オーシャンズ11を始めとするオーシャンズシリーズが好きで、中でも第2作にあたるオーシャンズ12でメンバーが「なんでオーシャンズなんだ?」と疑問を持った後にオーシャンが「アイデアは俺が出したから」みたいな話をしたか何かで、その後に仲間たちが「でも実行したのは俺たちだ」なんてこと言う。
そのまま続けて
と放つシーンが一番好きだ。
アイデアってそうだよな。そうなんだよなと思うところがあるので今も心に残っている。
エレールのシトロエンHバンはドアを始め前面がクリアパーツという革新的なアイデアが面白いキットだが、これは塗装を前提とした話。なので私もこんな風に1つ作った。だけど、作ってるときに「このクリアパーツだけ色を塗れば意外と物になるんじゃね?」とダイレクトに車として成立するラインを攻めてみようと思った。これは問題解決さえすれば良いものができるという話。このキットは2バージョンから選択するので余ってるクリアパーツに色を塗って確かめて行けそうだったのでもう一個購入した。
その後、箱を開けクリアパーツだけをアイデアを実行すべくどんどん塗っていくのだけど、実際はクリアパーツは前部分と背面にあるだけで、このままでも悪くはないけど何か良くない気もしてきたのと乾かしてる間に、このキット特有の板と板を組み合わせる感じを楽しんでいると「これはプレート単位で塗るのは有りだな」と特徴的な部分に色を塗ることを思いつく。こうすると側面にも色が違う箇所ができるのでバランスも良くなる。
特に、はめ合わせる感じが面白い後輪のカバーと、荷室のドアは塗るのも楽だし良いアクセントになった。その後、屋根を半分だけ塗ろうと思ったんだけど、ここで「アイデアは実行されなければアイデアのままだった」という事実に遭遇する。
さっきまでの話はあくまでもパーツ単位の話だったがここは作為的にマスキングテープで区分を分けるので少し事情が違うのだ。これらは
1.クリアパーツを塗ろう(ダイレクトな問題解決)
2.組む際に特徴的な部分をプレート単位で塗ろう(問題解決の手法が発展する)
3.屋根を塗り分けよう(これは問題解決というよりは全体の見た目としてどうか。つまり「ひと目でモノとしてより面白くなるのはどんな仕上がりなのか」)
ということで問題解決の提案をより通しやすい形にデザインし直そうとバランスを取っている点が非常に面白い心の動きだ。最初のアイデアは実行され、発展し、より興味深い見た目に変化を遂げた(しかも、3のステップが入ることで1や2はむしろダイレクトな問題解決に見えず見た目のデザインのために行われたようにカモフラージュされるのが面白い。本音が建前によって隠れてしまった)。
そんな形で最初の私が考えていたことは種になりツルを這わせ花が咲いたのだけど、こうしてしまうともはや先入観など不要と言わんばかりにデカールも最初に決めていたHellerのマークのものではなくビスケット屋のものを貼らざるを得なくなってしまった。どうみてもそれが一番素敵にこのトラックを見せる手段なので。
クリアパーツは表は塗らずに、裏から何度も重ね塗りをすると波板の表情に軽やかさが出て、それも良かった。
組んだ体験をもとに部分的に色を塗って楽しむ。
独特の良い体験ができたと思う。
もう一台の記事
今日の物販
CITROËN ORIGINS 100年のシトロエン (BIGMANスペシャル)
- 作者: 世界文化社
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これはマジで面白いです。
こっちも作ってみたいですね。