今年は割と本を沢山読んだがその中でも面白いものを3冊。
数珠つなぎのようなリンク感を感じて頂くためにも順番通りに読まれると楽しいと思われます。
社会心理学の名著。ということで読み進めると交渉ごとや商売に於いて成果を上げるための具体的な方法が載っている。「これを使って自分の思う通りに相手を丸め込もう」なんてことはしないで良いですが、色々な大人が様々な思惑を持って話しかけてくる日常ではこの中に書いてある6つのテクニックは覚えておくと予防的に作用します。
客観的な事例やデータがするっと織り込まれた文章は読みやすく説得力有り。
そもそも「社会心理学なんてそんなマニュアル信用出来るかよ、人は気持ちで動いてるんだぜ」と思う私も、さらっと触れて日常に照らし合わせるだけでも当てはまるシーンがありがっくり。「社会心理学に分類されてしまうほどに単純な自分を知る」ことが人は気持ちで動いていると知るための第一歩とも思ったり。
ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 (Sports Graphic Number Books)
- 作者: 生島淳
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/08/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 コーチングとは「信じること」 (文春e-book)
というわけで客観性のあるデータや事例の真実味の強さを味わった後に読んだのはこちら。エディーヘッドコーチは大会前から良い試合が出来ることは目に見えていたいう話を聞いて興味が湧き読んでみると、データを元にチーム作りとゲームメイキングをしていて面白く読めた。パスとキックの黄金律の話を始めとした日本の特異性を数値化してそれに向けてトレーニングを重ねる、五郎丸のルーティーンはキックの成功率を理想の数値まで上げるためのものだったという辺りは普通に驚く。
ルーティーンも客観的な動作であり基準だよなと思っていたらテレビで「アレ(ルーティーンが無かったら)と思うと…」と本人が語っていたのでびっくり。
- 作者: W.T.ガルウェイ,後藤新弥
- 出版社/メーカー: 日刊スポーツ出版社
- 発売日: 2000/07/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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先の本でエディーヘッドコーチが勧めていたのがこの本。
具体的なメンタルトレーニングの本って読んだことないし読んでみるかと思ってページを進めていくと氏が言っていたように「テニス以外にも使える」と納得。
特にストロークの練習についてラケットとボールの位置を聞き続けるシーンは五郎丸のルーティーンに通じるものがある。常にぶれない、客観的なものを心の中ではなく自分の身体にしみ込ませることでパフォーマンスの波を無くしてスコアをあげようというアイデアはためになります。
「自分自身」という言葉があるように「自分」と「自身」が人の中には存在していて「自分」は常に「自身」に対して命令的であり、自身のパフォーマンスを阻害している、なので自分を如何に黙らせて自身(つまり身体)の思うように動いてもらうかについて書かれている。
何かミスったときに「あー、何てダメなんだろう」と思ったり、上手く行ってるときに「メッチャ調子いいわ!」と思うことが良くないですよという話。
個人的には客観的な事実(正しいラケットとボールの関係を維持し続けるようなこと)を積み重ねることにのみ集中し続けることで作業効率がぐっと上がったのでとてもよかった。
三冊通して得られることは「客観的なデータは見逃せない要素の1つ」ということと「それを元にした積み重ねは割と成果が出やすい(だから楽しい)」と思えることだと思う。
2016年もこういったものを取り入れる形の創意工夫でなるべく楽に暮らしていきたいです。