時折公言するのだけど「ボルボアート&デザインコンペティション」というコンペで受賞したことがある。賞金と、2009年のカレンダーの絵になるというのが嬉しいコンペだった。
このときは車になんて一ミリも興味がなかった。VOLVOというよりはスウェーデンに興味があって、それで応募をしたのだけど「もし仮に将来車に乗ることになったらVOLVOがいいな」なんて思ったりしていた。
その後もつい最近まで車への興味は限りなくゼロ。今はものすごく興味を持っているんだけど、そうなる少し前、模型を作り初めた頃にまず頭に浮かんだのはVOLVOだ。車種は問わない。俺とVOLVOには絆がある。だから俺は部屋にVOLVOを置く権利がある。
現行品で手に入るものを探すと、トラック以外は一つだけ。BEEMAX VOLVO240 マカオギアウィナー。聞き慣れないメーカーが作っているヘッドランプに漢字を貼り付け異彩を放つ風貌に「コレを作らないと俺の模型ライフは一生終わらないな」とすぐに感じた。ただ、今は作れない。いつか作れるようになったら作ろう。そうやってずっと遠目に見ていた。
ただ、こういう状態の解決方法は一つしかないことも知っていた。
結局、作らないと終わらないのだ。いつか作ろういつか作ろうと周囲をグルグル回るようにラリーカーを作っても、四角い車を作っても結局何も変わらない。本当に欲しいものを買うのはいつだって最高の解決策だ。
箱を開けた瞬間に「コレは空飛ぶレンガですわ」と一瞬で思う四角いボディ。そしてやっぱり似合うよな、と思うヘッドランプの「永高汽車」の文字。
なんで似合うかって?書体としてデザインされた漢字は仮想ボディという四角い箱の中にきれいに収まるからだ。加えて永字八法と呼ばれる「永」も入っているこれが美しい。
漢字がキレイに収まるヨーロッパの車が香港を走っていたなんてこれほど最高の情感はあるだろうか。最高だ。
そして後ろに向ければ板チョコみたいに区切られたランプ。四角い。とにかく四角い。どこまで四角いのか。とにかく四角い。好きだ。俺は4という数字が好きなのだけど、それは数字の中で最もカクカクしているからだ。デジタル数字の4は最高だし銭湯の木札の下足入れはいつも「44」を選ぶ。好きなんだ4が。四角が。板チョコが。
話がそれたけどこのVOLVO240の四角さにありとあらゆるものが合っているような気がしてくる。
何せ、派手に貼られたスポンサーロゴや車体ナンバーの中に丸いものが殆ど無い。精々、アルファベットの都合上曲線が見られるだけ。そして「KAMACHI」の躍動的なイタリック体と「YASAKI CITY」の正体の対比が美しい。きっと空飛ぶレンガの名のとおりに飛ばしているときにはKAMACHIの躍動感が映えるし、減速して止まるときにはYASAKI CITYの文字がスッとキレイに目に入ることだろう。
そしてKAMACHIのロゴの雰囲気をまとった赤の太い線と細い線の二重線(親子罫)がこの車の四角さをさらに強調している。
きっと、このデザイン自体はラリーカーを車体トータルでデザインすると考えたときにかなりわかりやすく、その面白さを味わえるのではないか。
このキットは前後のバンパーは本来はレッド、リアウイングは白の塗装が正しいキットだけれどもトータルで見たときには写真のように色を塗らないで黒のままでも十分いい気がする。また、車体後部には1cmに満たない大きな穴を開ける必要があるが、そこはバンパーなどの成型色の黒を活かすのであればかえって開けない方が全体の様子としては良い気もする。
因縁の車、作るなら売っているうちに。と思います。
福だるまのミッフィーは日本橋三越の催事で手に入れましたが、今は手に入りにくいかもしれません。あとこの写真は連休中の朝に撮ったんだけど、陽の光が一番きれいに撮れるね。
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