私は、あまりの暑さに負けて最も薄手の風通しの良い赤と白の糸で織られたガーゼシャツ、薄手の平織りのカーキのカーゴパンツで外出していた。
出かけていた妻と品川駅で待ち合わせ、山手線で新橋、そして銀座線で銀座を目指す。
途中で、大きなスーツケースを持った男性一人と、女性三人。もちろんだが、マスクをしている。「旅行かな」と一瞬思った。その後、男性が持っていた羽田空港のショッパーがどんなデザインなのかを見たくてもう一度目をやる。
あれ、なんか見たことのある顔。誰だっけ。というか女の子も見たことあるぞ。なんだこれは。整った前髪の人、なんだか明るい感じの茶髪の子。誰だっけ。わからない。
もう一度男性を見る。あれ、この感じ、なんだこの、男性と女性の組み合わせ。誰だ。
あ、両角友佑だ。ということはあの前髪は松村選手だ、明るい感じの女の子は北里選手だ。顔が確認できない後ろ向きの子は、石郷岡選手……だ!!
中嶋選手がいなかったから人数的に一瞬わからなかったということだ。
妻に「両角コーチがいる。カーリングの中部電電力だ」と話す。
今のご時世、マスクをしているので口の動きや声は周囲に聞こえない。
それにしても両角選手はデカい。あと雰囲気があった。
アスリートとしての雰囲気と指導者としての雰囲気を持っている独特な感じ。
なんて言えばいいのだろう。プレイヤーとしてだけではあの感じはでないと思う。
女子達は、普通の女の子。彼女達だけでいたらわからないかも、どうだろう。
多分、私が両角選手がわかったのはここだと思う。何か、まとめ上げている感じでわかった。
ここまで書いておいてあれだが、私はカーリングが好きでカーリングの話はこのブログにも書いている。両角選手のインタビューを見て中部電力がどういうチームなのかに興味が湧いたし、そうして見る中部電力はエキサイティングなゲームをする、強いチームだ。いつだって北澤選手のラストストーンは強気でかっこいい。
電車を降りるときに、多分、何かを察したのだろう。
後ろ向きの彼女が振り向いた。一番かっこいいと思っている石郷岡選手だ。
妻はわいわい頑張れと手を上げてジェスチャーしていたけど、俺は、何もできなかった。仕事であった稀勢の里には握手もしてもらったし写真も撮ってもらった。
そして、妻宛にサインを書いてもらったのに、俺は何もできなかった。
ただ、言えるのはこうして憧れのアスリート達に会えるのは最高だということだ。
テレビに映る芸能人を「これは誰?」「あの人は誰?」と同一人物に対して何度も何度も妻に聞いてしまう私が、マスクをしている彼らがわかるというのは相当好きなんだと自分でもわかった。
「頑張ってください!」と本当に思います。