午前零時 雨上がりの冷気 感じながらまた誓うリベンジ
気がつけば人生も後半のページ なのに未だに半端なステージ
時には手痛く 喰らっちまうダメージ
RHYMESTERのONCE AGAINという曲の出だしはこんな感じだ。
この曲はいわゆる応援ソング的な物でもあるのだけど、引用した歌詞から感じるようにどことなく悲壮感が漂う。実際この曲は「俺はダメかもしれないけどもう一度やってやるぜ」という世界観の曲だ。
午前零時 日付の変わる瞬間から スタンスもチェンジ
世間にはびこるマイナスイメージ 百も承知でリスクをマネージ
風当たり増す厳しい現実 タイトロープ渡ってんだ 連日
そしてこの曲はその後に発表されたDeejay Deejayという曲の一部だ。
冒頭の歌詞の午前零時とは随分違うように思える(さらに曲調も相まって正反対な印象も覚える)。
僕はこの自分が作ったものを手軽にひっくり返せるところがとてもカッコいいと思う。
もちろん世の中にそんなものは数多くあるのだと思うし、それを見つけてみると同様にカッコいいと感じるかもしれない。
何かを身につけてみたり、作ってみたり…ということをすると周りが色んな形で評価する。そうすると次はそれの磁力に引っ張られることがある気がする。その磁力はそれが続く限りどんどん強くなる。「○○ってこういう感じだよね」って印象がどんどん強くなっていく感じ。で、そこから外れるのが怖かったり、或いは惰性になっていくのかなんなのか気づいたら成果物の方に自分が支配されるというか。
もちろんひっくり返すことや正反対の方向からのアプローチなんてのも自分が作ったものの影響を受けているし、評価に対して鋭敏であるのだけれど。
ただ出来上がったものや既に続く世界観と自分の関係が対等であったり、それと遊べるというのがとてもカッコいいと思う。
「えー!? せっかく良い物作ったのに、次そんなことしちゃうの??」
という驚きが僕は好きなのだろう。
実際自分で何かを作ってみるとこれをひっくり返すことがいかに大変か。
ついうっかり「僕の大切な作品」なんて思っていたけど、この2曲で
「もともと作品なんて大した物じゃないし、もっといえば大事なのは作品じゃなくて『俺が楽しいか』だったわ」
なんて思ったりして彼らの真似をしようとしている。