トレンチコートを10月頃に買った。
うっかり仕事帰りにブランド古着屋に寄ったが最後、頭からそれが離れなくなってしまった。さらに言えば幸服無限4号で丹原さんが語っていたトレンチコートのストーリーがとてもよくて気になっていた。つまり、運命の出会いであったのだ。
トレンチコートと言えばデザインと言い、ストーリーと言い個人的には完璧な服の一つだと思う。
しかしいささか完璧に過ぎる――。とも思う
その惚れ惚れする作りが放つ力をひとたび身に纏うと服に負ける自分がいる。
どクラシックなそれを着るとどうしても、どうしても似合わなくて鏡を見ると「ふふっ」ってにやけてしまっていたのだが
画像のトレンチコートは案外…というかとてもいけている。
恐らくシャツの様に小さな襟だと思う。
今まで、どうにもここが開いた時のボリュームが苦手だった(気がする)。
この、小さな変更が僕にもたらした影響は大きい。
「ふふっ」が「おおっ」
になったのだから。そして改めてこの変更というのを考えてみるとどうやらトレンチコートは「見所の多い服」だということが分かる。襟の大きさもそうだが、袖口のベルト、腰のベルト、ポケットのフラップ、チンストラップ、ガンパッチ、左右どちらも前に来るようにするのか…丈や、ワンピースっぽくしようなんてのもあるし、もっといろいろとあるだろう。
その、各々に対してデザイナーが何をどう採用し、何を捨てるのかというのがとても分かりやすい物なのだと思う。
THEクラシックな物を着られるほどに経験や手持ちが少ない自分であったり、(まだ似合わないという点で)やはり今風の人間であるということを感じることの出来る良い買い物であった。