私はスイカのペンギンが好きだ。
ただ、ペンギンって白黒で人形などは汚れてしまうので買えない。なので、家にはグッズがたくさん。というわけではない。ただ唯一、EDWINとコラボレーションしたデニムでできたそいつは生地の感じなどもえらく気に入って所有している(あのシリーズはまた再開しないのだろうか)。
それで、本当にたまたまそのペンギンの生みの親、坂崎千春氏の展覧会が新宿伊勢丹で開催されるということを聞きつけ、最終日まで休みがない中で最後の日に滑り込みでみにいくことに。
ペンギン百態と題し動物とペンギンの絵を無数に展示するその空間は「かわいい」の一言。ただただ可愛く、私は癒された。蟻に噛まれるペンギン、アライグマにむにーっ遊ばれるペンギン。オニオオハシと戯れるペンギン。文鳥をのせるペンギン、ねことペンギン。プランクトンとペンギン。ラッコと浮かぶペンギン。
そして原画を販売していたのだが、それはとうに売り切れ。初日に行けなかった現職を恨んだのは言うまでもない。仕事め。
ただ残っているものは残っているもので「ジクレー版画」と呼ばれるインクジェットプリントの超高級版(とはいってもインクジェットプリントなのでそんなに高いわけではなかった)がいくつかあったのでそれを買うことにした。「私は伊勢丹で絵を買った」
このかわいらしさ。である。ただただ、かわいい。
まろみのある曲線と、かわいいといってもそこまでかわいさに振っていない感じ。アデリーペンギンのどこか記号っぽいツラ。無表情なのにかわいい。無表情なものが好きなのかとすら思う。これで10,000円と少しとかだったので安いものである。何かあるたびに足を運び何かを買ってしまいそうだ。
「配送は4月の上旬になります」とあらかじめいわれていたので首を長くしてまっていたら月曜日に到着。配送する前に電話を伊勢丹の方からいただけて気持ち的にも安心して迎えられたがこの厳重さ。
「取扱注意」は見たことあるけど「美術品につき代用品なし 取扱注意」とはスリリングなものである。開けるこっちも改めて曲がりなりにも百貨店で絵を買ったのだと緊張した。「毎度ありがとうございます」のゴールドシールも眩しい。
他にもその場で買って持って帰ってきた九谷焼の小さな皿など、どちらかというと大人向けのグッズが多い展覧会だったが、非常に楽しめた。ホクホクしたとはこういうことか。この愛らしさは本当に羨ましい。
私も靴の絵をなんとなく描いてはいるが、だからこそ近づこうとすればするほど触れられないことがわかる良さを感じる。
だから、絵を買ったのか。