Re:11colors

毎週水曜更新(2021年9月現在)。革靴、模型、日常。

俺がミリタリーキューティーズに惚れた日

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「あるノルウェーの大工の日記」という大工が依頼先の家の一角をリフォームする事の顛末を記録した本があって、淡々とした大工としての日常の記録が面白くて結構好きな本だ。印象的なパートはいくつかあるが、著者である彼が仕事終わりにバーに行ったところ会社員に絡まれて、延々と職人の手間に払うべき対価の話をするところは特別だ。

 

「払った分のものしか手に入らない」という話を彼は見積もりや作業日数、その日ごとの労働時間をベースに理詰めで理論を構築し、会社員に伝えるのだけどこの「払った分のものしか手に入らない」という話は、どうにもそう納得しきれないコスパ理論と対立しながらも真っ向な正論という感じで好感が持てる。

 

その反対の「払った分以下のものをつかまされた」という経験をさせられる時代もあったのだけど、今はそうはなりたくない、あるいは「払った以上のものを手にしたい」という感じってあるような気がする。ま、かくいう私も得したいと思うときはよくあるのだけど。

 

ただ、靴についてSNSで話をしていたときに思っていたのは「5万の靴で10万のものに肩を並べる、あるいはそれ以上のことが起こりうる可能性」についての話が多くてうんざりしたということだ。そういう、趣味にかけるコストの話が「周りと比べてどうこう」「他の人は高いものを持っているから自分も」という相対的なものになりがちなのはファッションとSNSの組み合わせが獲得してしまった辛いところだと思う。

 

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なんとなく、プラマックスのミリタリーキューティーズというシリーズを作りたくなって手に入れたのだけど、このキットはランナーに対してパーツが小さい。

 

戦車みたいなたくさんの部品、飛行機のような大きなパーツもない。それらについてくる同じ縮尺のフィギュアを見ていると余計にランナーに対してのパーツの小ささに目が行くと思う。ただ、実際に手にしてみるとわかるのはパーツ単価の高さで、見たことのない凹凸や生々しい脚、ゾクゾクする手の造形の面白さや美しさは手によりをかけて設計されていることがよくわかる。一つ一つのパーツがとてもリッチで、切って貼るだけで簡単にいいものが出来上がる。肌色の成型色はつや消しで綺麗だし、他の色とりどりのパーツ達も色に統一感がある。よく考えられている、というやつだ。

 

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それぞれを組み合わせている瞬間はどのプラモデルとも違っていて、それぞれの瞬間が楽しく「女の子を組み立てる」という謎の行為にクラクラしながら完成までたどり着くことになる。

なんのノウハウがあってどのように製品になったのかが見えない、不思議なプラモデル。出来上がりはハートを掴む可愛らしさでまさにキュート。きっと、たくさんの人が作った事のないプラモ。こんな組み立て、あんなパーツ。初めてだからこそ面白い。

 

私はこれはめちゃくちゃにお勧めしちゃいます。

 

今日の物販

 

 

 

 

 

 

 

 

あるノルウェーの大工の日記

あるノルウェーの大工の日記