足りない絵というのは私が果たせる役目の中で「絵」だけが足りないことを指す。
完成度の高い情報表現をきちんと作ろうと思ったら、その3人が必要だということは、その3人がいればできるということでもあります。
デザインの仕事/寄藤文平 185ページより
ここでいう3人とは「デザイナー、編集者、イラストレーター」のことを指す。
私はデザイナーは3年ほど、エディトリアルをがっつりやる中で編集に片足を入れて、次の職場ではそのままライターの方に。イラストは当時全然描けなかった。
ただ、文学フリマを通じて「ああ、うちにはイラストレーターがいないな」と気づいて、というか
「思ったより売れるからこれはイラストレーターをつけたほうが、売れるし何より本として読む人の満足度が上がるだろう」
とデザイナーの私と編集者の私が話をしてイラストレーターの私を採用することにした。そう、イラストレーターの私がいれば完成度の高い情報表現ができる。はずだ。
というわけでこのブログでも定期的に書いているように絵の練習をずっとしている。
最近、少し面白いなと思うことがあった。
もともと「努力しない・時間をかけない」を掲げていてなるべく練習しないで上手くなろうとしてたのだけど『本を読んで』『練習をする』ことを覚えて毎日コツコツとは言わないでも暇な日はやるようにしていて。最近いよいよ11月に迫った文学フリマの準備をしていたら「ああ、こういう気持ちで、あれか、取り組めば良いのか」と気づいたのだ。
それは
・本を読む
・練習をする
・実践
と分けて考えて臨むこと。
「こうやって分けておけば、何かしらやるだろう」と。
絵を描くのが面倒だなと思ったら本を読む。描き方に関して読んでいると、試しに練習してみるか。となる。練習して自信がつくと、じゃあ実際に描いてみましょう。と実践。そして完成へ。めでたしめでたし。
当然の話だけどもこれは定期的なサイクルではなくて、割と適当に動いている気がする。例えば本を読んで知識がパンパンになると試したくなる。練習もそんな感じで、コップの中に水が満たされたら別の容器に注ぐ。そんな感じで進む。
この中で面白いのは実践からどうなるのかだと思う。うまくいかないと悔しくて、他の二つに戻る。
しかも作成中に知識があると「この表現がよくわからないんだよな」「ていうか線を引くときのフォームが綺麗じゃないんだよな」「もっと線の感覚にシリアスにならないと」と至らない点に気づくので、またそれについての勉強や練習をしたくなる。
大体自分の場合は「この表現は逃げている」「この線の省略は描き方がわかってないからだ」という感じで。その辺のトライアングルは割と自在に動いてる。
そうそう、そういえば昨日なんだけど初めて自分の絵に色をつけてみた。
「これ使ってるよー」ってブログで教えてくれた方がいたので。
基本的に手描きで完成まで持っていくのが常だったから色をつけるっていうと絵の具しかなくて、失敗したら戻れないから嫌だったんだけどこれだったら失敗しても戻れるもんね。
制作に使っているMacbookは黒いやつで昔でいう「松」とか呼ばれていたやつなんだけど、もう10年以上前の。学生時代のアカデミックパックのCS2でなんとかやってるからPhotoshopで着彩とか結構、ね。動作面の問題が。あと、マウスでってのも難しそうですし。というので止めていたけど、これだったらサクサクいける。
この作業をやってるときに初めて「見たまま、思った通りに描けばよい」というのが少しわかった。ああ、勉強してなんかそういうのの素地みたいなのできたんだな。
とはいうものの4色で本作ると値段がべらぼうに上がるのと色の調整の手間とか、いろいろあるんで色付けしたものは本にする予定はないかな。あと、PC止まったら嫌だし。
それに制限がある中で、習慣的な技法を学び使うことでかえって個性を発揮しやすいみたいなこと書いてあって「ああ、なんかラップぽいな」って思ったりした、その感触の良さを今は追いたい感じもあるので。
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あとは、描くスピードが上がればもっと上達速度もあがるのでは。