こんにちは。突然ですが、今日は記事の書き方の話をします。私はnippperというプラモデルのWEBメディアに寄稿していますが、決してプラモデルを作るのが上手いわけでも無いですし、沢山の専用の道具を使った様子や組み立ての途中などを美しく撮ることもできません。ただ、そういう方でもnippperに寄稿したいというケースはあると思います(そう、私みたいな人です)。これから上手く作れなくても凝ったことができなくても記事を作成する方法を私なりに書いていきます。
1.映画好きの彼女
昔、付き合ってた彼女が映画が大好きで彼女自身もブログにそのことを書いていました。書き方は至って単純で「あらすじを書いて、感想を書く」というもの。当時の私は相手に合わせる献身的な姿が見られましたので興味のない映画をいくつもいくつも見ました。反対に興味のあるものもいくつか見ましたが、彼女のように書くのはとても難しかったです。というのも「あらすじ」を簡潔に書けないのでした。というか、あらすじ自体をよく覚えていなく、一生懸命書いても冗長なものになり、非常に退屈でした。結局その彼女とは別れることになりましたが、「あの才能を一体何処で手に入れたのか?」「私は彼女のように書けないのでダメな人間なんだ」とがっかりしてますます映画から遠のきました。
2.別の、映画好きの彼女
つぎに、何度かデートをした女性の話をします。この人とは付き合うことは叶いませんでしたが、彼女もまた、映画が好きでした。困りましたね。ただ今回は合わせようとせずに「俺は映画を見ない。見ても感想がうまく言えないので感想を共有し合うことができない」という話をしました。そうすると
「最近、なんの映画を見ましたか?」
と穏やかに返してくれたので私は素直に
「コクリコ坂からを見ました」
と伝えたのですが、それに対して
「一番印象に残ったシーンはどこですか?」
と質問が返ってきましたので私はさらに
「主人公の男の子が付けている時計があると思うのだけど、あれはどちらの父親からもらったものなのかが気になった。もし生みの親のものであれば育ての親がそれを大事に取っておいて、渡したことになるので親同士の絆は相当なものだろう。反対に、育ての親のものであれば、あれくらいの時代に息子に時計をやるというのはなかなか大変だろうから、息子を本当の息子のように一生懸命育てている証拠ではないか?と思う」
と話したところ
「それはとても良い感想ですね」
と返してくれたのだった(そこで彼女の頭の良さというものにえらく感心した)。
というわけで私は実は感想を書く力があったということになります。1.の彼女の「あらすじ+感想」というスタイルも確かに成立しますが、それと同じくらい「自分が気になったところ一点+感想」も十分に感想になり得るという立派な話だと思います。
3.文章のタネはどこにある
それから私は「気になったところ一点+感想」という考え方がとても気に入りました。ブログでは色々なことを書けるようになりましたし、プラモデルの話も大抵はそんな感じで書いたものやそれを積み重ねていった上での発展形のフォームで書いていると思います。
プラモデルを作るときにはさまざまなドラマがあります。買う理由、ここが難しかった、ここはすんなり行った……などなど。それらのドラマ、一つだけについて一度じっくり考えてみるととても面白い、いや、立派な感想が出来上がると思います。
4.難しいけど秘密の技
最後に、これは少し難しいですが、テクニックをお伝えします。それは「自分の話」と「ひとつだけの気づき」を組み合わせるというものです。
私がnippperに寄稿する記事のいくつかは、自分の話が入ってきます。テレビで見たバイオリン職人がアトリエに日光が入ることを重視していること、コンビニでアルバイトをしたときにフェイスアップという作業を教わったこと、子どもの頃に宿題で目玉焼きを作ったがつまらなかったこと。どれも「私の個人的な話」をスタートに徐々にプラモデルの話に繋がるようになっています。nippperはプラモデルの話なのでプラモデルというのは大きなテーマです。そのテーマに対して「ゴルフ場のカップにボールを近づけるように書いていく」というのが私の常套手段というわけですね。
このやり方の大きなメリットは、コレです。
「自分の話は誰とも被らず固有のものになる」
自分らしい記事を書けさえすれば文章作成というのはとても自由な遊びになると思います、そしてこれは少し矛盾しますが、自分の話だからこそ他人にとてもよく響くということもあります。なかなか最初は難しいと思いますが、プラモデルを作る中で、自分が過去に体験した人生のアレコレと結びつく瞬間というのは多々あると思います。だからこそ、今は「プラモデルは料理と似ているね」なんて話がTwitterでもちらほらと書籍と組み合わさってまことしやかに浮かび上がっている、というわけです。
この文章自体も、かつて好意を寄せた女性たちの話からnippperというメディアへの書き方に結びついているし、ゴルフのようにカップインしている、というわけですね。
今回はいつもの倍以上の文章になりましたし、私はお昼休憩中なので文字の太さなども何も強調しておりませんが、最後まで読んでいただきありがとうございます。タイミングを見て記事を整えますので、是非ともよろしくお願いします。