Bruno Magli スエードシューズ
私が以前、それこそ靴道に邁進しだす以前に重用していた靴の形をしていた履物の多くはスエードであった(その他はもっぱら足袋であった)。
しかしいざその道を走り出すとスエードに目もくれることなくスムースなレザー達を手に入れては大切なペットを大事に大事にかわいがるようにブラシをし、お手入れをするという時期が続いた。というか今も続いている。
しかし当然の帰結と言わんばかりに私の足下にそれは返ってきた。
私はスエードの何が好きなのかと問われたら「皺」だと答える。
暖かみのある起毛感は見所の一つであり、その表情の多彩さは春夏秋冬問わず私の足下のアクセントを付けてくれるだろうが何よりもその毛が潰れた皺が美しい。
カーフを代表とする表革の滑らかな肌触りの靴は皺を心の底からは美しいとは思えないが、スエードに関しては別なのだ。
若干サイズが大きい気もしないではないが、中敷きを入れたら良くなったのでとても気に入っている。