「なんで僕の草は黄緑色になってしまったんですか?」と聞いたら「水道水だけで得られる栄養には限りがある」といわれて、たしかに自然には枯れ葉や色々なものが栄養素になっていると思った。雨だって、水道水とは成分が違うだろう。
今、東急ストア銀座の5階にはADA LABというパルダリウム専門店が期間限定でオープンしている。4月ころに始まって、もともと8月までの予定だったものが好評で1月まで延長になったという状態だ。
結構前に買ったパルダリウムをほとんど枯らしてしまったので、夏に一度新しい水草を購入した。しかしこれが面白いくらいに伸びる。仕事が忙しいから……とほったらかせば、あっという間にガラスの蓋に到達して頭をぐいっと曲げて苦しそうにする。
それを切って植えると、また伸びる……というわけで無限に増え続ける状態。楽しいので、まさに茫々という感じで自然の凄さを感じながら最終的には蓋を外した状態でほったらかしていた。
少し暇になって、自分としてもなにかいつもと違うことがしたいなと思ったので新たに草を買い足すことにした。店員さんに伸びに伸びた写真を見せたら「うわっすご……これはこれで先が見てみたい……。というか写真うまいですね」なんて言われた。
そのまま、おすすめを教えてほしいとお願いして、いくつかの植物を見繕ってくれた。店員さんは、最初は「わかることなら教えられますが……」という感じだったが、おすすめの草を10種類くらい教えてくれて最高だった。
勧めてくれた中で購入したのは「アヌビアス・コインリーフ」という品種。これは地面から露出している茎の部分からも根っこが伸びている見た目の面白さを持つアヌビアスの中でも、コインのように丸い葉っぱを持つもので、一番饒舌に教えてくれた。
植わっているものをバラすにはどうしたらいいのかとかレイアウトはどうしたらいいのかとかそういう話も会計の前に聞いておいた。それに黄緑色の葉っぱの色を取り戻すべく、栄養剤の入ったスプレーも購入した。
帰宅して、植替えの作業をしていたのだけど、これはもうほとんどプラモデルだと思う。あるいはその逆でプラモデルがパルダリウムなのかもしれない。パルダリウム用のめちゃくちゃ長いピンセットでハサミで切って草を植える作業は特にそう。
買ってきたアヌビアスは水苔に包まれているので、水の入った容器の中でほぐしながら徐々に外していく。それがものすごいゆっくりとニッパーでパーツを切り出しているような感じで面白い。徐々に根の形があらわになってきれいに取り出せると、とても嬉しい。種から育てるわけではなく、すでに生育したものを植えるあたりもプラモデルのパーツ的だ。
唯一違うところは、パルダリウムには説明書がないので全部自分で決断するところだろうか。「伸びに伸びていった草」ことスターレンジは、とても短く切り、低く植えることにしたし、アヌビアスが岩にのしかかるようなレイアウトを考えたりもした。
植替えの際に葉っぱに被ってしまった土を筆で取り除いているときには「筆はショップに売っていなかったから、これはモデラーならではっぽい!」などと一人でくすくす笑ったりした。パルダリウムやっている人はプラモデル作れるだろうし、プラモデル作っている人はパルダリウムできると思う。
ADA LABは1月までということだったけども、常設してほしいなと思う。店員さんもそう言っていた。何より、ああいうところに立派な店を構えて働くというのは気分がいいんですよね。本当に常設になってほしい。もう一個増やすか。パルダリウム。
今日の物販