BARACUTA。というか、ドッグイヤータイプのブルゾン。
この服は、高校(私服だった)時代に友人がよく来ていてかっこいいなと思ってて、ほしいなとずっと思っていた。当時は古着屋を脚で探すくらいしかなかったんだけどそれでも探している生地の感じのものってずっと見つからなくて、納得行くものが見つからないまま高校を卒業した。「スイングトップ」という名前だというのは原宿のハンジローの、洋服の棚の端の最上段にあったPOP代わりの黒板で知った。
その後、私は専門学校に入りパソコンを使うようになったり、高校生の頃よりも大人向けの雑誌を読むようになってあの形の上着のど真ん中、王道はBATACUTAというメーカーのものらしいと知った。そこからが長かった。
G-9だとかG-4だとかそういうのを調べたり、学校を卒業して社会人になって初任給で買うかと思ったけど尻込みして買えなかったり、ある日池袋東武で、色とりどりのセールになってて、それも買えなかったんだけど「なんでだ??」と疑問に思ってたらそのままイタリアのブランドの参加になったりしてもう、ひっちゃかめっちゃかで俺はどのバラクータをどう買えば良いのかわからなくなったりしていた。
それで土曜日まで買うだの買わないだのずっとやってて、そこで
「あ、俺の平成にやり残したことはこれだな」
と急に思い立った。
友人も
「今年は、平成最後の、令和最初のとなにかと買い物の言い訳に尽きない年になる」
と話していたし俺もそれがいいと思っていた。
というかここで買わないとずっと買わないし買えない気がする。
そしてたまたまラッキーなことにBEAMS+では綿100%の生地の昔の形のものが出ていることを知ってそのまま購入。
色味が保守的すぎて醸し出すフレーバーが全然ないと思ったら唯一、カーキだけはサイトの写真と違って少し土っぽくて綿100%の生地の風合いがよく出ていてかっこよかった。俺は、平成の終わりにようやく16の頃にクラスメイトが着ていたものを原型としたあの形の上着を手に入れることができた。
良い、令和を迎えられそうな気がしている。
やっぱり、服の幸せは限り無い。