Re:11colors

しばらく毎週月曜日更新(2022年7月現在)。革靴、模型、日常。

割れた身体を貼り合わせれば-PLAMAX Naked Angel 1/20 希崎ジェシカ-

 

 

写真のトリミングってあるじゃないですか。必要な部分だけ切り出す作業のことです。もしかすると、ネイキッドエンジェルのような人の身体をプラモデルにした製品ってパーツになる段階で、そういうことをしているんじゃないかって思うんです。

 

なにせ魅力的なポーズをしている人間を分割してしまっている。なので、自然とパーツ一つ一つに関心が行ってしまう。魅力的なポーズというのは、身体が曲がったり、ひねったりするようなポーズ。人間のプラモデルというのは、足を曲げれば太ももの裏が、ふくらはぎに押されてむにゅっとなることを教えてくれる。膝立ちになれば、前に倒れてしまわないように背すじがグッと伸びる。「部分的に身体が動く」ということはなく、どこかが動けば全体がそれを助けるようにバランスを取る。

 

 

ネイキッドエンジェルシリーズはそんな部分から全体へのバランスの波及が、部品が全てくっつくことを通して理解できるものがあると思う。アンバランスな脚やグイッと曲がった腰が組み合わさると、しっかりと安定感した形になる。これは、プラモデルならではの面白さだと思う。

 

プラモデルを通じて、一番身近な人間という存在の面白さを知る。これ自体がかなり不思議な状況なんだけど、じゃあプラモデルのように人間の体を注意深く観察することがあったかというと「手に取るように」というのはなかなか難しい。肩から肘までの距離や、頭と肩幅のバランス、肋骨がどの辺にあるのか。そういうことを知りたくなることはある。それに、手の形や大きさに大人っぽさや幼さを感じることはあったとしても、観察対象と観察者の関係になるにはデッサンやクロッキーでモデルと対話するしかない。

 



 

他者との会話のない中で、人間を生物的に観察する機会というのはなかなか無い。それに、どうしたって相手の気持ちを考えてしまうとも思う。

 

そんなことを考えながら「とりあえずこれで」とネイキッドエンジェルの1/20希崎ジェシカを組み立てて置いておいたのは半年くらい前。先日急に「ああ、今なら塗れそうだな」と思い手をつけたらものの2時間くらいで塗り終えてしまった。いざ塗り始めると急に人間味を帯びてきてびっくりした。衝動的な探究心で一気に完成まで持っていくためのガイドは3Dスキャンを拠り所にした説得力のある造形だ。陰影をつけるのは思った以上に楽だった。陰影をつけることでられる見た目の仕上がりの良さを加味しても、やってみる価値は十分にある。

 

それにしても誰が言ったか「フィギュアの顔は作業者好みの顔になる」というのは本当のようで、本人に似せようと思わなかったため、希崎ジェシカにはならなかった。眉毛の角度とか、アイメイクの仕方に「自分の好き」が出てしまうのは少し恥ずかしいですね。

 

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