Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

絵はいつ、どううまくなるのか〜デッサンの55の秘訣〜

絵はいつうまくなるのだろう。

と思うとまぁよくわからない。

せいぜい「気づく」とか「ああ、そうか」とかでその上、答えを知れば簡単なことだったりして少し自分の能力を疑うようなこともある。

あとはなんだろうな……自分は絵を描くことで仕事の進行が上手くなったりとかそういうことがあるからどうしてもそう考えるんだけど「問題と向き合う力」は確実に付く。

描けないところをごまかすとロクなことにならない(絵が結局完成しない)のと、あとはこれは「描けない」状態を

 

・そもそも見れていないのか

・見えているが描けないのか

 

で少し違うことだが後者の場合は「わかっているけど逃げている」なんて状態でもあってこれはこれで絵が上達しないので結局、下手な絵と向き合うことにならざるをえないのでそういった形で問題と向き合って解決に向かおうとする力がつくと思う。

 

問題の種明かしは誰がしてくれるのか。誰もしてくれないのか、ある日突然自分の隠れた才能が開花していきなり絵が上手くなるのかもしれないし、黙々と絵を描いているといつかわかるのかもしれない。

 

 

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デッサンの55の秘訣はそういった意味では「種明かしをしてくれる本」かなと思う。私は、言葉によって理解を得るタイプなのでこの本は相性が良さそうだ。

課題はまだ一つもやっていなく、一章しか読んでいないが私の抱える深刻な問題を解決してくれたことがそう思わせている。

 

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私の靴の絵はよく丁寧だとか、愛を感じると言われはするが自分としては面白みのない絵だなと思うときがある。線だって静かだし、全体にメリハリもない。太い細いもまるでIllustratorで線ごとにポイント数を指定するかのような味気のなさ。

味気がないことは悪いことではないが、それしかできないことに問題がある。定番の洋服しか着られないから「まずはビビッドな靴下を取り入れましょう」なんて雑誌で言われてしまうのだ。

 

この味気ない状態からいつ抜け出せるのかと思っていたところで「デッサンの55の秘訣」であるマール社、優しい。ありがとう。

 「一章のすべてがなんとなく血肉になっている」なんて話をしても意味が無い気がするので個人的に気に入っているところを上げる。

「実践的対話VS批判的対話」「線の言語(角度・形・トーン・大きさ)」「焦点化」

これは一章を読み終えて靴の絵を描いたときに頭に浮かんだものだ。

特に焦点化は「自分に必要だった何か」だったのだろう。

 

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一つ前の絵よりも時間を描けていないせいもあるし、まさかよく描けるとは思ってなかったので粗が目立つが、それにしても随分と味わいが生まれた絵だと思う。

「焦点化が特に印象的だ」という話をしたが左足レースステイが紐で引っ張られて歪んでいるのがこの靴の良さを端的に表している気がしたので興味深く描いた。肉厚だが柔らかな、オイルドレザーの風合いが伝われば嬉しい。

あとは描く上で課題の正面を向いたつま先をしっかり描いてみようと意識したのでそこも集中した。

その辺が決まってくると全体のプロポーションも「きゅっと絞って見える」とか実践的対話がよく生まれるので完成までは早かった。

 

本当にちょっとしたことであるかのようにいろいろなことを言語化して教えてくれる本で非常に読みやすい。ただ、他の本もそうだけど基本的には「練習しろよ」というのは変わらない。マール社の本、良い先生みたいなものが多い気がする。

 

 

デッサンの55の秘訣

デッサンの55の秘訣

 

 

 

こちらはペンで描くの記事です。

 

re-11colors.hatenablog.com

Get the gloveall。イギリスから日本に。

gloverallのダッフルコートを本国の通販サイトから買ってみた。

私は、昨年百貨店でセールになっているそれをみすみす見逃すというミスを犯し、そしてそれからは御存知の通りの一報があり

 

「あーこれは高くなるのかどうなるのか変なものが出てくるのかどうだろうなぁ。いずれにしてもあのとき買わなかったのは大きな失敗であった」

 

とその失敗をさらに悔やむ状態になっていた。

そして年が明けて面白い話が入ってきた。

 

「本国の通販サイトでセールやってるよ」

 

魅力的な話だ。一通り注文方法を聞いて関税は受け取り時に払うことなどを知り、試しに買ってみるかというわけでチャレンジ。

 

www.gloverall.com

 

ちなみに今は50%OFFのいわゆるモアセール中。

買い方は別に特別なことはない。

欲しい商品を選んで、サイズと色を決めてAdd to basket.

その後は下にポップアップが出るのでProceed to secure check out.

アカウントを作ることになるので住所を入力「Street Address 2」とかわかりそうでわからないワードは検索しながら入れていけば問題なし。

 

その後はアカウント登録時のメールアドレスに「発注受け付けたよー」 とか「DHLです!あなたの荷物の注文番号は…」とかメールが来るのでその番号をサイトに入力して追跡して楽しむのも良い。

 

あと、この辺は記憶が曖昧なんだけどDHLは配達の一番遅い時間が結構早い18:00とかだったかな。それで何日か受け取れないと佐川に委託してそこからは佐川の時間指定が利くような形になる(DHLの再配達希望日も翌日ではなく数日後を指定すると急に遅い時間が指定できるようになる)。一人暮らしの場合は別として誰か同居人に受け取ってもらうのが良い。私は一人暮らしなので佐川に委託されたあと一番遅い時間に指定して受取った。

 

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写真の通りで色はグリーン。ローデンという色名で裏側のチェック柄が良い。袖裏は私のはキュプラの裏地がついていたがそうでないものもあるのでその辺は正直わからない。モデル名と英語で何か書いてあるのを読むのかどうかの話だろう。

他にもローデンのものはあり、それが売り切れていたのでこれにしたというまでの話だったのでこの場合は裏地がどうとかは私にはどうでも良い話。

 

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丈はミドル丈にした。

「やっぱりダッフルコートって良いな!」

と思ったダッフルコートと同じ丈の長さのものと同じにしたため。

 

「少し袖が長いかな」と思う一方で「でも寒さ凌ぐにはこの長さだよな」という2つの気持ちを着ていて抱くのが面白い。結論は後者で、暖かさがこの冬にはありがたい。

 

いつまでやってるかわからない50%off。

頼んでみても良いかもね。

 

Mens Duffle Coats | Original Monty | British Quality | Gloverall

 

それで何年か後に「いやー昔ね、商社挟む前にさ、イギリスから慌てて『これが最後!送ってもらえなくなっちゃうし高くなっちゃうし!』なんてやったんだよ英語なんてわからないのにさー」なんて話のネタにするのも悪くないんじゃないかな。

山靴、無言の用の美

2018年は靴はもっと購入を絞っていきたいと思ってはいるがその同じ口から出るのが「今年の初めての靴は何にしようか」であるから全く信用ならない。

考えることは色々とあるが「無くなる前に買う」というのは靴にしろ、服にしろ、本にしろ同じだ。ここ2年くらいか、もう無くなるだろうなと思うのはタイトルに出てくる山の靴である。なので、今日は山の靴の話を書く。

 

私が日本の山靴が秘めるかっこよさに気づいたのは安藤製靴のことをふと思い出して調べてからだ。「ああ、キレイだよな。登山用なのに。ん?待てよ“なのに”ってなんだななのになのになのになのに……」と。ドレスシューズじゃないんだからそこまで繊細じゃなくて良いとか、ワークブーツのワイルドと取られる仕上がりのそれとかそういうのを見て思い込んだ上の「なのに」。

ああ「なのにキレイに作る」って言い方は違うんだな。面白いな。しっかりとものを作る上ではなのにもなにもない、良いものを作るってこういうことか。

なんて思いながら色々と調べていると廃業した店の話も出てくるし、高齢の方が一人で作ってるとかそういう話も見る。つまり、無くなりそうなのだ。

 

今こうして書いている間に私がパッと「無くなりそうだな」とイメージする山靴のメーカーは2、3ある。アイガーエイス(中森商店)なんかは結構ギリギリな気がする。安藤はどうだろう。まだ続くか。なんて具合に。中山製靴もきっとその一つだ。

 

過去に一度ブログでさらっと触れた気がするが、山ガールブームで息を吹き返したという話は今になってみればありがたい話だが足踏みしているとうっかりチャンスを逃しかねない、そんな気がするので2月か3月かにでも作りに行きたいと思っている。

 

 

 

私が欲しいのはチロリアンシューズなのだが、ネットで調べてもほとんど情報が出てこない。画像検索でちらっと引っかかる。カカトから履き口までと履き口からつま先までの距離を比べると気持ちつま先が長い?いや有名なフランスのメーカーのチロリアンシューズの比率が独特すぎるだけだろうか。その辺は結局、店へ足を伸ばさないと良くわからない。ただ、見ているとキレイな靴だなと思う。実際はどうなのだろう。興味は尽きない。

 

 

何にしたって「無くなる前に」これに尽きる。作る人がいなくなったら終わりなのだ。