Re:11colors

日曜午前中更新です。革靴、模型、日常。

オープントップで兵士がいないコイツと箱の中の俺

兵士セットを手に入れてしまえば兵士がいないキットにも手を付けることができます。

 

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と思わず言いたくなるのは、一度兵士と車両が板前と出刃包丁のような密接な関わりを持っていることに気づいてしまうと、その化学変化を見ることなく完成としてしまうのは少しもったいないような気がして「兵士がいないキット」は少しだけ選択肢から遠のいていたからです。

 

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さて、今回私が手を付けたアメリカ軍のM10ですが、今まで話している通りに兵士がいません。しかし、このオープントップと呼ばれるタイプのものは作るのも楽しく、見た目も内部が見えるという点で非常に作りがいがあるものだと思います。

実際のところ、アーマーモデリングで特集が組まれるほどでもありますので、私のように魅力を感じる方が多いのではないでしょうか(この号は非常に面白いです)。

 

 

Armour Modelling 2019年 02 月号 [雑誌]

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私自身は、それに加えて1/48サイズだと形になるスピードも早く、作業に飽きることが無いかなと感じています。反対に、これは憶測にはなりますが1/35サイズだともっとパーツ分割が複雑になる為、一つ一つを組み上げていく感覚はもっと明確に感じられるでしょう。

 

さて、この兵士のいないオープントップことM10ですが、これは私みたいな人間からは非常に不思議な存在です。もちろん、兵士がいないことはたまにありますが、それにしても内部の様子がわかるため、1つの密度のある世界が……そうですね。今気づきましたが、機械式時計の裏蓋を開けたかのような世界が存在しているのに、兵士がいないせいでゼンマイが止まったような状態だったのです。

 

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ただ、アメリカ軍前線休息セットを作った後の私の目には、1枚のレンズが付いているのできっと兵士たちと遊ぶ前の私とは違う世界を見ることができていて、それによってこの奇妙な状態に自分で納得することができたのです。

 

このキットは、とにかく荷物がオプションパーツとしてたくさんついていることが特徴で、僕に「荷物を自由に組み合わせる遊び」を提供しているのです。

 

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確かにホビージャパンのミリタリーミニチュア 特集号を読んだ際にもそういう荷物を積みまくる遊び方があることは知っていたのですが、それはあくまでも説明書の外の話で、まさかM10を組んでいる最中にふとめくった、説明書の最後に「パッケージを参考に自由に組み合わせましょう」と記載があるとは思いもしなかったのです。外だと思った出来事が中に組み込まれている……のですがどのように積むことが整合性があることなのかまでは書かれていない。そこには兵士セット同じ、曖昧な自由が存在しているというわけです。きっとその自由に、ワクワクする人たちが多くいるのだろうとも思いました。

 

 

ホビージャパン18年11月号

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さて、私は今までプラモデルを作ることで何かを知り、それを喜ぶというスタンスをとってきていますがここで一つ問題が発生してしまいました。

 

今まで書いたことは全部完成する前に気づいたことなので、完成させる意味が途端にわからなくなりました。というか、そもそも「完成ってなんだ?」という薄く嫌な感じの布にまとわりつかれてしまったのです。組み終わらなくても、こういう気づきを得たのならば、それは完成なのではないかと。

 

ただ、ここでなんとなく嫌なムードの私を助けたのはやはり兵士でした。

 

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「キットに入っていない兵士を乗せる遊び方」を楽しむ余地が残されていたことは戦車を戦車の形にする理由になったのです。

 

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双眼鏡を手に持った兵士と座り込み考え事をする兵士が置かれるだけで急に、荷物やオープントップであることが急に活き活きしだす様子はまさにゼンマイを巻いた時計のムーブメントそのもので「あ、完成させて兵士乗っけてよかったな」と感心するほどでした。

 

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私は「荷物を乗っけるためのキットなんだ。ふーん」と感じた瞬間に箱の中に入ってしまいました。箱の中に入ってしまうと何をしても良い結果にならず、この慢心が私の可能性を狭めてしまいます。

 

ただ、その先の、二本目の床に落ちた針を見つけ出すことに熱心になることができたのは前線休息セットで兵士たちと遊んでいたからです。

 

戦車や荷物、兵士と遊ぶことは私にとって「箱から出ること」となりましたが、やっぱり素直に物に触れ、それを感じ記録すると、それは非常に面白い経験だったと認識することができます。

 

 

自分の小さな「箱」から脱出する方法

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