合わないと思ったら、合う。しかも驚きの手法で。
中に入れた部品のせいで、翼の上と下がどうやっても合わない。
海外のメーカーのものでたまにあることだ。内部機関が干渉して合わない。車なら、エンジンとかね。そして例によって中のそれを外すと合う。ただ、これは外すわけには行かない。
タミヤの流し込みセメント速乾タイプを買っていたので試しに強引に合わせに行くことにした。プラスチックの羽根がしならせ、指で抑えて、接着する。
内側から外側へ、じわっじわっと合わせていくと「あれ、このやり方が正解っぽい?」と知らない進め方に光明を見つけニヤリとする。確かにプラスチックは、しなるし接着剤はそれをそのまま固定することができる。
これは組んだ人間にしか本当にわからないことだけど、しなるものは戻ろうとする力も働く。いくら完全に接着したとしてもそれは、どちらかに完全に追従するわけではなく、互いに引っ張り合っている気がする。なぜかって?貼り合わせるときに指で抑えている時間が短いと離れてしまう経験をしたからだ。
これは「合わない」と言えるのだろうか。それが私にはわからない。
もしかすると向こうでは「合っている」のかもしれない。こうしてプラスチックがピンっと張って引っ張り合う状態を意識して行っているのなら、ストレスなくパチパチと貼って合わせられることを安易にOKとする考えを少し、改めないといけない。
ボディと主翼を合わせるときも、合わなくて「やれやれ、手のかかるキットだな」なんて偉くなったつもりで干渉するところをカッターで削る。そして、合わせる。まだぶつかる。さっきの翼を思い出す。部品を合わせる手続きが違うんじゃないかって。
色々と指で触りながら合わせようとすると、合う。気づいたら合っていたのでどう合ったのかはわからない。ただ、私が削ったカッターの分、不自然な隙間ができていた。
排気管もうまくハマらない。ピンを削るかどうか考えたけど、そのまま接着剤を流すとピンと穴が溶けて柔らかくなるので押し込む。ハマる。なるほど。コックピット周辺も確かにそういう部分が合ったが、それはやっぱりそういうことか。
そんなことが終始続く。ゲームや漫画の世界のような少し誇張されたモールドも、塗装すると具合が良い。良いモールドってなんだろう。パーツが合うってなんだろう。ただ、どの瞬間もクリアすると「ふむ。そういうことか」と納得した。
すっかりわかった風にパチパチと組み上がることの楽しさを、オーケーオーケーとしていた私にプラスチックという素材が持つ面白さを教えてくれるかのように一石を投じる、アルマホビーの1/72ハリケーン。色も塗ってデカールも貼って全体を通して「コレだ!」という満足感が初めて得られたキット。
シタデルカラーにモデリングワックスは相性が良い気がする。見た目も、手触りも。
そして今日、ハリケーンは私が一番好きなプロペラ機になった。
今日の物販

アルマホビー 1/72 ホーカー ハリケーンMk.1 Trop プラモデル ADL70021
- 出版社/メーカー: ARMA HOBBY
- 発売日: 2019/05/19
- メディア: おもちゃ&ホビー
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