先日、タミヤのカーゴキャリヤーを作りました。
お金も靴に比べるとべらぼうに安く、作ってる(楽しむ)時間が長いのでプラモデルを定期的に作っていますが、気を抜けない瞬間が多くて、ミスなく作れるということがあるのだろうかと思います。特に戦車に関しては履帯がそれに当たるし、では軍用車と思うと今度はクルマそのものの構造をバッチリと追ってくるのでそれはそれで大変。
今回はクルマという日々見慣れたものを作ってて、それで気づいたんですけど説明書に書いていない美意識というか、どこまで精度をバッチリ上げていけば良いのか。
例えばなんですけど車輪がちゃんと地面に対して垂直にくっついているかどうかとか
車輪のモールドの向きが揃っているかどうかとか
そういうのを今更気になりだして、軍用車だから「バラバラでも良いっしょ」なんて思っても「いや待てよ、製造段階では揃っているはずだよな」となると揃えた方が良い気がしてくる。私、デザイナーもやってて例えばAdobe Illustratorなんかだと「整列パレット」なんてのがあって、それぞれのオブジェクトの水平垂直を揃えたり、等間隔にしたりは日頃行うわけで、それがそのままプラモデルの制作に侵入してきたわけです。
そうやって作り出すともうほとんど仕事と変わらなくなってきます。
それともう1個、しんどいのが同じ作業を2回繰り返すパターンがあること。
車だと単純に車輪やミラーがそれに当たるんですけど、まだ自分に再現性のある技術がついていないので、それがしんどい。
1回目はできたのに2回目はミスるというのは「うわーしまったー」という心の声が響くほどには落ち込みます。ただ、反対だと「次は失敗しないぞ」というコンテニュー気分が味わえるのでどっちもどっちと言ったところです。ただデジタルの作業なら⌘C→⌘Vなのになぁって脳内でとても思います。
失敗したときも⌘Zを脳内で連打している自分がいるのか、そういう刺激を脳が出しているのにもかかわらずままならない様子をまた脳が認識しているのですっごい混乱します。
ただ、このカーゴキャリアーに関してはパーツの前後や左右を間違えないような配慮がなされていてそういう気遣いに感動しながら作り続けることができるので感情の赴くままに作って「やべ!」って思ってはそのアシストに救われてを繰り返すのが楽しいと思います。完成して気づいたんですけど、ドアとかフロントガラスとかのクリアパーツも中から貼るので屋根がくっついたあとにそれが剥がれたらオシマイというスリルも半端ないです。
それと、出来上がったときの感動が今までの中でも結構大きくて「成型色の黄色ってかっこいいな」とか「軍用車両って面白いな」って関心が湧いたりしてそれも面白いです。
革靴を買うときに稀になんかうまいことやると二足買えそうなシチュエーションに遭遇するんですけど、そこでいつも
「多分この一足を買って履いたあとに見える世界は違うから今は二足買ってはならない」
とストップがかかるんですが、このカーゴキャリアーもそうで、こういう今っぽい(で、いいのでしょうか?)車両を作る前は車は作るならクラシックカーとか少しレトロなものがいいなぁって勝手に思ってたのですけど、やっぱりここは靴と同じで「こういうのがいいんだよなぁ」って思ってたものと違うものが欲しくなりました。
それは車輪だとかの車をひっくり返したりボディに隠れてしまう部分のメカニカルな機能性に触れながらもそれが安定して組み上がっていく体験やかっこいいものがかっこよくなっていくことのかっこよさに触れたからだと思います。
組み上げることは靴でいうと履くことに近いと思うのですけど、そうしてものに触れて、自分なりに理解したあとに見える世界が違うというのは本当に楽しいものです。
クリスマスが終わったら年末。仕事もラストスパートなので年末年始にあと何個か作れればなと思ったりしています。
タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.63 アメリカ陸軍 現用多用途装輪車 カーゴ キャリヤー プラモデル 32563
- 出版社/メーカー: タミヤ(TAMIYA)
- 発売日: 2009/10/25
- メディア: おもちゃ&ホビー
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もう一回作りたいくらい、好きなキットになりました。