Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

大晦日から元日

昨年はいいことがたくさんあって、今年もたくさんあるといいなと思います。

 

f:id:nero_smith:20190103233736j:plain

 

五條天神社って上野の不忍池のそばにある神社にお参りに行きました。

 

f:id:nero_smith:20190103233749j:plain

 

結構大掛かりなお焚き上げ。

 

f:id:nero_smith:20190103233805j:plain

 

見てると、火って怖いなと思う半面、それをコントロールする人はなにか神の使いのような気がしてきます。炊き上げ用の井桁組に水をかけながら燃えすぎないようにしているけど、反対に消えないようにメラメラと燃えている状態をキープ。

 

f:id:nero_smith:20190103233847j:plain

 

五條天神社の1月1日の参拝の目玉は木鷽の授与です。

0時からのスタートで結構並ぶので早めに行って列をなしましょう。

1月25日が休めず、木鷽を家に迎い入れたい人はこのタイミングしかないかも。

そして、ランダムで写真手前の金鷽が入っています。確率に関しては

 

「非常に稀」

 

とのこと。手に入れると「特に吉兆」とされるそうです。

やったね。

 

f:id:nero_smith:20190103233823j:plain

 

そして最後に福餅の引換券を頂いて餅を入手してお参りは終了。

結構いろいろなところの初詣に行きますが、中規模で盛り上がりもあって、ということで五條天神社は良いと思います。

 

それでは2019年もよろしくお願いいたします。

日本海軍 コマツ G40 ブルドーザーで認識する形の由来と大局観

何か専門職についてる方ってどれだけいるのでしょう。

 

そういう特定の分野についてると「ここはこうあるべき」「こうの方が良い」って気づくことってかなりあると思います。

私の場合は前職から「誌面のレイアウト」がそれにあたったり、狂ったように靴を買って絵を描いたりしてるので「靴の絵」とかがそれにあたって、そういう良く見える抑えどころってそれぞれの人が様々な分野でそれを持ってると思います。だから「〇〇風の△△」なんて再現した面白いものが世の中に出回るわけで、それがどれだけ上手いところを抑えて、それ以外のところで遊んでるかが楽しいとか、笑えるとかそういう話になるのかなと思います。


で、記憶スケッチってあるじゃないですか。テレビ番組とかでも「〇〇を描いてください」とかいって描かせて上手い下手で笑ったり驚いたりするやつ。コマツのG40 ブルドーザー はそれに近いような感じがします。
ブルドーザーってなんとなく知ってる。本当になんとなく。絵を描けって言われたら描けない。でも、正解とどこが違うかはわからん。そんな感じ。

 

f:id:nero_smith:20190103231434j:plain




だからこの棒がなんなのか、今作ってるもののどっちが前で後ろなのか天地はどうなのか?なんてのは作ってるときはあんまり良くわからない。


「ここがこうなってこう」


と思い込むとなんか変な感じ。無心で組むにしても「ブルドーザー」というイメージが先に走る、けど先に作るのはブルドーザーのシャベル的部分ではなくてボディとかレバーとか細かなもの。なのでなんだかわからん箱ができて、その後にアームとかキャタピラとか作って


「あーはいはい」


ってなって、とかなんとかやって進めてると


「え?これがこう?」


ってなる。推理小説とかサスペンスドラマとかで「犯人が特徴的な服装をしていると、目撃者はそれしか覚えてない」なんて話が出てきますが、ブルドーザーも多分そうです。自分の中のブルドーザー像は全体のシェイプとドーザー的な部分でしかなく、それ以外のものはなんのためにあるのかはわからないから、よくわからない。

 

f:id:nero_smith:20190103231452j:plain


これは私がまだまだデザイン事務所に就職したもののデザイナーではなかった頃と似ています。
なんでこの葉っぱのマークが大きいのかは、ぱっと見は見出しを目立たせるためですが、本文が短いため、それをなんとかやりくりしてスペースを保たせるためというのが1つの本音としてあると言われたのを思い出しました。


それを、教わってもないのに理不尽に詰問されその後厳しく教えられたこと、そして同じロジックを適用したら他の上司に「それは逃げ」といわれたということが良い体験かどうかは別として、そういう微妙なやりくり、陣取り合戦が1つの誌面やポスター、広告を構成することを知ったことと、このブルドーザーを作ることはかなり似ている。

 

f:id:nero_smith:20190103231442j:plain




そして、商品なのであたりまえですが、優しくそのような、内側から織りなされる造形を教えてくれます。しかも誰がどう見ても客観的に「完成しました!」という形で。そこには「うーん、なんか違うんだよね。ここはこうで、こうで、なんでここはこうしたの!?」なんて話はありません。


コマツのG40ブルドーザー に関しては制作時間がスッゲー短いです。それと、パーツが少ないため「早く作ろう!」という意識を強く持ってもミスが起こりにくいです。そういう点がわかりやすい美点になります。みるみる出来上がるということです。

 

f:id:nero_smith:20190103231449j:plain




ファンタスティックな曲線を描くパイプが左右非対称なことに最後のボディとくっつける瞬間に「ミスったか?」と不安を抱きましたが、そんなことはなく「そことそこが合う?」と思わずツッコミを入れたくなるような驚きが待っています。これは多分後先考えずに完成まで突っ走ったが故の感想です。


シミュレートしておけばこんなことはなく、難なく終わると思いますが、そこは簡単故に慎重さよりもスピード感を持って作ると楽しいと思います。


「待てよここは慎重に……」とストップをかける自分を抑えて「このまま最後まで走り抜ける!」とボロボロになった自転車を無茶な身体の使い方で無理やり漕いでゴールできるかどうか?みたいな、こち亀のハチャメチャな自転車レースの回みたいな気持ちで行ってみてはどうでしょうか。

 

f:id:nero_smith:20190103231457j:plain




簡単そうなものを、事務的にその都度確認せずに、感覚で確認箇所を嗅ぎ取りながら進めることは仕事のスピード感や大局観を得ることに繋がるかもしれません。


スピード重視で作ると私の好きな本の「脳の右側で描く」の"群島を、よそから来た航海士は海図を見て、詳細なルートを作成して進むが、現地の人間はそういったことをせず、自分がいる位置を島と自分の船の距離感で見て進めていく"なんて文章が記されていますが、その後者の感覚に非常に近い体験ができます。

 

 

タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.65 日本海軍 コマツ G40 ブルドーザー プラモデル 32565

タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.65 日本海軍 コマツ G40 ブルドーザー プラモデル 32565

 

 

re-11colors.hatenablog.com

 

re-11colors.hatenablog.com

 

re-11colors.hatenablog.com

タミヤ1/35のソミュアS35と視野の話

皆さんは、視野についてしっかりと自分で意識したことはありますか。

 

私は今年になって1m近いパネルをカッターで切るときに、自分の視野の限界に気が付きました。床にボードを置いて、定規を当ててカッターできるのだけども、まず定規がズレないように膝で抑える。そしてカッターを上半身をショベルカーみたいな一つの巨大な腕になったように動かす。このときに「あ、身体はなんとかなるけど、目はついていかないな」と気づいたのが限界の話。この姿勢だと目で追いきれない。

 

で、これって多分僕よりも背が高いだとかそういう問題で様子が変わってくる気がしたんです。それでそのまま専門学校時代の写真の先生が「人間の目は全部同じ、焦点距離だとは限らないかもしれない」なんて話を思い出しました。その時はデッサンの構図とかそういう話からの展開でしたが。

 

それで、タミヤのミリタリーミニチュアの話。

私は最近ハマってずっと1/48を作ってきました。これは保管場所の兼ね合いが一番大きかったのですが、そのロジックなら「小さい1/35」を作ることは別に問題ではない気がしたのと、フランス軍の戦車のルックスに惚れて(それは今度書こうかと思います)、ソミュア35Sを買いました。

 

 

f:id:nero_smith:20181230215327j:plain

 

箱を開けたときに、いきなりですね、この仮説は少し崩れる。感覚的に「デカい」と思ってしまったから。パーツ数も多いし、説明書も中綴じ製本されていて、何かこう「良い点が取れる見込みのないテスト用紙を見てしまった気分」に陥った。

 

ただ、制作自体は特に苦労することなく進められて「1/35の方が再現される部分が多く、1/48並に小さい部品もあるな」という事に気づいたりして「これはポスターかなんかを機械的に縮小させると細かな文字要素が潰れてしまうような出来事が1/48には起きているのか?」とかそういうことを考えるきっかけになったりして、1/48では小さすぎて潰れてしまうものが省略されているのかどうかなどへ思考が向いたりもしました。

 

そして、最初の視野の話です。これはもう組み立てているときに気づいていました。

一応前置きしておきますが、これは個人的な話でもあるし、どちらが優れているとかそういう話ではありません。

 

f:id:nero_smith:20181230214023j:plain

 

1/35のこのソミュア35Sは、特に手にとるとわかるのですが、全体を見るときに目が動きます。カメラが動くというか。そこで、リアルな造形や細かく作られたものの様子を楽しむことができます。多分これくらいの大きさだとそうなるのでしょう。全長はともかく、高さがありますし。

 

一方、私が作っていた1/48はカメラが焦点を合わせるようにギューッと目のピントが動く感じ。凝視するという表現が一番いいでしょうか。両目がグッとその対象を見ようとする。そして「うわー細かいなー」なんて思ったりします。

多分自分の視界に収まって、焦点をしっかり合わせて見たときの密度を凝縮されたとかいうのだろうとそのときに気づきました。

しかし、人の表現に感動するのは1/35かも?なんて感じてしまいました。

 

f:id:nero_smith:20181230214105j:plain

 

私にとってはソミュア35Sは兎にも角にもこの人。

こんなワイルドな乗り方で身体を乗り出している姿に「うわーなんだこれー」って。

 

f:id:nero_smith:20181230214102j:plain

 

格好良いです。手をシートと砲台の天面に置きながらの身体の乗り出し。

 

f:id:nero_smith:20181230214056j:plain

 

横から見てもかっこいい。というか最後の足を戦室に突っ込んで腰をかけさせる瞬間が一番楽しかったです。

 

年内にまさかもう一個作れるとは思わなかったので、定期更新とは別の更新でした。