Re:11colors

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名解説者、カーリングの伝道師。小林宏さんを偲ぶ

カーリング女子日本代表が世界選手権でメダル確定!というニュースを先日見た。
対ロシア戦の第9エンド。ダブルテイクアウトが見事に決まる様子を眺めて

 

「お、ダブルテイクアウトが決まったぞ」

 

と思いトリノ五輪の女子代表の活躍(そしてバンクーバーでのあの感じ)を思い出すと同時に「小林さんはどうしてるのかな」と名解説で私にカーリングの楽しさを教えてくれた小林宏さんのことが気になった。

どうやら気になった人は私以外にもいたようでTwitterで「カーリング 小林」と検索をかけるとヒットした。しかしなんと内容は「小林宏さんは亡くなっていた」というショッキングなものだった。なので今日は小林宏さんについて自分が思うことを書くことにする。

 

トリノ五輪は当時の記憶が正しければ思ったより日本勢が振るわず、競技種目の特性もあり総当たりでチーム戦。そして比較的ゆっくりとした試合進行なカーリングがじわりじわりと注目を集めたそんな大会だったと思う。そんな中、小林さんの解説は初心者向けの解説でわかりやすく、それを聞きながら数試合見ると気づいたらゲームの流れがわかるようになっている。そんなものだった。名キャスターの刈谷氏とのコンビが非常に気持ちのよいものだったのもよく覚えている。

毎試合、序盤の方は初心者向けの説明。「ずっとご覧の皆様にはお分かりかと思いますが」みたいなフォローも入っていた気がする。テンションが上がると絶叫しだすし、泣く。
カーリングへの愛が溢れながらも、まずは理解してもらおう。という姿勢が先に立ち、抑えきれない情熱が試合の大事な局面になると爆発する。そんな人だった。

「相手のミスショットには歓声を上げない、いいショットは相手でも誉める」という当たり前と言えば当たり前のスポーツマンシップを体現するような人でもあって移転前の自分のブログから記憶を引っ張りだしてみると、対イギリス戦で相手のスキップ(最後に石を投げる人です)がミスショットをしたときにすかさず

 

「これは本当にむずかしいショットなんです。観ているみなさんはミスだと思うかもしれませんが、わずか1センチのところまで、ギリギリ勝負できた技術を見てください」

 

と視聴者に向けて今のショットが如何に難しく、勝つのに必要なショットであり、相手がリスクを侵して攻めて来たかを伝えていたことが残っている。
名解説はいろいろと検索すると出てきますが、トリノ五輪に関していえば日本の最終戦だったか決勝戦だかは忘れてしまったけど

 

「うぉぉぉぉ知的スポーツカーリング!!」

 

みたいなもういろいろな感情が混ざりあって涙するような勢いで叫んでいたこのフレーズ(検索しても出てこない……)。
僕も涙した記憶がある。今まで僕らに向けてわかりやすくを心がけていた人がこんな叫びを見せるとはと何か心動かされるものがあったのだろう。書いているとどういうわけか小林さんの声が聞こえてくる(こんな恥ずかしい表現をした事が今まであっただろうか)。

 

「わたしも納得しました!」(選手の作戦を聞いて)

「This is Curling!」

 

小林宏さん、私に楽しいカーリング観戦の時間を与えてくれてありがとうございました。