Re:11colors

だいたい木曜更新です。革靴、洋服、プラモデルなどものに触れて感じたことを書きます。文学フリマ東京に大体います。 お仕事お問い合わせは 4mens.shoes@gmail.com よろしくおねがいします。

飽きと完成

スルメのような人間の反対語はガムのような人間だそうです。

 

模型って「今日はここまで。今日はここまで」ってじっくり作っていくのっていかにも素敵じゃないですか。でも自分でそれやってみると、ある瞬間飽きかけたんですよね。

あれがすごい不思議。俺が模型をガムとして食ってるのか模型がガムなのか。

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幸い、まだプラモデルを積むという習慣もなく、できることも少ないから興味関心もそこまで広がらないので

 

「あれもやろう、これもやろう。む?どれも出来ていないぞ」

 

という仕事における最悪の事態に陥らずに済んでいますが、ただ完成する前に飽きるかもしれないという感覚は結構デンジャラスです。なんででしょうね。「飽きたらどうしよう」って。別に、何千円のものでどうでも良いのに。

 

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タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.278 アルピーヌ ルノー A110 モンテカルロはそういう意味では色をある程度塗った方が良いんじゃないか?と感じて色を塗ってる上に、仕事が忙しくて休みが中々取れないので作り始めてから結構時間が経ってて、その組みかけの姿を見ると「あーなんかめんどくせぇなー」と一瞬思うときがある。

そうするとハロー効果でそのまま

 

「大きさは良いけど前が長いのがなんだか気にくわない(気がする)」

「今は飛行機を作りたいから、そっちを先に作ってみても良いのではないか?」

 

と「めんどくささの拠り所」を探し出したりしていて徐々にこのプラモの鮮度が俺の中で落ちていくのがわかる。自分が当初思っていた完成までの日にちがどんどんどんどん遠くなっていくのと「来週末には終わるだろ」が終わらないので、そのせいで実際の日数の経過よりも長い時間完成していないような気がしてきて、フェードアウトしそうな感覚というか、海でメガネが流されたとときのあの、一瞬で掴みきらないと本当に遠くに行ってしまうような危うい気持ちになったりする。

 

こんな感じで自分で色を塗ることを選んで、自分で忙しいのに箱を開けたのに、塗らずに完成させたときのスピード感と比較をしたり、毎日チマチマやってることで「開けてからの日数」が経っていることとかそういうのを気にしてる。

 

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ただまぁ、奇跡的に私は「うわーこれがすげー!」「この意図、やば」とかグダグダやるスキルがあるのでヘッドライトの黒を塗ってるときのあの感覚は楽しかったなとか、どこかでみた「パーツの合いがタミヤらしくない」というレビューがなんで起こるのかとかを考えながら作ってるのでその辺の心のブレはデカい振り子みたいなもんで作りたい理由と作りたくない理由を並べ立てながらグワングワンやってます。

 

しかしこの、飽きずに完成させられる時間と工程数ってある程度あると思うんですよね。自分の場合はタミヤのミリタリーミニチュアの1/48はなんかそういうバランスがめちゃくちゃ良くて、色を塗らなくても一つの統一された塊が、程よい密度と面構成の豊かさで作られて楽しいし、ウォーバードシリーズなんかは今は色をある程度楽しく塗られるので、余った塗料でぺたーって塗ってトップコートの光沢で仕上げても楽しい気がしている。

 

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このキットは、この成型色のキラキラした青がスマホで撮ると本当にキレイな青になるので写真を撮って驚いているんだけど、この青の質感に対してどこまで色を塗るのか塗らないのかという選択がくっそ楽しい。

 

 

タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.278 アルピーヌ ルノー A110 モンテカルロ 1971 プラモデル 24278

タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.278 アルピーヌ ルノー A110 モンテカルロ 1971 プラモデル 24278

 

 

模型三話

紳士靴四十七話という、伝説の本があります。

 

文フリで累計100冊くらい売った記憶のある革靴に関する本ですが、そこには「ネットオークションで買ってもらうために」という理由で様々な切り口で革靴の魅力を書いた文章が多く載っています。

それの、模型バージョンをなんとなく書きましたのでぜひ、お読みください。

 

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「程よい難易度」という言葉がぴったりのタミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ イギリス 7トン4輪装甲車 Mk.IV です。

「最初にチャレンジするもの」は是非作る人自身に決めて欲しいですが私がオススメするのはこれ。理由は程よく難しく、だからこそ失敗をさせない工夫を身体で感じることができるからです。

左右や前後を間違えさせないアイデアは眼を見張るものがありますし、工程は「履帯のない戦車」といった形で、それが難しすぎない組み味を生み出しています。

また、砲塔部分を車体に嵌め込み捻るという、今後もしミリタリーモデルを作るのであれば幾度も味わう感覚を体験できる点も見逃せません。

スコップなどの細かなパーツを付ける楽しさも味わえますし、これから模型を楽しもうという方が「人が生み出す情景」を味わうには、この身体を乗り出して双眼鏡を持った兵士は十分な芳醇さを持っています。後に戦車を組む可能性を与えてくれる良作です。

 

 

 

 

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戦車が生み出す情景が幅広いことを教えてくれる、タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.46 イギリス陸軍 クルセイダー Mk.III 対空戦車 です。オープントップの車両の持つワクワク感や想像を促す造形は一度作るとクセになる魅力ですが、その中でも4人の兵士がまるで角打ちでお酒でも飲んでいるかのような様子があるのがこのキットです。

 

4人の持つ関係性を立ち位置や姿勢で感じることができるのが最大の魅力ではありますが、単純な形の履帯は最初に組むには、パーツ同士の絡み合いも少なく、比較的作りやすく感じます。1/48の初期特有のダイキャストシャーシを取り入れたキットで瞬間接着剤などが必要になり、そこが好みが分かれるところではありますが、それを差し引いてもこの、兵士達が醸し出す雰囲気は十分な魅力なのでダイキャストシャーシが自身に合うかを判断するにはちょうど良いキットです。また、兵士と戦車の成型色が違う点も見どころで、これを良しとするかどうかなども、色を塗らずに楽しむ場合には今後のキット選びの指針になるとおもいます。

 

 

 

 

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車体、窓、ゴムタイヤと色分けが楽しいタミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.63 アメリカ陸軍 現用多用途装輪車 カーゴ キャリヤーです。

 

軍用車両の魅力はミリタリーモデルの中でも「もしかすると、身近かも?」という近いような遠いような地続きの親近感がそこにあることですが、このキットは殆どの要素が私たちの知っている車そのもの、そしてタイヤはゴム素材で表現されているのでかなり身近に感じるのではないでしょうか。実際に、部屋に置いても違和感の少ないキットの1つで、これが飾ってあることは「男の子っぽさ」が程よく出て良いと思います。

 

キット自体は色分けの良さはもちろんですが、クリアパーツも比較的貼りやすく感じます。クリアパーツが白化しない接着剤を使用して作成してみるには悪くないキット……な上に飾ってもアウトドアな様子などの力を借りて良さげに見えるという良作です。

また、車の構造自体を組み上げる楽しさも十分あるので、ここからカーモデルへの派生も視野に入りますので、一度組んでみると楽しいと思います。

 

 

 

続くと良いですね。

 

力作の生まれ方 タミヤ プジョー206 WRC

 

合唱コンクールてあるじゃないですか。「男子ちゃんと歌って」のやつ。

 

中学三年生の頃に御多分に洩れず、ちゃんと歌わない男子だったんですけど、途中経過の発表会みたいなので一年生がとても上手くてなんかそれで火がついちゃったんですよね。三年生が。

 

そしてそこからは「ちゃんと歌ってるからアンサー返せよ男子」に変貌した俺たちのクラスは他所のクラスとバチバチにやりあってそのまま優勝することになった。そのときに先生の誰かが

 

3年生はなんて言うか、力で持ってきましたよね。迫力がすごい」

 

なんて話してたのをまだ覚えてて、やっぱその後にも「下の学年もすごいうまかった」みたいな話もあって、余計にその「力で持っていく」ってことが頭に強く刻まれたりした。

 

タミヤプジョー206は、そういう「力で持っていける可能性」を秘めてるキットだと思う。

 

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その箇所はどう見てもインパクトが強く、カッコいいデカール。前後にデカく施されたエンブレムはとにかくかっこいいのと迫力があります。それに加えてこんなにも自社のマークを強く押し出したデザインも見たことなく、独自の存在感で「作る!」という視点から見ると纏う闘気は凄まじく、ネットで画像を見てると大きく見える。

 

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しかも問題なのが、前後に2つあるということ。

 

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この雷神と風神みたいな、二体同時に倒さないとクリアできないボスみたいな存在で、だからこそ惚れる、好きになる、目が離せない、頭をよぎるという唯一無二の個性。前門のプジョー後門のプジョー

 

どっちも失敗できないし、どっちかを諦めることはできないというのがまたね。

ずるいよな、それがカッコいいって。

 

失敗するにしても成功するにしても、手をつけないとこの強さを体感できないから買ってみたんだけど、箱を開けてデカールを見ると、思ったより小さい。これはもう勝ったなと。闘気に負けてない俺。

 

んでもうずーっとやる。6時間。Netflixハイスコアガールは全部見終わった。

 

途中、定着した思ったものがズレたりして頭抱えたり、全てを諦めてしまおうかとかすごい深刻に悩むんだけど、そこで心の動きに目を向けると

 

「箱を開けたときに小さいって思ったのに、今はとても大きな問題のように見える。自分の心ってのは勝手だなー。どうせこの後も勝手に心は動くんだから続けよう」

 

という最高の精神状態を手に入れて貼り続けました。

こうなってくると、失敗しても普通に直すし、似た色の塗料買ってレタッチすれば良いとか思い出すからそのままスルスルスルスル進む。定着が悪い曲面はスパッとカッターで切ったりして。

 

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それで出来上がった姿ってのは手をかけただけであって、というより、手をかけないと押さえつけられないものをなんとか形にしたという様子で、静かに燃える平常心が宿った見た目。凄みがある。

これはやっぱりこのプジョーのマークの取り扱い方が生み出す魅力で、作ってよかったなって思う。

 

とにかく力で持ってく。真剣に形にし続ける。それで「できたー!」とか言ってるけどこれ、貼ってないデカールがまだまだ細かいの結構あったりする。それでも

 

「おお!できてる!」

 

てなるんだけど、それが合唱コンクールで先生が「力で持ってきましたよね」って話したことと同じだよなって。

 

多分先生は一、二年生のが歌としてはうまいけど、何とかしてやろうって気持ちでそのまま俺らに勝ちをあげざるをえないことをそういったんだろうて思う。

 

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こういう、採点しにくい何かが魅力の力作って、本当の何かは作った人の気持ちの中にだけあって、それが結果になるのは楽しいし、特にこのタミヤプジョー206はそういう果たし合いのような、熱気と熱気がぶつかるような、なんかそういうジリジリとした鍔迫り合いみたいなテニスのいつまでも続くラリーみたいななんかそういうのが詰まってるので、ぜひ作りましょう。

 

 

 

タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.221 プジョー 206 WRC プラモデル 24221

タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.221 プジョー 206 WRC プラモデル 24221