子供のときに「こいつは天才かもしれん」と親から関心を持たれたのか、子供向けの百科事典みたいな色んな物事が一冊にまとめられた本を買い与えられた。虫とか、動物、車や飛行機などなどいろいろ載っていた記憶があるが私の心を最高に惹きつけたのは「紐の結び方」。固結び、蝶々結び、もやい結び、 菊結び、棒結びなどなど、自分の短パンのウェストの紐を引っこ抜いていろいろやった。そしてあやとりを楽しみ、接客業ではプレゼント包装のリボン掛けが大好き。日の当たる道で使われる紐を使うことの楽しさではあるが、変なことに使わないように気をつけよう。
話は変わって複葉機が一度出来上がると、満足いく仕上がりに「俺は複葉機モデラーになる!」と思わず言いたくなるほどの魅力にうっとり。最高の仕上がりは翼を二階建てにする「棟上げ」と、二重の翼に緊張感を生み出す「張り線」の2つの作業から来る達成感が原因だろうか。そして私はさっき話した通りで紐を使うことがどうやら好きらしいので、初めて作った複葉機の張り線にも当然のように魅了される。めちゃくちゃ楽しい。ピンっと張った線が複葉機の構造をより明確に写し出す。あ、ボタン付けも得意ですよ、私。
張り線を行う場合に調べてわかるのは「ヒートン埋め込み式」と「貫通式」のやり方があるということ。今回は「貫通式」の話。
まず張り線をするときにいつも忘れるのが「糸って丸まってる」ということ。私は釣り糸を使うのだけど、当然ながらロール状になっているので、それを適当な長さに切る。そうすると、ロール状のクセがついてしまってるのでくるりんと丸まってしまう。これを張り線をするときにいつも忘れる。そして何がなんだかわからなくなってしまうので切り出した張り線の両端にマスキングテープを貼る。こうすると糸それぞれの端を視認しやすくなるし、ピンセットで掴みやすくなるので手間だけどやる。
一般的に貫通式と呼ばれる張り方の場合は、スタートになる上の翼には貫通しない程度にピンバイスで穴を掘り、ゴールとなる下の翼や、ボディには穴を開けることになるのだけど、上の翼の張り線の位置次第では支柱に結びつけてしまうのも有り。エアフィックスのホーカーデモンはそうした。穴掘り式の場合は翼を二重にする棟上げ前にやる。支柱に結びつけるときは棟上げ後でも問題なし。
そして結んだら、瞬間接着剤をちょっとつけて乾くまで線の両端をピンっと引っ張って綺麗に縛る。10秒くらい数えて作業は完了。私は余分な線を切るときはニッパーでパチンと切ってしまう。
掘った穴に差し込む場合はマスキングテープを切り離してピンセットで差し込んで10秒。穴に瞬間接着剤が注入される様子をしっかり目視。
上の翼の準備ができたら後は下を通すだけ。通す線の端のマスキングテープを切って、ピンセットで貫通させた穴に通す。通し終わったら先端をクリップかなんかで挟んで重さでピンと張るようにする。
張り線のゴールが翼の場合はこれでOK。脚など棒状のものがゴールの場合は、結んだり、くるっと一周まわしてから固定。ボディの中に入り込む場合は根本が外れない程度に引っ張りながら接着剤を流し込む。なかなか面倒なので、やらなくても良い気がする。あと、ビシッと決める快感がないので私はやらない。
作業そのものは難しくないのだけど、うまくいかないときのモチベーションの下がり方が半端ない。なので上述したものも含めて失敗しないコツを箇条書きで簡潔にまとめておく。
・糸の両端にマスキングテープを貼る
視認性の確保と、結ぶ、引っ張るなどの作業を楽にする
・瞬間接着剤を使う
私は使い切りタイプで鮮度の良いものをその都度。先端には先細のノズルをつける。
・木材や塗料の瓶などを使って複葉機そのものを安定させる
私は直方体の木材をよく使う上の翼に糸をつけるときは寝かして、下の翼や脚に糸を渡すときは立てて使う。棟上げのときもかなり便利
・うまくいかないときは一旦休む。
特に上の翼に貼るときに、何度も何度もやってると瞬間接着剤が固まりきらずにドツボにはまる。
以下、参考にしたブログ
糸によって生まれる緊張感が、複葉機の構造そのものを引き立てるので、是非チャレンジを。
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