Re:11colors

だいたい木曜更新です。革靴、洋服、プラモデルなどものに触れて感じたことを書きます。文学フリマ東京に大体います。 お仕事お問い合わせは 4mens.shoes@gmail.com よろしくおねがいします。

認識した車のプラモデルを作った話

おそらく、人生で初めて「あ、これがこの車か!」と認識する機会がありました。

それは帰り道の駐車場に止まっていたスズキのジムニー(もう、〇〇の△△と言っている時点で私にとっては奇跡のようなもの)。

 

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これは自分の記憶をたどる限り、風呂に浸かりながらスマホでGO OUTを読んで「あーこれがスズキのジムニーね。眼鏡屋の店長が言っていたやつだなー」なんて思っていたことが原因だと思う。あとは車のプラモデルが猛烈に作りたくてスズキのハスラーの簡単に作れるキットだとか、トヨタのFJクルーザーのキットを通販サイトとかで獲物を狙うサメのようにグルグルと見ていたからというのもある。

 

要するに、車を認識する土壌はできたいたというわけです。なんとなくアウトドアっぽいものがぼやーっと存在していて、それがバチィッとつながって一つの大きな塊になるというか。それぞれがくっつかない絶妙な距離に置かれた磁石たちの中にもう一個磁石を追加したらすべてが乱れて一つの塊になる感じ。

 

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それで改めてジムニーのプラモデルってあるのかなと探したらあったのですぐに購入。だって、見たものそのままがあるんだもの。

 

ボディは白いんだろうなーと大体アタリをつけていたので塗料も併せて買うことにして、そこで「あ、プラモデルって塗りたいところを塗れば良いんだよな」ってからぱたさんのこの記事を思い出して少し助けられたりした。

 

wivern.exblog.jp

 

色に関しては「明後日の仕事の帰りに買う」と決めてから何色にするかめっちゃ考えた。パッケージの色をどう再現するかはわからないし、がっつり作業をする部屋があるわけでもないから、シタデルカラーみたいな水性の塗料をサクッと使えば片付けも容易だろうとかそういうことをずーっと考えていた。何色が良いんだろうって。

 

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結果的には我が家にはデニム素材のぬいぐるみを飾るスペースがあるので、そこに仲間入りさせていただくという意味でネイビーに塗ることにした。あと、クリアパーツはマッキーで塗ればなんとかなるだろうと近所のロフトで赤とオレンジと黄色のそれを買ってなんとかした。

 

色を塗った結果は初めてシタデルカラー使うし、筆塗りなんて久しぶりだしそもそも場数が少ないのでもちろんムラだらけだし、筆跡もすごい残ってる。

 

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ただ、これはなんだか不思議なもので、こういう塗り跡とか塗料が溜まっているところが良いなと思ったりもする。味だとかそういう話ではないんだけど。何でしょうね。

 

侘び寂び?正確には侘びでしょうか。楽焼と井戸茶碗と並べて見てどうなのか?という話でもあります。もっとわかりやすくいうと自然に色落ちしたジーンズと意図的に履き込んだり洗剤にこだわってみたジーンズの違いとでも言いましょうか。

 

今の自分の現在地で見たとしても次はこのシタデルカラーをうまく使うような予感はするし、たとえ下手だとしても、これから上達しようと経験を積んでうまくなる可能性は結構あると思う。絵もそうだったし。

あるいはエアブラシやスプレーを使えるような環境になったりして筆塗りをする機会が減って、均一な仕上げができるようになるかもしれない。

 

でもそうなったときに「この塗り方、もう一回できる?」と考えてみるとどうもそうでもない気がする。その「なんだかわからんが、初めて使う塗料でとりあえず全体を塗ってみた」という様ってこのジムニーにしか残らない。

 

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しかもそのときの私の「これがOKなのかどうか」の価値観はプラモデルの塗装の仕上がりではなくて、服とか靴とか、自分でオイルステインで塗った机の天板だとかそういうなんか全然関係ない定規を引っ張り出して、なんとかOKをひねり出しているんですよね。

 

しかも「デニムのぬいぐるみと並べるためにネイビーにした」とかいう、マジでわけのわからない(ただこれは家に馴染む模型という観点からすると面白いアイデアかもしれない)ことが端を発しているのも、変な話。

 

ただ、こういう考え方でジャッジをして作る。今の俺はそれで行く。という感覚はやっぱり面白いし、それが形になって部屋で馴染んでいる様子は、細部はともかく狙い通りになっているってことでもあったりして、自分で考えた癖に「おおっ」と驚いたりする。

 

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それにこの無理矢理1/48のおっさんを上に乗っけることで生まれたスケール感が全くチグハグな世界観がそういう、不案内が故の俺の模型に対する無礼を全部カバーしてくれているのも面白い話で、俺のジムニーは俺の部屋に飾られるために作られたものなんだよなと思ったりもします。

 

車も作るのが楽しいですし、帰路でスズキのハスラーを見て、先程トヨタのFJクルーザーを目にしたので、なにかそういうものを作ろうと思います。

 

 

 

 

 

 

ハセガワ 1/24 スズキ ジムニー JA71-JCU型 プラモデル 20323

ハセガワ 1/24 スズキ ジムニー JA71-JCU型 プラモデル 20323

 

 

 

ハセガワ 1/24 スズキ ジムニー JA11-1型 プラモデル 20301

ハセガワ 1/24 スズキ ジムニー JA11-1型 プラモデル 20301

 

 

なんかいろいろあるっぽいので好きなものを作るといいと思います。

 

 

 

コイツは実写を見たらめちゃくちゃ大きくてびっくりした。 

 

 

 

コレは家のそばの路地をスイーッと通っていたので可愛かったです。

オープントップで兵士がいないコイツと箱の中の俺

兵士セットを手に入れてしまえば兵士がいないキットにも手を付けることができます。

 

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と思わず言いたくなるのは、一度兵士と車両が板前と出刃包丁のような密接な関わりを持っていることに気づいてしまうと、その化学変化を見ることなく完成としてしまうのは少しもったいないような気がして「兵士がいないキット」は少しだけ選択肢から遠のいていたからです。

 

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さて、今回私が手を付けたアメリカ軍のM10ですが、今まで話している通りに兵士がいません。しかし、このオープントップと呼ばれるタイプのものは作るのも楽しく、見た目も内部が見えるという点で非常に作りがいがあるものだと思います。

実際のところ、アーマーモデリングで特集が組まれるほどでもありますので、私のように魅力を感じる方が多いのではないでしょうか(この号は非常に面白いです)。

 

 

Armour Modelling 2019年 02 月号 [雑誌]

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私自身は、それに加えて1/48サイズだと形になるスピードも早く、作業に飽きることが無いかなと感じています。反対に、これは憶測にはなりますが1/35サイズだともっとパーツ分割が複雑になる為、一つ一つを組み上げていく感覚はもっと明確に感じられるでしょう。

 

さて、この兵士のいないオープントップことM10ですが、これは私みたいな人間からは非常に不思議な存在です。もちろん、兵士がいないことはたまにありますが、それにしても内部の様子がわかるため、1つの密度のある世界が……そうですね。今気づきましたが、機械式時計の裏蓋を開けたかのような世界が存在しているのに、兵士がいないせいでゼンマイが止まったような状態だったのです。

 

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ただ、アメリカ軍前線休息セットを作った後の私の目には、1枚のレンズが付いているのできっと兵士たちと遊ぶ前の私とは違う世界を見ることができていて、それによってこの奇妙な状態に自分で納得することができたのです。

 

このキットは、とにかく荷物がオプションパーツとしてたくさんついていることが特徴で、僕に「荷物を自由に組み合わせる遊び」を提供しているのです。

 

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確かにホビージャパンのミリタリーミニチュア 特集号を読んだ際にもそういう荷物を積みまくる遊び方があることは知っていたのですが、それはあくまでも説明書の外の話で、まさかM10を組んでいる最中にふとめくった、説明書の最後に「パッケージを参考に自由に組み合わせましょう」と記載があるとは思いもしなかったのです。外だと思った出来事が中に組み込まれている……のですがどのように積むことが整合性があることなのかまでは書かれていない。そこには兵士セット同じ、曖昧な自由が存在しているというわけです。きっとその自由に、ワクワクする人たちが多くいるのだろうとも思いました。

 

 

ホビージャパン18年11月号

ホビージャパン18年11月号

 

 

 

さて、私は今までプラモデルを作ることで何かを知り、それを喜ぶというスタンスをとってきていますがここで一つ問題が発生してしまいました。

 

今まで書いたことは全部完成する前に気づいたことなので、完成させる意味が途端にわからなくなりました。というか、そもそも「完成ってなんだ?」という薄く嫌な感じの布にまとわりつかれてしまったのです。組み終わらなくても、こういう気づきを得たのならば、それは完成なのではないかと。

 

ただ、ここでなんとなく嫌なムードの私を助けたのはやはり兵士でした。

 

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「キットに入っていない兵士を乗せる遊び方」を楽しむ余地が残されていたことは戦車を戦車の形にする理由になったのです。

 

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双眼鏡を手に持った兵士と座り込み考え事をする兵士が置かれるだけで急に、荷物やオープントップであることが急に活き活きしだす様子はまさにゼンマイを巻いた時計のムーブメントそのもので「あ、完成させて兵士乗っけてよかったな」と感心するほどでした。

 

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私は「荷物を乗っけるためのキットなんだ。ふーん」と感じた瞬間に箱の中に入ってしまいました。箱の中に入ってしまうと何をしても良い結果にならず、この慢心が私の可能性を狭めてしまいます。

 

ただ、その先の、二本目の床に落ちた針を見つけ出すことに熱心になることができたのは前線休息セットで兵士たちと遊んでいたからです。

 

戦車や荷物、兵士と遊ぶことは私にとって「箱から出ること」となりましたが、やっぱり素直に物に触れ、それを感じ記録すると、それは非常に面白い経験だったと認識することができます。

 

 

自分の小さな「箱」から脱出する方法

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知っているようで知らないかっこいい車を作る

もうこれは色んな人に色んなところで言っているんだけど、リラックスとかゆったりとか落ち着いたとか、そういうゆるいワードがどれもこれも、それを「意識してする」ような存在になってしまって、残った言葉が「ダラダラ」になってしまっていると僕は思っています。

 

ソファでくつろぎながら食べることを推奨されたお菓子だって実際は、床に寝そべってスマホでもいじりながらだらだら。あー、首がつかれた。ゴロリ。無茶な体制で口に突っ込むブールドネージュはいつもと違う溜まり方で口の中に甘みを広める。

 

そういうダラダラがリラックスであってゆったりした物なのではないかと思うと、プラモデルは気が抜けません。なにせ今回も最後の最後で思ったよりもつけ過ぎた流し込みの接着剤に痛い目を見ています。

 

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しかしですね、このキットはいいです。どのキットも大体良いんだけど、何が良いかというと、簡単に作れるところです。これはまたいつか書こうと思うのですけど、コマツのブルドーザー現象(知っているようで知らないものを作ること。こちらを参照)が軽く起きる程度のプラモデルってやっぱり楽しい。

 

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妙なシェイプをしたパーツを見て「こうくっつけるのかなー」なんて思いながら合わせるとガイドとズレたりして「あ、違うのかーあちゃー」とか適当にやってる。

それで正しい位置を確認して接着剤を流し込む。

そうやって「知らないものと知らないものでできた、なんとなく知っているもの」に、また知らないものをくっつけて徐々に「知ってる」に近づいてくる。

 

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シートくらいは流石にわかるものなのでそういうことは無いんだけど、でもこれがまた面白くて「知ってるものが、知らないものにくっつくと、突然知ってるものになった気がする」んですよね。

 

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だから僕なんかはシートをくっつけたあとはしばらく作りませんでした。

でも今度は今度で、ボンネットの存在をずーっと忘れてたりしていて「あーボンネットつけないと」なんて、こうして言葉にすると全く謎な現象に見舞われました。

自分は車というのが身近にある人生ではなかったし、免許も持ってないから、ボンネットって存在は知ってはいるけど身近なものとして認識はしていなんですよね。

これが運転している人だと、視界に入ってくるし、降りたときに車を見る視線の動きは僕と違うと思うんですよね。僕なんかは人様の車を傷つけないように壊さないようにと恐る恐るですから、外から「へー車ってこうなってるんだー」なんて眺める機会って殆どないんです。

 

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こういうミリタリーな車はもっとそういう、構造は認識していないわけですよね。

キューベルワーゲンと違ってドアもないからますます謎が深まるばかり。

 

でも、シートを置いたというそれだけで「知っている何かができた」気がするんですよね。不思議です。で、それを「知っているぞー!」なんてやってると説明書をなんとなくしか見ないから、合わなくて読み直して、合って……となんか一人で楽しくなってます。

自分だけで済む、誰にも迷惑をかけない、笑える失敗ってなんか良いじゃないですか。そういうのをダラダラやるっていうのが楽しい。

 

知らないものを知っているものだと認識した癖に知らないものだった!とかやってるのほんとバカバカしくて面白い。しかもそれを適度にやりながら、ストレスにならずに組み上がるというのはもうこれは、こういうちょっとした車両の良さではないでしょうか。

 

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そしてこのおじさんのリラックス感は完全に僕が銭湯でくつろいでいるときのそれでした。これは、知っている自分のポーズ。

  

 

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