細身の、少し長めな形がほんのりイタリア。
そんな一足。
J.M.WESTONだけなのかなーなんてたまに思うけどラインがしっかりと、なおかつ多岐に渡る靴のメーカーって少ない気がする。
精々、定番/普及/上級みたいな分け方かな。とか。
この靴はK9コレクションとカタログでは分類されているモデルで特徴は比較的細身で振り幅が少ない真っすぐな木型(大体は内に振ったりしている。わかりやすく説明すると→〈 〉こんな形。振り幅は実際の所外側からはあまり判断できない)。
履いてみると冒頭に上げた通りで細身の少し長めな形で「J.M.WESTONらしくない」なんて思う人もいそうな見た目だ。
ただ改めて振り返ってみると名作と言われるローファーにせよゴルフにせよ幅、長さ共に多くのサイズレンジを持っていて、それ以外の「J.M.WESTONらしい」といわれる靴ですら最低限でも二種類の幅は持っていそうなあたりからも本来は「一人一人に履きやすい靴を多彩なサイズレンジと木型のバリエーション(そして奥行きのあるデザイン)を持っている」ことこそがJ.M.WESTONなのではないかと思う。
靴自体の形を殺さないデザインの盛り込み方が個人的には喝采ものでして
「この長さを活かすために敢えて甲部分は穴飾り無し、でもそれだけだと釣り合わないから端をギザギザにするよ!あとつま先の方が重たい感じがするから紐周りは別パターンで!」
という声が聞こえてきそうな前後のバランス感の細かなせめぎ合いがナイス。
革がカジュアルな中でのこの少しお高く止まった感じはその辺からきているのだろう。
カーゴパンツとかベイカーパンツに合わせて靴のディテールや持っている情報量に飲まれすぎないように履くと特に輝く様子。