革靴を今年になって買い集めている。
サイズが合う物が世の中にこんなにもあるのかということを知れたのが大きい。
いわゆる本格的な革靴で最初に買ったのは(本格的なそれは新品ではこれだけだが)、Church'sのシャノンという靴だ。
この靴を買う前に「えいっ」と気合いを入れた。
それは「高い靴を買うぞ」という気合いだ。
漠然とネットで靴を探したり、雑誌を読んだりして欲しい形を決めた。
最初はチーニーにしようかなと思ったけども、靴に詳しい知人から「チーニーは無いな」と言われて、その人の知識や履かれた話を聞いて見送る。
その後周りの人がよく買っていたシャンボードというモデルを買おうかなと思って次はパラブーツを青山に見に行った気がする。
ここで衝撃を受けたのは店員が意外にもジャケパンのイケイケ系だったということで、その時点で既に買う気が少し失せ、その後知識を増やしていくとどうやらJ.M.ウエストンというところのゴルフがシャンボードとそっくりだったのでスルー。
その後はアレンエドモンズを見に行ったけど変におとなしすぎて嫌になり、帰りによったお店で出会ったのがシャノンだ。
その後はいろいろと悩んだ。
シャノンは外羽根のプレーントゥと呼ばれる形で靴ひもをほどいた瞬間に
羽根がパッと開く
のが想像できたので似たような形でもっと優れたものを探したけども自分が買える値段の中ではこれが一番良かった。
さらに言えばこの靴を履いた時の少し反ったソールのバランスがもたらす歩き心地の新鮮さが僕をそわそわさせたし、店員さんがいう「この靴は天候の変わりやすいイギリスにぴったりの靴で……」とポリッシュドバインダーカーフの特性、ダブルソール、ストームウェルト、タンの部分の袋縫いと全てが「急な雨」という問題解決に向いた選択であることにホレボレした(ここまで書いて気づいたが先述のパラブーツも雨に強いそれなのに随分と印象が反対だ)。
全てが一貫しているというのがかっこよく、お店の人もそれについて熱く語るのが購入に至った理由だと思う。
そして蛇足だが、この靴はいわゆる「味」は出ない。使用されている革は樹脂がコーティングしてあるからだ。なので、傷がついても直らないしクリームも入りにくい。
ただひたすら今の状態をキープし続けることを念頭に置くような品であると思う。
「何でも味を出せばいい、育てれば良い」という感覚に疑問を持って買った一足の様にも感じられる。