最近描いたお気に入りの絵だが、これを描けるようになるきっかけがこの動画。
「お前らは絵を描くとき、習っていない『顔』や『髪』を描こうとしていないか?」
と序盤に語りかけられるが言われてみればそうであり、いつか聞いたラジオでも「ギター教室の先生っていきなり弾いてみようっていってくるよね」なんて話していたことを思い出す。
絵を描くことについて「描いていけばわかる」「まずは自分が思うような感じで思い切って」と言われたことはある。ただ、描いていてもうまくいかず全くわからなかったし、そもそも思い切ることが何なのかもよくわからなかった。その経験から絵を描くことはあまり好きではないと思うようになった。ただここ数年、必要に応じて絵を描き続けると「上手くなるにはどうしたら……」「またあの描けばわかる地獄に入るのか……」と悩みは増える一方の中、冒頭の一文である気づきを得る。
「あれ、もしかして俺、絵を習ってない?」

- 作者: ベティ・エドワーズ,野中邦子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2013/01/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そこでこの本だ(エミネムさんが絵の描き方について教えてくれるそうですのシリーズの中で紹介されています)。この本には絵の描き方が載っていた。画家の見方なんてものは知らなかったし、純粋輪郭画法という訓練で自分の手が自分の目の見えないところでこんな繊細な線が描けるのか、見てないからこそ描けるのかと驚いた。
ネガスペースを見ることで複雑な紐の絡まりや左右の靴の複雑な位置関係が描けるようになるとは思わなかった。
このころの私の絵の描き方はこうだ。
・まずソールを描く。ソールは踵、土踏まず、つま先の3分割でできていてそれぞれの長さを適切に描くこと。
・履き口を描く
・甲の部分を描く
・つま先を描く
・
・
・
・完成
今は多分こうだ。
・基本ユニット(これも紹介した本に載っている)を決めて描く
・それを1とし他の部分と比べながら描く
・複雑な重なりはネガスペースを意識して描く
・つま先部分など靴の絵にとって重要なエッジをより注意して確認し、仕上げる
・完成
可能な限り言葉にしてみたが実際はもう少しぼんやりとしている。
「気づいたら絵が大体できている」という感覚に近い。
きっとそれは本に書かれている幾つかの技能についての教育を受けたからだろう。
重ねて言うが純粋輪郭画法は私に大きな自信を授けてくれた。「こんなに繊細な線が描けるなら大丈夫だ」と絵を描くときは大体ウォーミングアップで行い、確認してから作業に入るようになった。俺の手は俺が思っているよりも良い線を描けるんだと。
最近は履き込んだ靴の複雑な歪みすら、描くことにおいて興味を持ち出してきている。
そもそも、私はそういった靴の歪みが好きだったことをこの文章を書いていて思い出した。