こんにちは。
もうあと文学フリマ東京まで2週間と少しですね。
無事に新作を入稿することが出来ましたので、新作「生活と革靴」の話と最後に表紙を公開して終わりにします。
まわりに革靴を日常的に履く、という人はどれくらいいるでしょうか。
私は日常的に革靴を履く人なのですが、紳士靴・ドレスシューズ・ビジネスシューズなんて言葉の範疇に革靴を収めてしまうと日常に履くというのもなかなか難しい気がします。
今はスニーカーが日常履きの一足として多くの支持を得ていますが、スニーカーが誕生するまでは革靴だって日常履き。アメリカ的な靴とされるロングウィングチップは「大衆靴」なんて呼ばれていましたし。今回のメインビジュアルの靴は山での生活に密接に関わった革靴でした。それらは今も普通に洋服に合わせることは可能なので革靴と生活がつながることは昔はあり得たし、今も可能です。
生活というざっくりとした言葉は、ここ最近は特に取扱が難しいものです。
ライフスタイルと言ってしまうとまた何か違うような感じで、そうは言われない部分を切り取ろうとすると「ハレとケ」なんて言葉がぼんやりと浮かんできます。
そこまで分けるものなのか?というとそこがまた難しいところですね。
仕事と私生活、みたいな分け方をして「休みの日はこれをする」「平日はこれ」なんていうふうな明確な仕切りをずーっとし続けるのか?というとなかなかそうでもないような感じがします。
月曜日はゆっくり、火曜日から木曜にかけてエンジンを掛けて金曜日は早く帰る。
と平日の暮らしのマインドセットをしたところで目の前で起こる様々な出来事は思い通りにはいってくれないですし。
そういうなんだかぼんやりしたものも生活の一部でそういうところは今のところ言葉にされていないようです。
その辺の、例えばこの記事を書いている間の部屋の汚さとかそういうのも写真にはもちろん写せないし、それこそ撮るまでもないことが書けたり、そこに登場する靴がイラストで示されたりしていると良いなと思って今回は作りました。
「あれこの靴よく履いてるな俺」
なんて気づいたり、
「ああ、同じの何足かあったら良いなこれは」
なんて思ったりってのは日々の積み重ねで、新しい靴を買ったから記録するとか、変化の様子を記録するとかとは違う無意識が自分の周りでチカチカと瞬いて教えてくれることなのかなとこの本のために何を書こうか悩んでいるときに気づいたことだったりします。
そういった「なんとなく続いてしまう生活にある革靴の話」を今回は書いてみましたので是非、手にとっていただければと思っています(まだ、届いていませんが)。
というわけで今日は仮製本にはなりますが表紙の画像をアップしておしまいにします。
皆様にも、良い靴が足元に常にあることを願っています。
それでは。