F1ドライバーの方が台風の日に模型を作っていた。
私はF1を見ないので、誰だかは分からなかったが、ただ彼がF1を作るということはとても眩しかった。今こうして、文章を書いてて思ったが、タミヤのマツダロードスターNDの模型を実写のデザイナーの方が持っている姿を見て「かっこいいなこれ!」と思った感覚と近い気がする。
作っていたのはティレルのP34。タミヤの模型のラインナップを一通り見れば、忘れられない6輪のルックス。作るのは少し難しいが、難しいものをエスコートして、完成させようとするタミヤの気遣いを感じるキット。
組み立て順は以前作ったウルフと同じなんだけど、この手順が個人的にはかなりイケてると思う。エンジン周りを作らせて、そこからシャーシにくっつける。ここでひと段落させる構成。ここで、作ったものが全部くっつく。
この後はフロントサスペンション、つまりタイヤ周りを作る工程になるんだけども、ここで明確に作業が分かれているから気持ちがスイッチできる。
2台目のF1になるんだけど、今回はエンジンやウイングなどありとあらゆるものが、前から後ろまでビシッと一直線になる様に気にして作った。
ポイントは、ネジでエンジンを止める過程で、そこでバランスの微調整ができる。
あとは、接着材で律儀にペタペタ貼りすぎずに、少し余裕を持たせた。
普通のカーモデルと違って最後にタイヤをつけてバランスを見ることになるのだけど、そこでガタガタだったときに手を入れられるように。案の定ガタついたので、原因を探って貼ってないところをしっかりと貼り直して固定したら様になった。
作っているときに「グロージャンはこれはどうしたんだろうな」と、F1ドライバーの彼のことを何度か考えた。つい、何も考えずに彼よりも多くの道具を使って組み立てを進めていたけど「これ、ピンセットないと無理だよな」と思ったり「綿棒が必要だな」とか思ったりしたんだけど、綿棒はホテルにありそうで、ピンセットはチームの誰かに借りたりしたのだろうか。
模型は書道における手本を見ながら書き、その書をただ眺めるよりも、よく見る臨書に近いことが可能な面がある。今回はグロージャンやからぱたさんがどう作ったのか、あと何人かやはり作ってた人がいて、そういう人のことを考えながら進めたけど彼らが感じた何かを、実際に作りながら見ることができたと思う。
このキットには良いところがいくつかあって、組み立ての手順の優しさもそうだが、ならではの良さは多彩な成型色の色分けだろう。また、デカールも青と白でほとんどが構成されていてるのも美しい。私は、それが綺麗だったので、それ以外の色が入るデカールは貼らなかった。
ちょうど、青✕白のグレンチェックのシャツをオーダーしたばかりで、その色が頭に引っかかっていたのだろう。
今週の物販
タミヤ 1/20 グランプリコレクションシリーズ No.53 タイレル P34 1977 モナコGP プラモデル 20053
- 出版社/メーカー: タミヤ(TAMIYA)
- 発売日: 2002/04/23
- メディア: おもちゃ&ホビー
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