Re:11colors

毎週水曜更新(2021年9月現在)。革靴、模型、日常。

ミニカーショップイケダが無くなってしまった

 

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数年前にミニカーが欲しいと思い、衝動的に検索したところ家から自転車で行けなくもないくらいの距離にあったのがミニカーショップイケダであった。私は地元が好きというか、東京23区の東側が抱えている、実力のある老舗みたいなものが結構好きで、品ぞろえもよく、ただ物が並んでいるようなそっけない店舗でありながら実力のある専門店としての雰囲気の良さを持ったイケダが日暮里にあることはとても良いと思っていた。

 

今日、昼休みにネットでニュースを見ていたら「ミニカーショップイケダ廃業」という記事が目に入ってとても驚いた。先週の土曜日に買い物に行ったからだ。イケダはホットウィールの穴場だし、ショーケースの上にある大スケールのミニカーから、棚にちんまりと寄せられたブレキナだとかヘルパのミニカーだったりとどれを見ても楽しく、一時期精神的に参っていたころなどは癒されに行ったといっても過言ではない。本当によく通ったと思う。タバコや葉巻を吸うような感覚でミニカーをザクザク買った。間違いなく「好きな店」だった。静かにごちゃごちゃしていたのが、よかったのだ。

 

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いつかは、あの棚の上の1/18のシトロエン2CVルノー4を買って、家に飾るんだと本当に思っていたし、グリーンライトとかのセット売りのミニカーをまとめて買おうと思っていた。ラリーカーやモンスタートラック、ガルフカラーの車たち。目が覚めるような色合いのチョイスが美しいTarmacや「高級品」と言いたくなるほどの質感と細かさのShucoの3インチ。ブランドをイケダで覚えて、検索したり雑誌を見たりして由来や味を知るなんてことが多かったし、どれだって服や靴に傾倒した俺からすれば選び放題。いつでも何でも買えると思っていたから、その時々に好きなものを買いながら「いつか買う」と思いながら買わなかったものが、あの店ではもう買えない。いつか、感覚が麻痺して他の店で買うのだろうけど、いわゆるおもちゃ屋でミニカーを買ったときは子供向けの何かを手に入れたような感覚で全然楽しくなかった。イケダが世間的にどういう店だったかはさておき、あそこは俺にとってはマニアックで大人が通う店だったし、店そのものがミニカーの対象年齢を引き上げていたとすら思う。

 

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イケダはコロナウィルスが流行る前、アルバイトのスタッフが大学を卒業するからと営業形態が少し変わったり、今の状況が当たり前になってからは店頭に並んでいない在庫を倉庫から当日取り寄せてくれるということもなくなってサービスの規模みたいなのは小さくなっていたが、それでも構わないからとにかく続けていてくれと思っていた。ガチャガチャしたホビーショップで買うよりも、こういう静かな専門店で買うのが良いと思っていたから。多分スピーカーから流れていたのは在日米軍向けのラジオだと思う。

 

イケダはなくなってしまったが、今後はどうなるのだろうか。問屋としての機能があったりするようなのでどこかが吸収するかもしれない。そうなったとしてもあの各国のミニカー目白押しみたいな状態はなくなっちゃうんだろうな。