美人完成! 優勝! と思わず言いたくなるのですが、これ、完成見本と一ミリも似ていない。
ただ、似なくても良いんです。なぜって女子高生はたくさんいるし、この子はハセガワのJKメイトシリーズ「カーディガン」というわけで、特定の誰かではないのです。どこかの誰か。誰なんでしょう。いつか会うかもしれない理想の誰かがこうして目の前に現れる。そうやって理想像を反映してしまう時間というのは結構楽しいです。
特に、眉なんかは自分の「好き!」の見せ所です。原型の良さに引っ張られて、眼窩の形状に沿って描くと何だか微妙な仕上がりになります。なので、自分のラインを導き出し、描く必要が出てきます。私は、やや太めの並行眉で決めてみました。
造形がしっかりしているので、派手な色のカーディガンも地味な色のスカートとリボンも不思議と似合います。たくさんフィギュアを塗りましたが、色って世界観を形作る重要な要素です。だからこそ、無塗装の状態は無限の可能性を秘めているとも言えますし、そこから私たちは一つの正解を選び出しているのでしょう。
派手色の制服の彼女は現実感よりも、イラストレーターがパッと描いて、好きな色に塗り分けましたみたいなそういう幻想的な面白さがある。デッサンがしっかりしているから、遊びに耐えうるというわけです。
髪の毛は緑にしようと思ったけど、やっぱり薄ピンクだなって思いました。選ばなかった答えは完成後も存在し得た別の世界線として、目の前にある女子高生フィギュアにまとわりついています。手作りのものって後戻りができないが故に、選ばなかった可能性をまとい続けるんですよね。人生みたいだ。
原型を作ったのはまっつくさん。いつもビシッと写実的な女子高生を作っているのが本当にすごいです。このJKメイトシリーズって、現在4種類ラインナップされているのですが、今回作ったカーディガンの女の子が一番こっちを気にしていない感じで好きです。
今週のお題「手づくり」
今週の物販