2016年11月23日に東京流通センター第二展示場にて行われる第23回文学フリマ東京「エ-61」にて販売させていただく新作「紳士靴十八話」。
無事に手元に届きました。
「靴というフィルターを通しての文学」という形で作られた幾つかの作品の中の現時点での最新作について少し触れてみましょう。
話数とタイトル
紳士靴十八話は文字通り十八の靴についての話が載っている本です。
既刊はどれも紳士靴〇〇話という形式で名付けられていて収録話数がそのままタイトルにつけられています。
全体の構成について
「靴と日々」「靴の素材と形」「私に履かれる靴」という三つのブロックで構成されていますが、どれにしても靴に対しての気づきが書かれていることには変わりません。軽く触れておくと
靴と日々:私の生活の周りにある靴の話をまとめたもの
靴の素材と形:様々な素材や形の靴の中で特に書きたいと思ったものをまとめたもの
私に履かれる靴:実際に履いているくつから幾つかをピックアップして履いている様子やデザインについて触れたもの
といった形になっています。
ページを構成する要素は?
いわゆる本文、それと靴の絵がメインです。
それ以外手書き文字による靴のレビューや雑感。ページ下部にはその文章の中で特に解説しておきたいものに関しての小さな解説があります。
見所に見えない、見所
目立ってはいけない部分かもしれないですが、今回は実験的なレイアウトを幾つか試しました。文章と絵が一緒に存在するページを作ることで文章と絵が一緒になることで生まれる全く別の何かを作りたかったのです。整然と同じレイアウトが続くページもあれば色々な形で靴が文章と混ざり合うページをつくりました。
最近はあまりこういったものを見る機会もありませんので新鮮な気持ちで見ていただけると幸いです。
最後に
「なるべく分量を増やしてみたらどうなるのか」と考えて作成を進めましたがページ数は72ページと前作の紳士靴九話の倍以上となりました(話数は倍ですね)。絵も大きく取り扱ってみたり、表紙をデザイン的な"手が加わった"様子のもの(それでも最小限の良い表現に止めましたが)にしてみたりと新しい試みを行ないました。
それらは絵と文がただ整然と置かれた今までの作品とは違うものとして手に取ってくれる方に喜んでいただけるようにと工夫をしたものです。
多くの靴のイラストが綺麗に並ぶ表紙も、潔く文字が置かれた表紙も美しく良いものなのは確かですがより情報を内包した表紙はいかにも書籍といった形で美しいと思いますし、あざとく、憎い位置に置かれているページ番号やついつい読んでしまう人がいることを知っているかのように存在する小さな文字で書かれた解説などは何か計算がされているようで野心を感じます。
新作、紳士靴十八話は600円での販売です。
2016年11月23日に東京流通センター第二展示場にて行われる第23回文学フリマ東京「エ-61」にてお待ちしておりますので何卒よろしくお願いいたします。