「あー、それ?ぼろぼろになったら捨てるよ。(高いけど)だってそういう性質の物じゃん」
なんて言う人がいても良いと思う。
「一生物」と呼ばれる長く使える物がずーっと流行ってる――。
というか一大勢力として国家を築いたような感すら有るが、その札を下げられているそれらはどうにも一様に高い。しかし一方で
「高いけど、そしてその高さに見合う価値が有るけど長く使えないもの」
というのも有ると思う。加水分解するアレとかはそうかもしれない。
でも、なんとなく「高い金出したんだからさー、なんとかならねーの?」みたいなそういう気持ちがあって、更に「気に入ってる」ということの裏に「高い金出したんだから」という満足感や「(高かったのに)なんで??」って気持ちが見え隠れするような気がする(完全に想像だけど)。
さらに言えば、大事に履かないと…と死蔵してしまいそうなそんな未来も見える。
ここで僕が注意深く見るべきだと感じているのは「その物が何で高いのか」という話である。特殊な素材だから高いのか、長く持つから高いのか、とてもキレイで繊細な仕事が要求されるから高いのか。
早い話が価値を見抜くということ、その物の本来の役割を考えること(コスパとかそういう話じゃないよ)に尽きるのだけど。
最初から「これは3年しか持たない」とか「1年で捨てるわ」なんて思って買い物をしてみるとこれはこれで一生物との対比が面白く、高い製品ですらもそういうものがあるということを何となく感じられることができるのではないだろうか。物と自分の間で適切な契約を結ぶことこそが本当に良い事なのだろうと思う。
個人的にはサイクルが早い物は人体で言うと皮膚や爪、髪の毛の様に感じられ、長い物は心臓や脳のように思えるので身体的で面白い。