タミヤの1/72(中身はイタレリ)のグリペンの模型を作った。
スウェーデン機は軍服がそうであるように独特なものが多く見受けられ、グリペンはその中の一つ。グリフォンを意味するその単語のとおりに片側二枚の翼がキレのある造形を生み出している。
大きさは小さめ。
個人的に最高のジェット機はこれだろうと思い、いつか作ろうと思っていて、実は一回うまく作れなかった。そのいつかから少したった先日、久しぶりに作ってみると、なんと簡単にできあがることか。そして組み上がる形は最高のジェット機。サイズ、全体的エッジの利いた造形、重心も後ろ過ぎず、前過ぎず、全てがかっこ良い。作っていて、どこがうまく行かなかったのかをあまり思い出せなかった。
ただ、自分が今まで作った飛行機のキットの経験はとても良く思い出せた。合わないパーツはアロマホビーのハリケーンを作っているときに、しならせるように貼るあの感じ(あれはパーツの歪みというよりは中に入れたパーツが原因だったので狙っているのでは?と未だに思うが)。小さなパーツはタミヤの良いピンセットでピタッと合わせて数秒数えて止める。今となっては当たり前のことが当時はできなかったんだろうなと、裏返すように判明していく。
F1を作ったときに知ったどこを決めると、かっこよく見えるのか。
そういうことがわかって作っていると、カチッカチッと形が決まってきて、それが自分の自信の重なりだって言うことに気づく。自信という最高の模型道具。「俺、今模型をうまく作れている」と。
自信は、今まで作ってきた模型の積み重ねだ。作っていて「なぜ俺は今、自信に溢れているのだろうか」と思っていたけど、それはタミヤのミリタリーミニチュアやSWEETの1/144の飛行機のような丁寧さに形作られてられていたことがわかる。タミヤには十分な接着しろやパーツ精度、完璧に近い段取りがある。SWEETはああいった小さなものでありながらも丁寧さに溢れた素晴らしさ。
そういうものが、作っているときにそれが事実として存在することは私もブログに書いてきたけども、こうしてイタレリのグリペンを作っているとそれが自分の身になっていることがわかる。「タミヤのようなガイドはないけど、こう付けよう」「スイートの丁寧さを作る俺が再現する」というように、自分が一番気に入ったジェット機の模型を、最高のモチベーションで作ることができた。
ボディは銀に塗ったら良いかなと思ったけど風呂に入りながら考えていたら、複雑な形状の雰囲気を損ないたくないなと断念した。じゃあ、脚を塗れば良いのでは?と思ったらズバリハマった。タイヤを黒く塗って、脚を銀に塗ると、成型色のグレーはジェット機においては都合のいい風合いの素材に変わる。
成型色を残して一色を塗るということは二色になることで、二色を塗るということは3色になるということ。クリアパーツがあるのなら、4色。それぞれが、異なる質感を帯びているなら、それはもう、その造形に惚れこんでさえいれば豊かなミニチュアになる。
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