色を塗らないという選択肢が持つ危険な魅力の1つに「解釈の幅が広まる」という要素があります。漫画なんかがそうで、白黒のものを見ていても髪の色が何色だとか、服の色がどうだとかってやっぱりわからない。漫画がアニメになったときに「声のイメージが違う」とかっていうのと同じですよね。何か、既存の記憶を引っ張り出したりして勝手に補完しているわけです。
反対に言えばアニメや漫画のカラーページを見てしまうと、あの子やあの人の髪の色は固定されてしまいます。もちろん、抜け出すことは可能ですが、それありきでの脱出になることは否めません。片方の足首だけ手で掴まれているというか。
私はこの「ドイツ冬季装備歩兵 進撃セット」の統一感を持ちながらもそれぞれが微妙に違う五人が大好きです。
それは服装やパッケージアートもそうですが、この五人がバラバラではないユニット感からくるものだと思います。パッケージアートはとても気に入ったので切り出して飾っています。この写真は、まるで自分が巨大な広告として張り出されたものの前に立つアーティストのように思えます。
ますます……という感じではありますが、群衆に見立てられた人は5人組のアイドルと色が違うので明確な区切りが生まれますね。同系色の手前でしゃがんでいる人はマネージャーか何かでしょうか。
誰もいなくなったあとに、広告を前にバイクを乗った男性が一人。色も違いますね。
さて、あの5人と、この男性はどんな関係なのでしょうか。
決して模型を作るだけでは繋がることのなさそうな細い線は、色を塗らないで完成品を楽しそうに眺めているからこそ、繋がったのかもしれません。
↓模型はもれなく組み立ててブログにのります。
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