Re:11colors

だいたい木曜更新です。革靴、洋服、プラモデルなどものに触れて感じたことを書きます。文学フリマ東京に大体います。 お仕事お問い合わせは 4mens.shoes@gmail.com よろしくおねがいします。

何のための模型

「なんか転換期来てるのでは」と思うようなことがあった。ドイツ軍の野戦炊事セットの話。マジでこの記事には頭をガツンとやられて、オンリーワン戦略に近いものを取り続ける自分としては少し悔しかった(そしてニコニコしながら野戦炊事セットを買った)。

 

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転換期ってのが何を指すのかっていうと、がっつり作り込むでも、気軽に楽しみましょうでもなくて、模型そのものが生み出す良さを「とてつもなく楽しいものだ」と思わせる楽しみ方のこと。

その魅力をまるでおとぎ話でも聞くかのような気持ちで読み、心が動き、結果的に「作ってみるか」と思う。そして、それをさせてくれる巨大な懐を持つ模型の数々に頭が下がる。

 

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特に凄いのは、ミリタリーモデルが実物を基にしていて「歴史的」な点だろう。そして、タミヤのミリタリーミニチュアなどは説明書にしっかりと史実が記載されている。客観的なものを基に何かを読み取り、語り、自身の世界を作ることの真っ直ぐで簡単な楽しさを、今はいとも簡単に色んな人に見てもらうことが出来る(今は?さて、それはいつからだった?以前からだとしたら、なぜ今までそうはならなかったんだろうか)。

 

これは誰かが紡ぐ物語の部品として史実が機能していると考えることも出来る。歴史的な事実が俺たちが作る今の話を時を超えて支えてくれる。

こういう遊び方意外にも、とにかくそういうヤバいことがどこでも起きる可能性があって、現に起きていてそして今、観測可能な事態になっている。

 

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俺の思ってた模型はそういう意味だと「出来上がった成果物の世界」。今、少しだけ変わろうとしている。

詩が読まれるためなのか歌われるためなのか、あるいは書き写されるためのものなのか。そんな、模型の多様性の誕生の予感。

記された歴史や、キレを増し続け作りやすさと美しさが同居した模型の数々。そしてそれをサポートする道具たち。今はそれをどう扱うのか?作った本人は何を語り見せるのか?そういう、聴くためのレコードを逆回転させたり止めたりさせ、楽器とするような「新たな切り口」がじわっとその姿を現してきている。

 

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ニッパーとピンセット、タミヤセメントを普通のと流し込みタイプ。あとは思ったことを書き留めて表現しようというハート。

それだけを持ってスタジアムの選手用の入り口からフィールドに足を踏み入れてみると、今しか味わえないワクワク感が待ってるかもしれません。

 

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タミヤセメント 六角ビン 20ml 87012

タミヤセメント 六角ビン 20ml 87012

  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

STYLE: 男のファッションはボクが描いてきた

STYLE: 男のファッションはボクが描いてきた

  • 作者:綿谷 寛
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/05/10
  • メディア: 単行本
 

 

タミヤの叡智の鉄格子 冬のフィーゼラーFi156Cシュトルヒ

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プラモをカッコよく作るセンスってのが仮にあるとしたらそれは「位置を決められる」ってことだと思ってる。例えばタイヤが四つ地面につくとか翼が正面から見たときに線対称なのかとかね。他にもそういう「位置」がいろいろあって、反対にこれが決まらないと何をどうしてもカッコよくならないなんてことがあると思う。

 

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タミヤのフィーゼラーFi156Cシュトルヒはその辺が本当に驚くくらいによくできている。

翼や主脚の位置が金属製のパーツの力でバシッと決まる。翼なんかはさらに屋根を上から合わせるとピタッと固定されるので本当に驚く。

 

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主脚に関してもそのものの角度もそうだけど、今回つけたスキー板の設置角度が調整しやすくて、それがまたね。なんていうか、そういうのがパチッパチッと決めてく瞬間があるのが楽しいんですよ。これが。これがタミヤの「作らされてるのではなく作っている感覚」の大切な要素だと思います。

 

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そうやって全部が全部いい感じに決まってく上に、気づいたら出来上がっているという快適なドライブ感覚の組み立て順がまた良い。「形になるスピード」ということに関して私も何度か考えたことがあるけど、それとは違うペース配分の妙。翼の裏面の棒状のパーツの組み立てとか大変そうに見えて、すぐ終わるし、それでいてこの飛行機の構造を確固たるものにするクライマックス感がすごい。

で、昔誰かが「連続ドラマは最終回の一個前が実質ラスト。そのあとはまとめだ」って話をしてたんだけど、シュトルヒもそう。

 

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飛行機の構造をバシッと固めた後に飛行機を飛行機にするためにプロペラを嵌める。ショートケーキにイチゴを載せるように、めでたしめでたし。

 

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私のシュトルヒは「豪快なレジャー」と評した方がいるように各パーツをあらかじめ異なる質感の白に塗って、透ける白やべったりとした白、筆ムラが楽しい白などを盛り込んで互いが互いをよく見せるように塗ることで、雪のようなものを乗せたりして「冬を再現しました」なんていうよりも、少し抽象的で、尚且つ動きのある冬を作ったんだけど、それもこれも、こうやってビシッとカッコよく位置が決まるシュトルヒのお陰で形になってたりして、本当に素晴らしい。

プロペラを緑にすることで途端にカナダとか北欧とかその辺の姿で少し牧歌的になるのがこれまた面白い。私はクリスマスをイメージして緑にしたけど。プロペラが白かったらロシアとかのマジで厳しい冬っていうか、寂しい冬っていうか。緑にしたから白が雪に見えるとか。そういうのが楽しいよ。

 

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情感あふれるキットなので、思わずドアを開け放ちます。 

冬だから、冬のプラモ作りませんか?

 

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野戦伝令の情景は

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こんな小さなバイクですら「バイク作ってるな」と思う。

今年の夏ころに自転車を作ったが、その違いは明確だ。エンジンがあるかないか。

この差は作っているときのエモーショナルな部分に随分と作用するようだ。

 

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作っているときはもう10年以上前にBSで見たモーターサイクルダイアリーのことを思い出した。「モーターサイクル」という言葉が指すバイクはやはりこういう逞しさと、たっぷり積んだ荷物。ラフな服装。そして、刺激を受けた次の日に手持ちの服さえあればそういうフレーバーをたっぷりと自分にまとわせることができる、大いなる幻想の世界(きっと俺は明日はモーターサイクルコートを思わず着るのだろう)を持っている。

 

そういった煙や土埃を感じる世界を作りあげるには一人では難しいらしい。

 

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バイクにまたがった男が止まるには、止まる理由が必要だ。

空想で道に迷っている、信号が赤だ。など言ってもいいが具体的な存在として、おっさんが一人ついてくる。それでいて、このおっさんも良いポーズだと思う。バイクを受け止めるに足る、おっさんだ。

良いポーズだなと思うのは造形のバランスもそうだが、このおっさんは専用のポーズをしているというか、使い所の狭いポーズをしている点も好きだ。

 

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タミヤのミリタリーミニチュアでバイクを取り上げたものは様々あるが、現行で手に入るものを比べてみると、一番芳醇なのは多分これだと思う。

 

二人と一台の小さな世界が醸し出す重厚さがとても良いです。

 

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