Re:11colors

毎週水曜更新(2021年9月現在)。革靴、模型、日常。

問題と取っ組み合う書籍「ライト、ついていますか」

f:id:nero_smith:20200811140614j:image

 

まずこの本の読むコツを書く。自分に当て嵌めて読むということだ。日々の暮らしや仕事、学生なら授業などの自分の生活と照らし合わせながら読むことをお勧めする。

 

というのも、この本は翻訳にクセがある。これをどう判断するのかは難しい。1987年刊行の本の翻訳を批判することは少しナンセンスな気もするし、なんなら最初のページで翻訳者は「この本が翻訳できて嬉しい」と言った気合の入ったメッセージが書かれているので決して悪気があるというわけでもないからだ。加えて言えば30年前の読者はこれを普通に読んだ可能性がある。

 

様々な「問題」に対する解決策や問題の状態を示す語が出てくる。これはとても面白い。遅いエレベーターはそこに勤める人々の問題で、管理者はそれを問題に感じていない。が、勤務者がデモを起こし、抗議活動を管理者の家の前で行うと事情は変わる。

そんな風に問題がどのように移り変わるのかという話が進む。

 

そこで「示される語」が重要で、例えば問題の転嫁だとか、文書としてやってきた問題をそのまま「会議をしたいので予定を教えてください」といった感じで突き返してしまう(そうすることで問題は遅延するし、例えばその予定に合わないといった旨や当日に病院に行かなければならないなど、それを繰り返せば遅延し続ける)話だとかそういう話を、自分の経験と照らし合わすか、あるいはその二つ石で作られた石臼でクセのある翻訳をすり潰しながら読み進めることがこの本の中身を理解するわかりやすい方法だと思う。

 

最後まで読んで分かるのは

 

「問題は誰のものなのか?」を問い続ける姿勢

「その問題を解きたいか」を考える姿勢

「そしてそれを問いても新たな問題が生まれ続ける」という継続性

 

だと思う。

こうして印象に残ったことをまとめてみると、

 

「私に関する解きたい問題を解く、そうではないものは本書に書いてあるようなことで対処してしまえ」

 

というような感じがしてくる。そして、その一方で「対処してしまえ」という作業も問題を解くという行為に入る(この場合、他者に解かせることになると思うが)。

 

問題を抱えることは避けられない。加えて問題はいつどこからやってくるかはわからないので、それをどうするのか。というような本でした。