Re:11colors

毎週木曜更新(2021年1月現在)。革靴、模型、日常。

Making nippper 調べないし、説明しない

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調べないし説明しないというのは一つの書き方の話で、トリッキーな遊び方、のようで自分の頭の中に何が入っているのか?を表現する少しバトルエッセイ的な部分も出てくるので面白い(バトルエッセイってなんでしょう)。

 

実際には目に入ったものを描写して言葉にするということに徹することになるのだけどこれを行うのは文章を書くときには難しい場合と簡単な場合がある。これは一種の書き方の発想法で道具の一つということもできるので、ゴルフクラブやバットのように合う合わないは試してみないとわからない。というわけ。

 

ただし、気にしなければならない点が一つ。それは「外に向けて書くものだからしっかりしないといけない」という先入観が、冒頭に書いた”調べてしまう/説明してしまう”状態を生むのであれば、それは私やあなたの可能性を潰してしまっているかもしれない。ついかしこまってしまうことは悪いことではないが、それよりも良いものが出来上がる可能性を捨ててしまうのはもったないという話。

 

調べない代わりに「自分なりに感じた特徴を書く」というのはかなり有効な手段で、その人の着眼点やそれをどう表現するのかにおかしさが生まれる。

 

nippper.com

 

私はnippperにタミヤ二式水戦の記事を寄稿した際について調べなかったが、足回りがタイヤではなくフロート(浮舟)であるという特徴を書いた。それを「三間飛車のように一手早い」という風に表現した。ここに書く人の特徴があると思う。果たして他の人、例えばあなたならどう書くだろう。バナナみたい、紅の豚に出てくる飛行機みたい、オモリをしっかり入れないと尻餅をつく……など色々あると思う。そして、他の特徴に気づく人もいるだろう。

 

説明しないというのは、やや曖昧な話になるのだけどレシピサイト的にならないということだ。コックピットを作って、胴体が合わさってみたいな話をしない。やったことを書かない、手順を説明しないと言えばいいのか。

 

その代わりに起こったことを書いてみる。何が起こるのかはそのときどきで違うのでこれもまたおかしさがある。二式水戦の記事では置いてみたら光と陰の感じがかっこよかったとか、台車に置かないと左右のどちらかに傾くので水の上に浮いているみたいだと書いた。抽象的な話にはなるが思ったことを描写するという、レシピサイト的に手順を書くというのと反対の作業をすることになる。

 

調べないし、説明しないという書き方には具体的なものがない。

いつ作られたとか、道具は何を使ったとか外に寄りかかるものがないので、まるでメロディラインがない状態で、自分で音程を作っていく作業になる。なので、大事な注意点が一つある。

それは書くこと自体をふざけると本当にどうしようもないことになってしまうということ。自虐、悪ノリ、汚い言葉、ネットで発表する場合はネットスラングが特に悪い方向に作用する不安定さがある。往々にそういうものが出るときは、照れてしまっていたり良い体験を頭の中から出しきれていないことが多い。そして書き出す言葉にこそ「外に向けて書くものだからしっかりしないといけない」という意識が必要だと思う。

 

この方法を実践するメリットはその人固有の体験が書けることなので、それが楽しい場合は特に役に立つ。反対にレポート的にまとめたい場合はまるで役に立たない。自分がどういう世界を書き出そうとしているのか?ということをイメージしてからどういう文章を書くのかの選択肢の一つになればと思う。

 

私は最近自分のことを「書くモデラー」だと思っているので、書くモデラーの一人としてやり方を提示してみた。読書が好きで、文章を書くのも好きなんて場合は特におすすめです。

 

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