Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

おしゃれなやつはいつもいる

 

タミヤの三号突撃砲って戦車のプラモデルを作っていたのだけど、チーム(部隊)ごとにつけられているマークがかっこいい。ドクロとか象とか。なんでこんなデザインなのかは調べればわかるような気もするが、それよりも何よりも「象、どうっすか?」とか「ドクロ、どうっすか?」って言い出す人間がいたっぽいのがすごい。だって、もっと事務的なマークでいいわけじゃないですか。A-1とか。

 

それに、最近nippperに投稿された、日本の配色事典をベースに鎌倉時代の武者のプラモデルを塗る記事もそう。同じ本を手に入れて、読んでみると確かにいろんな色の鎧をつけているんだなというのがわかる。これだって「青、どうですか?」とか「最近偉くなったそうで、では紫はいかがでしょうか?」なんて話があったのかと思う。

 

 

それを聞いて「え、同期はみんな赤だけど……うーん、青! イイね!」なんて話になったりするのだろうか。日本の配色事典の中では鎌倉時代の鎧には威圧するための色という考え方があったという。それに、自身のアイデンティティを生死をかけた場で表現するという意味合いもあったそうだ。確かに、ふと思い返せば関ヶ原の戦いで赤地に黒い鎌がクロスされたデザインの羽織を小早川秀秋が着ていたが、あれはまさにアイデンティティという感じがしてきた。

 

いずれにしたってさっきのドイツ軍の話と同じで「どうっすか?」「イイね!」があったわけで、そこにはなんかオシャレなやつがいるということだ。シリアスな場にさえいる。そう思うと、いつでもどこでも存在しているような気がしてきた。なので、何をやるにしたって、かっこよくやってみたり華やかに決めてみたりするのは悪くないと思う。「どうっすか?」と言う側というか。

 

 

話は少しそれるけど、私は今は普通の会社で働いてて「シャツが派手」「ネクタイが独特」なんて言われることがある。それでも「ねぇ、それどこの?」とは一回も聞かれたことがない。今の会社は他人の装いに興味を持つ風土が殆どない。こうなると完全に服装を楽しむことは自己満足の世界を通り越して孤独の世界になってくる。見せびらかすというよりは、好きでやっている。それに社内で一番ちゃんとスーツを着ているのは私だ。一見華やかで、他者との交流が活発なような服装の世界でも、こんな感じで孤独な状態というのは全然起こる。

 

なので、いつでもどこでも、華やかさと孤独というのは同時発生しているんだと思う。どっちにしたって、アイデンティティがあると「こいつはすげぇな」って思うわけで、うちの会社にも一人だけ月に1回くらい西の方からくる同世代の男性が「今日は靴、どこのっすか!?」って話しかけてくれる。「誰も服に興味持ってくれないから、気を使うの止めよう」なんてなったらこうはならない。

 

話題に上げたやつ

 

nippper.com

 

今日の物販

 

 

 

 

 

時代別 日本の配色事典

時代別 日本の配色事典

  • 作者:城 一夫
  • パイ インターナショナル
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