Re:11colors

毎週木曜日更新です。

日常とオーダーシューズいろいろ

今年はあまり靴を買わないようにしている。

既製品を買うのも飽きた、とカッコつけたようなことを口に出してみたい気分だとふと思ったけど多分幾らかはそれは本当だと思う。

 

もう少し正確にいうと飽きたというか、欲しいものが売っていない。なんて言い方が正しい。柔過ぎないオイルドレザーを使ったものでなおかつ野暮ったくないものは見つからないし、シボの凹凸が美しい革靴もあまりない。「素朴」とか「汎用性が高い」とかそういうのはベーシックなものが取り上げられたり、推される中で見る機会は増えたけどこちらが求めているものとは少し違うようだ。それは仕方無い。

 

なんてブツブツ言っていると必然的に「オーダーでもするか」と思い出す。

とはいっても数カ月程度で仕上がるパターンオーダーがほとんどで、言葉遊びかもしれないけど「世界で自分だけの一足が欲しい」という感覚ではなく「欲しいものが無いから作る」という感覚だ。

今年は二足オーダーしている。

 

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一足はBROSENTでこれは「Turner」とよばれるソフトウィングチップにした。

形はスクエアトゥ。あるにはあるけどこういう色ってないよねということでカーマインレッドでオーダー。履くと気分が上がるのはやはり赤色である。

今っぽく(?)全体をダークトーンでまとめるとよくまとまる。春頃はネイビーのパンツにデニムシャツに合わせてよく履いた。履くとカッコつけたくなる靴も最近はなかなか見かけない。

 

それと明日出来上がっているらしいRENDOのUチップも楽しみだ。

これはイタリアのベルーガとよばれるミディアムブラウンのシボ革とそれよりも少し濃い、ドイツのペリンガーのダークブラウンの革にした。コンビシューズはいかにも靴好きといった趣が好きだけど、そういった意味ではコンビシューズもあまり見る機会がなくなってきた。コーディネートにパンチが利くのでいいものだと思うが。以前Tricker'sでパターンオーダーをしたことがあるが、その時と似たような様子のものを意識した。コンビシューズは二色以上使えるのが楽しみなのでいろいろなことを考えてしまうが、上品にまとめようと試みると楽しいのでオススメだ。

 

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近々もう一足オーダーしようと思っているところがあって、それは形などを見ると生活の道具としての趣が強く、非常に素朴な靴だ。もっとも簡素で素朴なルックスなプレーントゥダービーをきっと得意としているのだなと伺えるが、私としては自分が感じた趣を誇張する形でキャップトゥにしてかかと部分も一枚切り替えをつけられるものならつけたい。生活の道具だからこういった補強としてのディテールはそれをより誇張することになると思うからだ。この辺の誇張の抜き差しからくる「少しこってりしてるけどトータルとしてはさっぱりとしたキレイさが好き」という好みはイタリア靴なんかの変なハンドステッチの飾りを手作り感と受け止める辺りと共通する気がする。

 

ベルーガはもうRENDOで作ってしまっているため、NEW YORKにするかと思っていたがここにきて新しい革が入ってきたのが嬉しい。

 

www.delightfultool.com

 

エルバマットは私が靴や革に興味を抱く前からなんとなく知っていたものなので、オーダーしてみてもいいかなと思う。ただ、ここにきてブラウンかオリーブかという悩みに直面している。

生活の道具という観点に強くスポットを当てるならトラや血筋を生かした形で作って欲しい。なんて考えている。

 

誕生月の9月には2足目のビスポークをしたいなと考えているので、いろいろと大変。

 

J.M.WESTON330の腰裏を修理した。

気づかないうちにたくさん履いたのだな。と思う。

 

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愛靴といっても過言では無いJ.M.WESTON330。そのデザインが醸し出す無骨さと茶色がかってきたオリーブグリーンが渋く、そのため出番が多かったようだ。そんなに履いてるつもりはなかったが腰裏 (靴内部のかかとが触れる部分)が削れて穴が空いたので修理に出すことにした。ちなみにこの腰裏、穴が空いた後放置していると中の芯が割れてそうなると直せない。

腰裏がやられる原因はいろいろあるが、まず多いのがサイズが大きい場合。その次は今回のケースのようにサイズはあっているけどそもそもラストの設計と履く人間の足があっていないことがほとんどだと思う。

私と330の場合はラストに対して私の踵が小さいとか、ダブルソールだから比較的返りが悪いため、ダブルソール感の無いことで有名なJ.M.WESTONでも多少抜けたのか。ゴルフやローファーは履き口が大きいのでそういう場合でもかかとが抜けて腰裏がやられるケースもあると思う。私のローファーはいずれそうなるだろう。

 

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というわけで修理後。お願いしたことは「床面を表に」というもの。床面、わかりやすく言うとスエード面に相当する部分を表にすると引っ掛かりが発生するのでかかとの抜けが若干緩和される。また、ほんの数ミリだが厚みが増すのでサイズ感も変わる。

 RENDOの吉見さんがオーダー会のときに「床面が表の方がいいと思うんだけど、靴下に穴があくとかなんとかいって気にする人が多いんだよなぁ」と漏らしていたのが印象的。私も床面が表の方がいいと思う。

 

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それにしても表のステッチがほとんど目立たないように仕上げてくれる修理の技術は恐れ入る。いつも贔屓にしているお店で上手いスタッフがいるので毎回その人にお願いしているが、本当にありがたい。 この靴、一回靴ベラの入れ方を誤って履き口にシワがよっているのが切ない。あと、この靴は比較的履き口周辺が柔らかいような気がする。

それと最初に腰裏がやられたときに他の靴と違ってベロっと一気に剥けたのがなんか印象的だった。革が柔らかいのかな。固定したいから芯材をガシッとさせたいところ、なのに直に触れるところは柔らかい。イタリアの靴もそういうのあるな。

 

つい履きたくなる理由はそういったところにもあるのだろう。

犬印鞄製作所「犬印純綿帆布 トートバッグ(中)」

愛用していたateliers PENELOPEのバッグだったが、使い倒してしまってくたびれきってしまったので買い替えが必要になった。

今まで帆布系のバッグは使い込めばこむほど味が出て良くなると思っていたが酷使しきった様子はあまり魅力的には見えない気がする。

バリッとした厚手の帆布の強さが使い古した中にその芯の強さを伺わせるのも悪くはないが、あまり使っていない頃のそれが前面に出た硬さを感じる強さも見逃せない。

 

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何度か悩んで断念していた犬印鞄製作所の鞄だがトートバッグの四角く強く立つ感じが今の自分には良いなと思ったのとあとは単純に機能性で「今はコレだな」とピンとくるものがあったので買うことにした。

 

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使ってみるまで気づかなかったストレスとして「ジッパーが付いている」なんてものがあった。閉じないとだらしがないけど、忘れることが多いし「閉じないと!」なんて思って閉じようものならビルから出るときのセキュリティの関係で一回バッグを開けないといけないことを忘れて開ける。開けたあとに閉じ忘れることもある。

電車の中で本を読むときもジッパーをエイっと開けて本を出してというのが面倒だった。ジッパーは鞄の大きさのせいでストレスだったんだろうなと思うけど、そう思うと鞄って難しいなってますます思ってしまう。あと、深さがあまりにも深すぎると手でガサゴソやるときに探りきれない。「財布がない!」と思ったら手の届かない角のところにあるなんてことも。自分の管理能力の無さが、良い感じの大きさの鞄を台無しにしている。特に、疲れているときはそれが顕著でかっこ悪かった。もっと余裕があれば良いんだけど。その点この鞄は今までの鞄より少し小さいので手で探れば探し切ることができそうだし、ねじり金具が簡易的に蓋を閉じてくれるので、一応の体裁も保てるので助かる。

 

 

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とりあえずものを入れられる前のポケットは便利だし、あと今日打ち合わせで鞄の前部にあるペン挿しも意外と使えることに気づいた。非常に便利である。

中にはジップ付きのポケットが一つ、その反対の面に大小の仕切られたポケットが一つと割とスタンダードな形。色は汎用性が高めの茶色にした。

 

今のところはさっきも書いたが「バリッとした感じ」「四角く立っている様子」がとても気に入っている。へたった様子を好きになれるのか、そもそもあまりへたらないのか、まずはお試しといったところか。

 

www.inujirushikaban.jp

 

余談だが、実店舗では限定カラーとしてブルーグレーの帆布がラインアップされていて、それはそれで程よい大人感があるのでオススメ。

カーキ、ベージュ、生成り、緑あたりの道具感が前面に出たものは普通に良いし、赤や紫なども悪くない。グレー、ネイビー、ブラックあたりは鉄板というかおっさん感もあまり出ない?かな。ネイビーは少し出るかも。文学感というかなんていうんですかね。あ、レトロ感。