Re:11colors

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逆戻りさせたくないインハウスデザイナー

自分の今の職業は多分、社会的には「インハウスデザイナー」って名前になっていて、「物を作れる」というのはなかなか重い呪いだなと思う。

 

作れる人が一人しかいなかったらやっぱりそうなってしまうし、作れることが明らかになったらそれはそうなる。それくらいに、デザイナーが居ない企業にデザイナーが誕生することは大きい。それは華々しいって意味じゃなくて社内のみんながなんとなく痛み分けでやっていたPOPを作ることから開放されるという意味。

 

主力世代の話を聞いたり、私のためにAdobe CCのライセンスを取得される様子を見ていると、私はおそらく会社始まって以来のデザイナーだと思う。

なので「本当に」デザイナーをやっていた頃の嫌な感じとは少し違っていて、周りは本当にわからないから、デザイン面ではあんまり助けてくれない。でも、わからないから他のことはとても助けてくれる。

 

会社の風土もあるからなんとも言えないけど、知っていると見て見ぬふりをすることもあるんだなって思う。知らないから他のことで助けてくれるっていうか。

 

営業の人だって、クライアントとの間の伝書鳩ではなくて、会社の利益のために、自分が、自信を持って先方に見せられるものを手にするために一生懸命こうしたい、ああしたいと話してくれるから、こっちも負けられない。

 

最初は、なにせ前例がワードとかエクセルでできたものばかりだから殆ど当てにならないものばかりで、なんとか自分の良いと思うものを作ったり、デザイン的にも凝ったものを作って「何かがよくわからないけど、そのわからないをデザインで埋める」という作業をよくやった。

 

この「わからない」と向き合うのはなかなか難しかった。

 

「なにせ一人しか居ないから、ねぇ?」なんて自分で思ったりもしたし、周りも「私達はわからないから、センスに任せます」なんて言ってくれるし。

ただ、忙しくなったりして作る数も増えてきて「やっぱりデザイナーはつまらない!みんな見た目はセンスに任せるなんて、考えるのが面倒くさいだけじゃないか!」ってまた呪いについて考えるようになっていたときに解体屋ゲンという漫画を読んでいてハッとした。

 

 

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解体屋ゲン4巻より引用

 

「ああ、俺が今やめたらこの会社のデザインの歴史はまた振り出しになるのか」

 

なんて。もちろんそんなことはなくて、外部の印刷所のデザイナーの方に頼んで作ってもらっているものはいくつかあるんだけど、それと私が作るものは少し違っていて、それは結局「会社の中にデザイナーがいる」ということがどれだけ貴重なのかがわかることでもあった。電話して、お願いして、出来上がって、修正してという流れの外と、社内で作るのは随分と違う。特に、担当それぞれの好みとか扱う商材が纏う雰囲気をどうするのか?なんていうのは多分、外だとわからないだろうと思う。

 

ちょうどタミヤ模型の本を読んだりしてたのもあるから、そういう中と外の違いとか、企業の特性によってはどう見ても中に居たほうが良いとかも少しわかっていてうちはタミヤ寄りだから、やっぱりそういうことになる。

 

私のわからないは「周りに誰も居ないからわからない」だと思っていたけど、実は「今の役目についてわからない」ということだった。でもそれはゲンさんの言葉でよくわかった。俺の役目は、会社のデザインを逆戻りさせないこと。

 

いつか、辞めるのかな。とはいつも思うんだけど、それにしても辞めたときに後任を雇うなんてことになって、その人が会社のカラーがわからないような状態にはしたくないとか、俺とは違う分野をカバーしているのに同じような役割を果たさなければいけなくなったときに、どういう仕掛けでできているのかを読み取れるようにしたいと思うようになった。

 

だから、今は作っているものは至ってシンプルだ。

 

きっと自分の後任で入る人はそれを見て、すぐにどういう構造で出来ているのかはわかるし、ちょっとしたレイアウト上の仕掛けがデザイン上の不都合を解消する役割をはたしていることもわかるはず。

 

それに、社内の人にもデザイン面について話をする機会を増やした。

時間が無いときは、できないけどそうじゃないときは「これどうですか?」とか「これとこれはどっちが良い?」なんてわざわざやったりする。

「センスに任せて」なんて言ってくれるのにね。

別に誰も、複数案作ってくれなんて言わないのに。

複数って言っても、A、B、C、Dという分け方じゃなくてA1、A2、A3みたいなバリエーション的な感じで作ったり1つの案を発展させる形で作ったりして。

 

「忙しいと思うからいつでも良いので」

 

なんていう後輩にも

 

「それはさ、俺とお前の互いの役割を全うしていこうって観点からだと失礼なんだよ。先輩で、俺しか居ないから大変そうで申し訳ない思うだろうけど、だから互いの役割を果たすためにスケジュールを立てよう。先方が喜ぶものを作るのが俺で、それを持って、しっかり説明してくるのがそっちなんだから」

なんて話をしたりもした。

 

そうすると、以前よりも「これが良い!」とか「こうしたらもっと良い」とか「こういう算段で行きたい」と話をしてくれるようになった。この方がこっちも向こうの魂胆が見えるから、他の提案もできるし、それで、もっとわかるからお互いのために良いものが、早くできる。

 

もちろん、たまに、面倒だなって思うときとか、的外れだなってときはスルーしちゃったり、理由を説明したりするけど、そうやってなんとなく全体を今は耕してて、それであとはいつかここを離れても、次の誰かがさらに進めてくれるように、あとはみんながその人を助けてあげられるようにって思って仕事をしている。

でも、こうやって働いているうちは辞めないんだろうな。だって、目の前のものをコツコツ作ることよりもすごいデカいことやってるんだもん。例えばあと10年続けるとしてその10年は会社のデザイン観の10年になるんだからさ。

 

楽しいよ。今の仕事。

ヒプノシスマイクの話


ヒプノシスマイク Buster Bros!!!「IKEBUKURO WEST GAME PARK」

 

「凝縮」という言葉があってるような。どうでしょうか。

 

このプロジェクトに関してはコメントは差し控えさせていただきますが、それにしたってHIPHOPのサンプリング的な面白さはこういった声優の方やキャラクターを通じても見られるようです。

 

特に「HIPHOPを集合させてHIPHOPを作った曲」を歌えるのはこういった形態ならではなのではないかな。とも思います。

 

 

・最初のアカペラパート


テレフォン ライムスター 2011/08/04

3:00くらいから(勝算〈オッズ〉という曲)

 

・全体の感じ(ヒプマイの公開されている範囲で、ですが)


LIVE'09 NITRO MICROPHONE UNDERGROUND

 

トラックの調子は割と似ていますが、それだけだと中々説得力に描けるので他に2つ。

 

出だしの「マイカフォンチェックワンツワンツ」の類似性はまぁ「よくあるフレーズ」でして、それだけだと弱いので、2:40あたりからのDABOの「はじけ飛ぶダイス 始まりの合図」という"賽は投げられたとは言わない"けど"賽は投げられたと言っている" 隠れカエサル的な屈指のパンチラインからの引用の「始まりの合図」の合わせ技一本でどうでしょうか。ちなみにLIVE'09のこのDABOのヴァースでは上記のパンチラインからチーズ→ドブネズミ→美しくなりたい→青臭い心と、ここもブルーハーツの周りをウロウロするリリックの構成がうっとりしますね。

 

そして

 

このヴァース蹴っ飛ばす

 

と言われれば瞬間的に

KICK THE VARSE 歌詞蹴っ飛ばす まるでストレス飛ばすジェットバス

なんて出るほどに有名な

 


RHYMESTER - B-BOYイズム 2:10あたりから

 

 

とか「It's not over」をバッチリ「イツナロウバ(It's now over)」とフロウで寄せに行っている点とか

 


イツナロウバ KICK THE CAN CREW

 

 

まだ行けるか?まだ行けるぜ?

 

とか


韻踏合組合 - "一網打尽 (REMIX) Feat. NORIKIYO,SHINGO★西成, 漢" Official Video

4:00くらいから

 

などなど。

こういった感じのサンプリングは現実でも長い間行われていますので、いろいろ探してみると面白いかなと思います。

 

ここでこの歌詞を引っ張ってくるのか

 

とか

 

ここで昔と反対のこというのか!

 

とかまぁ、いろいろあってそれが楽しい面でもあるHIPHOP

どの音楽もそうでしょうがHIPHOPは比較的、聞けば聞くほど元ネタの欠片に敏感になって楽しめる気がします。

 

表題の曲の「君も君もそこの君も」

 

は、なんだろうなーってずーっと思い出せそうなそもそも思い違いなような感じがずっともやもやしています。

とりあえず、これをこじつけときます。

 


TORIIIIIICO!

4:00くらいからKREVAのヴァースのyou you you and youでどうでしょうか。

作詞をされている方もHIPHOPが好きなのかもしれないですね。

 

ヒプノシスマイク自体の全容はあまり把握していませんが、歌詞のサンプリング、和歌でいうところの本歌取りに近い行為は物語の後半や重要な場面で出てくる可能性は十分あります(敵対してるチームのリリックを引っ張るとか。もうやってるかも)。

 

長々と書いていましたが、サンプリング自体をオンタイムでバッチリ味わえることもなかなか無いと思うのでヒプノシスマイクにハマった人はヒプノシスマイクをずっと追いかけているとある日突然ゾクッとするようなサンプリングに出会えるかもしれないので、とにかく聞き続けるのが良いと思います。

 

私はKICK THE CAN CREWを15年位聞いていて、昨年「千%」で強くなってきた彼らを、随所に散りばめられた過去の歌詞や彼らが初期に題材に取り上げていた川とか水の流れのようなものであったり、トライアングルといったフレーズなどに痺れて、涙を流したので。

 

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千%はマルシェの「千%の確率で未来は」からですかね。

最強に自己肯定している感じは最高ですね。

 

re-11colors.hatenablog.com

 

この帰ってきた当時はそれはもう、なんですかね。

強いやつがさらに強くなって帰ってきたみたいな。

漫画でもあるじゃないですか帰ってきたら少しだけ髪型とか衣装とか変わってて。みたいなそんな感じ。

 

その「帰ってきた感」とか「チームを超えた熱い友情」みたいなのがリリックに入ってくるようなヒプマイになっていくのか既になっているのかはわからないですが、ただ、再三いいますが聞き続けてシーンが盛り上がるとそういう楽しい展開は十分にありえると思います。

 

ヒプノシス」とこのアーティストが思い浮かんだHIPHOP好きも多いかと思いますので最後はこの曲でお別れしましょう。

 

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