「あなたって、つくってる最中もプラモデルを褒めてるのね」
最近、電話越しに話しながらプラモデルをつくることがある。そのときに私は「色がいい」とか「かわいい」とか「今までで一番いい」と自分がつくるプラモデルに賞賛を送っていたら、そういう風に言われた。
私がいつも自然と心がけていることでもあったので割としっかり目に「今作っているプラモデルはきっと来週や再来週にはそれよりうまいプラモデルが出来上がるから、今褒めないと一生褒めない可能性がある」という話をした。
プラモデルだけにかかわらず物事は数をこなすと上手くなるし、ある意味では上達が避けられない分野だと思う。
だから、つくっているプラモデルを純度100%で褒めることができるのは、つくっている最中か、そのプラモデルが最新の完成品のときだと思ってる。もちろん、長く置いておくことで愛着が湧いて別の観点で褒めることができる日も来るけど。
「塗装がうまくいった」「難しい組み立てがよくできた」「曲面にデカールがうまく追従させることができた」みたいなことは、つくっている最中に進行形で起きることでそのときどきに「うまくできた」と褒めることができれば、楽しいし経験として刻まれる。それに、そのときに褒めないと忘れることも多くある。
私も随分とプラモデルを作るようになって、完成品もだいぶマシになった。
なので、作り始めた頃のような「かんたんな褒め所」は見逃していることも多いと思うが、やることが増えれば増えればそれはそれで褒めどころが増えてくるので、やっぱり褒めている。写真のドイツ憲兵は、ほんの数時間で塗装を終えて翌朝メガネをつくって掛けさせた。早さと、プラスワンの工作が光る仕上がりだと思う。
いつもと違う暗めの色合いを色の差がつくように意識しながら塗り分けていけば「前よりも色の判別ができるようになっているな」と喜ぶし、ハイライトを入れれば「全体が暗いからハイライトが映えるな」と、そのときどきの楽しさを見つけては嬉しくなる。
「尊敬しているあの人と、同じではないけどなんとか試合が成り立つ程度にはうまくなったんじゃない?」
このコントラストのつけ方はまたどこかで役に立つだろう。
今週の物販