Re:11colors

しばらく毎週月曜日更新(2022年7月現在)。革靴、模型、日常。

塗装日記 2/6 俺は肌色に緑色を使いたい -左手工房 死神の黒猫-

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緑色を肌の塗装の下地に使ってみたが、結論から言うと下地の色がスタート地点となって全体のカラーリングが決まっていく過程を発見することになった。緑色を肌に使うというアイデアは、絵画によくみられる手法のようでテールベルトという色名のものを使っているのか、検索するとそういった色名が文章の中に見られるが、それはさておき個人的にわかりやすいのは、やはり化粧によるコントロールカラーの理屈だなと思っていて、特に緑や青、紫など到底肌になじまなそうな色を使うメイクに関心があるので、その手のものが掲載された「メイク大百科」みたいな本が欲しいとすら思う。

 

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絵画のテールベルトの場合は「綺麗に見える」、化粧の緑のコントロールカラーの場合は「肌の赤みを抑える」という効果を狙うために緑を肌に使っているようだ。どちらも「肌色の赤と補色の関係である」ということを基本とした発想のようなので、薄いピンク(私はファレホのペールフレッシュを使うことがほとんど)を塗ると、補色の「混ざり合うと互いを打ち消しあってグレーになる」という特徴が作用するせいか、薄いピンクの赤みが打ち消されてしまい、あまりうまくいっていない部分が多くを占める結果になったものの、一部では補色のもう一つの特徴の「互いを引き立て合う」という箇所も観察できた。

 

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「互いを引き立て合う」というのが絵画における「綺麗に見える」という話と、かするような感じがするので、一旦、全体を観察するのと、自分のいつもの癖について考えることにした。私の塗装に関しては、肌の色問わず落ち着いた仕上がりになることが多く、これは作風といってしまえばそれまでだが、各色の明度・彩度あたりが近い値に収まってしまっているからのような気がしていて、肌の塗装の下地に水色や緑色を使って「色の魔法」を用いる際にはよろしくないようで、化学実験で異なる二つの成分を混ぜても「パンッ」と音を立てて綺麗な化学反応を見せると言うよりは「シュポッ」と微妙な反応を起こすまでの大人しさや地味さがある。

 

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いつもそんな仕上がりになってしまう自分に嫌になって「もっと冒険してみろよ」と発破をかけて、蛍光オレンジ多めに混ぜたペールフレッシュで大胆に色を塗り重ねる。そうすると、下地の緑が急激に表情を変えてギラギラと赤みとぶつかり合うような状況が生まれて、緑はより緑らしく、肌は肌色っぽい雰囲気の良さを持ち始めた、ここで下地(=陰影の色)になっている緑に注目してみると、明るい色の部分は色相環的に、黄色い方向に降ると自然な明るさになることに気づき、そこから「緑は黄色と青の組み合わせ」なので、青も使っていいだろうというところまで発展し、しかも自分の「まとまりすぎるクセ」がそれぞれを適切に取り扱えそうだと気付いた。

 

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ファレホは数時間おくと微妙に色味が変わるというか、割と彩度が高いような方向で全体の塗装が馴染んでくる感じがあるので一晩おいて、朝起きると顔の赤みが気になりだした。ただ、「この赤みは目を入れてから考えよう」とすぐに思い直したところで、フィギュア塗装に限らないことかもしれないが、「とにかく色というものは相対的に決まってくる」ということを感覚で理解し始めた感じがし、そのまま目の塗装に入ると、ついさっき理解したことが、単純に「色だけの関係」ではなく「表情とも関係がある」とさらに一歩進んだ理解を得ることができ、とても驚いたとともに、表情をどの方向に振れば良さそうかということもわかり始め、眉の塗装で全体のバランスを取ることにした。

 

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出来上がりは、今までの中でもかなりよく、特に色同士が引き立て合うことで生まれる見た目の面白さが心地よいものになったと思うし「もっと冒険してみろよ」と肌に蛍光オレンジを塗るあたりでジョン・シンガー・サージェントという画家の画集を見たのも良かったと思う。

 

この塗り方は下地の透け方、残し方と、下地の色を起点とした塗装計画の引き出しの数がものを言いそうなのだ。塗りかさねれば重ねるほど透明感が失われるので、失敗したと思ったらとっとと(ファレホの場合はマジックリンに)ドボンしたほうがよさそう。

 

以下、写真のみ数点です。

 

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