。大きな「よしっ」はなんだか気合が入りすぎてダサいけど、でも小さめなら……。と価格の高低でそこのバランスを取ろうとしたり、単純に尖りと丸みを対立させ「丸いのなら、そんなに気合もね……」と判断したり。

と自意識と戦って迷子になるパターンは靴以外にも往々にある。

 

ここの靴はそこが良く出来ている。全体の形であったり、革であったりデザインであったり。なんとなく、今の気分というか派手過ぎず、でも安っぽすぎず。とは言うもののコスパ重視はなんか違うし、ライフスタイルとかとも違うんだよな。という複雑なフレーバーを上手く仕分けて形にしている。なんでしょうね。個人的には品の良さが何故か漂っているところだと思うのですが。

 

エイジングについて書こうと思ったら結構な分量になってきたので少しだけ触れて終わることにする。

エルバマットのオリーブ、ニューヨークのブラウンでオーダーしたがともにイタリアのオイルドレザー。ただエルバマットの方が気持ち肉厚な気が。どちらもオイルをよく含んでいて履いて磨いてとやっていると良い経年変化をしてくれます。特にエルバマットのオリーブは表情が出る出る。

 

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チャッカブーツのオーダーも十分ありかなと思っています。

 

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気になる方は、是非(なんで宣伝……)。

あ、あと飽きるまでタイトルはこんな感じで行きます。