皆さんは、視野についてしっかりと自分で意識したことはありますか。
私は今年になって1m近いパネルをカッターで切るときに、自分の視野の限界に気が付きました。床にボードを置いて、定規を当ててカッターできるのだけども、まず定規がズレないように膝で抑える。そしてカッターを上半身をショベルカーみたいな一つの巨大な腕になったように動かす。このときに「あ、身体はなんとかなるけど、目はついていかないな」と気づいたのが限界の話。この姿勢だと目で追いきれない。
で、これって多分僕よりも背が高いだとかそういう問題で様子が変わってくる気がしたんです。それでそのまま専門学校時代の写真の先生が「人間の目は全部同じ、焦点距離だとは限らないかもしれない」なんて話を思い出しました。その時はデッサンの構図とかそういう話からの展開でしたが。
それで、タミヤのミリタリーミニチュアの話。
私は最近ハマってずっと1/48を作ってきました。これは保管場所の兼ね合いが一番大きかったのですが、そのロジックなら「小さい1/35」を作ることは別に問題ではない気がしたのと、フランス軍の戦車のルックスに惚れて(それは今度書こうかと思います)、ソミュア35Sを買いました。
箱を開けたときに、いきなりですね、この仮説は少し崩れる。感覚的に「デカい」と思ってしまったから。パーツ数も多いし、説明書も中綴じ製本されていて、何かこう「良い点が取れる見込みのないテスト用紙を見てしまった気分」に陥った。
ただ、制作自体は特に苦労することなく進められて「1/35の方が再現される部分が多く、1/48並に小さい部品もあるな」という事に気づいたりして「これはポスターかなんかを機械的に縮小させると細かな文字要素が潰れてしまうような出来事が1/48には起きているのか?」とかそういうことを考えるきっかけになったりして、1/48では小さすぎて潰れてしまうものが省略されているのかどうかなどへ思考が向いたりもしました。
そして、最初の視野の話です。これはもう組み立てているときに気づいていました。
一応前置きしておきますが、これは個人的な話でもあるし、どちらが優れているとかそういう話ではありません。
1/35のこのソミュア35Sは、特に手にとるとわかるのですが、全体を見るときに目が動きます。カメラが動くというか。そこで、リアルな造形や細かく作られたものの様子を楽しむことができます。多分これくらいの大きさだとそうなるのでしょう。全長はともかく、高さがありますし。
一方、私が作っていた1/48はカメラが焦点を合わせるようにギューッと目のピントが動く感じ。凝視するという表現が一番いいでしょうか。両目がグッとその対象を見ようとする。そして「うわー細かいなー」なんて思ったりします。
多分自分の視界に収まって、焦点をしっかり合わせて見たときの密度を凝縮されたとかいうのだろうとそのときに気づきました。
しかし、人の表現に感動するのは1/35かも?なんて感じてしまいました。
私にとってはソミュア35Sは兎にも角にもこの人。
こんなワイルドな乗り方で身体を乗り出している姿に「うわーなんだこれー」って。
格好良いです。手をシートと砲台の天面に置きながらの身体の乗り出し。
横から見てもかっこいい。というか最後の足を戦室に突っ込んで腰をかけさせる瞬間が一番楽しかったです。
年内にまさかもう一個作れるとは思わなかったので、定期更新とは別の更新でした。
タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.344 フランス陸軍 中戦車 ソミュア S35 プラモデル 35344
- 出版社/メーカー: タミヤ(TAMIYA)
- 発売日: 2015/03/28
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