ハセガワの1/48の航空機。
魅力的なパッケージアートと箱の大きさに惚れる。大人になった俺ですら、ワクワクする。「こんなの作れないよー」と思う自分も少しいるけど。子供の頃ならお父さんに無邪気にねだって、買ってもらったと思う。
飛行機なんかは、その形となんとなく飛びそうなルックスから結構容易(あるいは短絡的)にそのシェイプの美しさにアクセスすることができるのがポイントで、あれこれ考える余地や普段生活している中で得る情報が少ないことも手伝って、単純にその見た目から入ることができる。
もちろん、知識から模型に入ることも悪くないけども、私のように事前知識なしでプロペラがついてりゃ飛ぶだろうとか、噴射口からジェットがビューン程度の認識でフィールドワーク的に模型の世界に足を踏み入れるのも有り(だと思う)。
ハセガワのスカイホーク ブルーエンジェルス ver.はそういう意味だとなんだか夢のある機体で、その夢はイラストレーションではなく、写真で箱に載せられている。これは確かに戦闘機の姿をしているが、アクロバット飛行向けの見た目に化粧をし、どこか由緒ある見た目をしている。
箱を開けたら成型色はグレー。ネイビーだと確信していたが、そんなことはなかったので筆塗りでどこまでいけるかチャレンジするが、この大きさ、デカい。デカさはその反面、細かいところに筆が届くと言うことでもあるので塗装はしやすい。ただ、塗装をし続ける体力があるかどうかだと思う。
缶スプレーでバーっと仕上げるのが本当は正解かなと思うが、我が家では使うスペースがないので無理。みんなが自転車で突っ切るところを走って懸命についていく感覚は息切れと「もういいんじゃないの?」という模型製作に致命的な「飽き」をもたらす。ここでマラソンランナーのように根気よく走り続ける力があればなんてことはないように思えるが実際には綺麗に仕上げるという観点も必要なので必死な顔で走らないみたいなスマートさが求められるのでなかなか辛い。
筆塗りで仕上げ切ると「俺はこんなに走ったぞ!」という気持ちと、対して面白くもない見た目に感情が無になる瞬間が訪れる。
私はまだ「デカールで見た目は変わる」と信じていたので良かったのだけどデカールを貼れないとか、信じられない人だとどうなるのかはわからない。
完成後はデカールの力もあって前後左右に程よくストレッチされて伸び伸びとキレのある姿。カッコいい。大きさからくるメリハリの利いたプラの薄さが縁の下の力持ち的に作用していることはのちに分かるのだけど、それでギリギリのバランスでカッコよさだ。
そのカッコよさに甘えてドロドロした塗面をシンナーをつけた綿棒で撫でる。ネイビーの塗料が分離して濃淡が生まれる。なんかヤバイことをしている予感がするが、進める。いろんなところにブルーエンジェルスのイエローのラインのように機種のフォルムを活かせるだろうと縦のストロークを入れる。
どんどん、「自分の手で何かをしているような」気がしてくる。塗る行為とは反対のこと。端的に言えば素人のDIY的なヤバさ。感覚で進むにしても根拠がまるでない。それでも、このスカイホークはそれを受け止め切る。これ以上はダメ、やりすぎた!とはならない。作り手のわがままをキットがずっと許し続ける時間が続く。
そして、飽きた。飽きたというか「この辺にしといてやるか」という感じだ。だって、やるべきことはやったあとでの作業だから。
なるほどね。これが「これにてひとまず完成」か。
具体的にどの状態がかっこいいのかは分からなくて、終わったこの瞬間が一番かっこいいと思う感じ。
模型とはたまに斬り合いみたいな時間が続くなと思ってますがハセガワの1/48は、そういう意味だと向こうが耐えてくれるのでそれが長く続くので良いキットだと思う。最後まで、これは無理!っていう細かさが無くてしっかり完成するというか。
↓模型はもれなく組み立ててブログにのります。
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