昨年末に岩手の方へ行き、藤三旅館という宿に泊まった。夏にも泊まっていて、とても好印象だったので再び向かったわけだが、そのときにしていく時計がG-SHOCKだったのがなんだか嫌で、というか気になったのを覚えている。反面、妻はシチズンのダイバーズウォッチをしていてかっこよかった。
その辺りから私は旅に出るときの時計のことをよく考えるようになった。
妻のものの、メンズ版も検討に入れたし、新品で買う時計はシチズンばかりだったのでできればシチズンが良いなとかそういうことを考えたりする一方で、ダイバーズウォッチなどは高級時計にも名作が多いので、その中でもなんとか手に入るものを買おうかなと思ったし、今も思っている部分はある。どちらにしても回転式ベゼルを使って時を計りながら温泉に浸かり、体力を回復したい。そして、G-SHOCKの便利一辺倒のようなものを楽しい旅に腕に巻いていくのも、少し寂しい。
時計を巻いて風呂に入る、というのはサウナや岩盤浴がついている施設にいくようになってからのことだ。目が悪くて浴場の時計が見えない、それだけ。ただ、図りながら風呂に入るのは意外と楽しく、銭湯に行くときもしっかりと体力を回復しようと思うと、そうするようになった。そのときの腕にはG-SHOCK。
先日、久しぶりに時計を巻いて銭湯に行った。それは我が家に艦船模型が届いたから。
箱絵がなんとなく銭湯のペンキ絵のように下半分が水面に覆われて、そのまま浴槽に繋がる風に見えたり、乗組員たちが時計をして海に浸かる姿が浮かんだり、あるいは描かれている艦船そのものが、私によって湯の中に突っ込まれる時計のように見えてきたりしていた。
実際そのように突っ込んでみるとバンドの調整はG-SHOCKのようなシリコンやウレタンのバンドの方が圧倒的に楽だ。湯の中で違和感を感じ、するっと緩めたときのあの感じは金属だとそうはいかない。あとは傷。傷は悲しい。正確にいうと、傷がついて欲しく無いものにつく傷が悲しいということだ。これはめちゃくちゃに高いエドワードグリーンのようなドレスシューズと、レッドウィングのようなワークブーツの頼れる相棒とのバランスに似ていて、傷がついても大丈夫だと思える時計が必要な気がしている。何せ、温泉は岩がゴツゴツしていて、それにぶつけて傷がついたらダメなものを巻いて行ったらせっかくの湯もビクビクして入らないといけなくなってしまう。
箱絵の艦船はどれだけ傷だらけなのだろうか。そして、それがかっこよく見えるのだろうか。温泉に入れられる時計は、そのようにあればと思う。
↓模型はもれなく組み立ててブログにのります。
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