Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

雑誌を褒めたい Armor Modeling 11月号

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雑誌というのは大抵は販促が主たる目的であとはそれがどれだけ表に出ないのか?みたいな面があったり、それとは別に広告収入をアテにした上での刊行形態だったりすることが多いのかなと思ったりするけど、その辺はどうなのだろう。とかなんとか思いながら、最近圧倒的に面白いのは模型誌だ。主に読むのは飛行機模型専門誌のScale Aviationで、気に入った特集なら買うのがタイトルのArmor Modelingです。というわけで今回はArmor Modeling 11月号を書評というよりは褒めようと思う。褒めたくなったので。

 

まず、模型誌の良いところは掲載されたもののほとんどが普通に購入できる価格だという点だと思う。これはファッション誌なんかを主に読んでると顕著でジャケット1着に何十万、靴一足に十何万とかやってると普通の人間なら割とすぐ破産する。私は死なない程度にやってたこともあるが、やり過ぎて給料日3日前に金が尽き、残りの3日を特用せんべいで凌いだことがあるが、もっとやるとそのまま危ないところまで行ったと思う。カメラや時計も似たようなものだと思うが、単価や市場価格の最低ラインが高い趣味は大抵こんな感じな目に遭う。

 

その点(?)プラモデルは物にもよるが普通に満足する程度だと1万円はまず超えないだろう。そしてハイクオリティなものが日本のメーカーであることもありがたい。タミヤのことだ。タミヤを買っておけば、とりあえず普通に買って作る分には良いものが出来上がる。名作が安いというのはありがたい話。さらにラインナップも幅広いので網羅性も高い。

 

今号のArmor Modelingは「シャーマン戦車」を軸に構成された号であったが、とにかく「シャーマン戦車を作ってみるか!」と思わせる誌面がとても良く、情報の疎密のバランスも素晴らしいと思う。普段関心のない読者が、なんとなく読みたいところだけを読んでも、がっつりプラモデルにハマってる読者が誌面を読み込んでも、シャーマン戦車を作ってみようと思う構成は、ついつい「シャーマン戦車の全てがここに!情報満載、濃厚な誌面」と言いたくなるところを、言ってはいけない気がしてくる良さがある。 

 

情報は整理され、市街に満遍なく水道が通るような「量のコントロール」がされている様があり、そこに自発の学びを生み出す良さがあると思う。どこを読んでも読まなくても良いという心地よさで、読めば分かるし読まずに分からなくても良い、ただ手に取り、目を通しさえすれば「読む、読まない」の選択がなされ、かなりの確率でシャーマン戦車のプラモデルが作りたくなるというのは雑誌としてはかなり良いものなのではなかろうか。

 

雑誌を見て作りたくなる、というのは(きっと)編者にとっても読者にとっても非常に幸福なことだと思う。だから照れたり濁したりすることなくこう言いたい。

 

私はArmor Modeling 11月号を読んで、シャーマン戦車のキットが作りたくなったし、実際に購入した。

 

はっきり言うことこそが、最大の賛辞になるのだろう。

 

 

私の欲しい物リスト

 

今日の物販

 

Armour Modelling(アーマーモデリング) 2020年 11月号

Armour Modelling(アーマーモデリング) 2020年 11月号

  • 発売日: 2020/10/13
  • メディア: 雑誌