Re:11colors

毎週木曜更新(2021年1月現在)。革靴、模型、日常。

簡単で美味いものが食いたい

好きなパンで「チョコづくし」というNEWDAYSで売っているパンがある。よく食べるし、新しい味のものも食べる。チョコづくしをもぐもぐと食べていると「好きだよね、それ」と言われたことがあったので「これは簡単に甘いから美味しい」という話をした。

 

私は食に興味がないので上手いものが食いたいと思うことは殆どない。ただ、何でも良いわけではなく食べたいものが食べたいので、そこで出てくるのが「簡単に甘い」みたいなフレーズだ。「簡単にしょっぱい」だとか「簡単に辛い」とか。カテゴリ分けができないものは「簡単に美味い」ということになる。好きなお店や食べ物はそういう簡単なものを出してくれるお店ばかりだ。

 

プラモデルに関しても割とそういう目で見ることがある。「簡単で美味いものが食べたい」と。切って貼るという単純な行為はとにかく簡単で美味いのだ。ニッパー、接着剤、カッターナイフ、ピンセットこれだけあれば無塗装で仕上げるときはプラモデルを食べることができる。しかも私の場合は組立そのものを文章にすることに意味があると思っているので、組立だけをそのまま食せる。食べると、設計をした人の頭の良さとか、それぞれのキットの組ませ方の特徴がよく分かる。よく分かるというのは、無塗装で作ってもそれぞれ差があるということが分かるということ。同じマグロでもどこで取れたマグロかで味が違うのがわかるみたいな、そういう話だ。

 

妙な分割のタミヤの3Dスキャンのフィギュアの襟だけ別パーツというアイデアはやっぱり襟がパリッとするし、特に最新のものだと首の角度だとか腰の捻り方にドラマがあるっぽいことを意識した造形と、タミヤ独特の「位置をしっかり決めさせる」設計に感心する。よくできているのは造形そのものだけではなく、それを誰にでも成立させうる分割のセンスなのだとよく分かる。

 

逆に、そこまでさせても元々の顔の造形だとか首の付き方の角度がいまいちだったり、背中が丸っこくなってたりするとなんだか雰囲気が出なくなったりするので、タミヤの兵士の原型を作る人は大変だと思う。

 

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組立体験は極上なのに、肝心のフィギュアのフォルムがいまいちなんてことにならないようにしないといけない。「タミヤスタイル」として位置決めがバシッと決まることは確立されている気がするが、兵士一人ひとりの雰囲気に関してはそういったものは余り感じられないと言うか、そもそも兵器や乗り物のように確固たる形があるものではないのが人なので、統一感がありすぎても怖い。その辺にとても難しいところがあると思う。

 

最近はとにかくフィギュアを作ることが多い。顔を見ていると良い顔してるなとか、そうでもないなとかそういう感想が出る。全体を見てもちょっと猫背っぽいなとか、背が低いとか大柄だと思ったりもする。まるで、現実で人にあったときのような感想を抱くのだからこれはいかに主観的な判断の世界かというのがよく分かる。

 

そういえば私は、靴を作ってもらったりする機会があったので職人のピークみたいなのを考えることがあった。この人が一番靴作りが上手い頃はいつだろう。自分と相性が良い頃はいつだろうと。今お願いしているところはもうそろそろ自分と相性が良い頃を過ぎそうだが、プラモデルはそういうことはあるのかな?と思うと、1/35の兵士たちはどうにもありそうな気がする。キレキレの3D原型がキレ過ぎている頃や、絶妙なかっこよさがある頃。背の高い低いを作ってみたり、顔の造形を丸くしたり細長くしたりするとか、顎の出方をどうするだとか3D原型と時代を区切って見ても、そのときそのときであれこれ試している様子を感じる。というか、現実世界のリアルを考えると見た目のいい男ばかりではリアルではなかったりするのか。

 

フィギュアは無塗装だと簡単で美味い食べ物だ。とにかく美味いし、すぐ作れる。そして、日常で見る人間がプラモデルになったものなのである程度作っていくとすぐに目が利くようになる。最高に簡単に美味いフィギュアを私はいつも、探している。

 

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