Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

BONORAの歴史を聞いて思ったこと

BONORAというメーカーの靴があったのだけれども歴史を調べようとすると妙に充実したWikipediaのページが出てきて

 

「たとえば現在の既成靴ではジョンロブ・パリの靴の革が最上級のものの一つとされているが、注意深く観察すれば表革は一般的に非常に薄い(ただしアンライニングの靴などは、表革だけで靴の形を維持しなければならないため、これにはあてはまらない)。 こういったことを知らずして、インターネットなどで行われているオークションに高額で入札するのは愚かな行為である。」

 

といった熱い記載があったりと面白いのだが時系列順に細かな仕様などを特定するのが難しい。新、旧の分け方も結構難しい。いわゆる「新生BONORA」とそれ以前のもので新、旧と分けるのか今説明した旧の中でさらに分かれるのか。全く謎である。

なのでInstagram上で「誰か詳しい人教えてくださると助かります」と写真とともにアップロードしたら教えてもらえて希少な意見を入手することができた。

 

旧BONORAと呼ばれるもを観察しているとソールを見るとウエスト部分を木釘で打っているものとそうでないものがある。これがどっちが古くて新しいのかが謎だった。なにせ木釘で打っている方が手間がかかっている様な気がするし何せその仕様はルーマニアの名靴、Saint Crispinと同じ仕様なので(しかも下請けにしていたなんて記述もあるものだから)そこの生産のものだったりするから手強い。

不正確な情報ではあるがSaint Crispin製のもの方が後に作られたもので木釘のないものはむしろBONORAのイタリアのファクトリーが閉鎖される前のものということだった。

 

正直な話、イタリア靴は今の現状だけいえばそこまで流行っていなく情報を気軽に入手するというのも中々難しい話だ。アメリカのフローシャイムなどの人気があり、多く作られた靴は今でもよく見られ、生産番号などによる解明も進んでいてとても見ていて楽しい。一番身近な話題だとヴィンテージジーンズの解明などがわかりやすいだろうか。多くの人が関わることで研究発展が進む。

イタリア靴はそういう意味だとまだまだ資料が見つかりにくい様子があり、それはそれで面白いことだと思う。

色々な今は亡きメーカー、現存するものでも昔のものが「幻」と評されるレベルまでになるために「資料があまりない」ことが神話性を高めているような感じがするからだ。