塗装日記
自分で塗るということは好きな色に塗れるということだ。そして好きは瞬間瞬間で変わるということがロボットバトルVやマシーネンクリーガーといったSFロボのプラモデルを作るとよくわかる。 ハセガワ 1/20 ホワイトナイトは、名前の通りに白いプラスチックで…
モーブズって湯口が2ミリくらい残るようにニッパーでバチンと切った後に#120くらいのスポンジヤスリでザクザク形を整えて、#240、#400って番手を細かくして表面をきれいにする。そんな最初の工程が結構楽しい。 で、真っ白な状態だとあまり気づかないのが荒…
伊藤若冲は鶏を飼い、それを観察して絵を描いたといわれている。手元に魅力的なモチーフがあり、創作意欲の赴くままにその対象を捕らえようという行為は、とても素敵な生活だと思う。 ワンダーフェスティバルで、猫のフィギュアを手に入れた。3Dプリンタで出…
スプラトゥーンをプレイしていると、バトル終了後のマップ全体がどちらの色に塗られているのかが確認できる画面で「赤だなー!」だとか「いや、これは緑でしょう」と勝ち負けを予想してしまう。それがほとんど当たるというのを目の当たりにすると人間の目は…
ホネミッツ・プロダクツのレジンキットのアニエス・タウべ整備士を塗りました。塗装ってマジで不思議な行為。突然うまくなる。うまくなるというか「わかる」が「できる」になる瞬間が明確にある。 今まではチョロッとしか曲がらなかったカーブが、いきなりも…
感覚で塗っていた塗装に、ある日突然気づきが生まれる。そして頭の中にインストールされていた言葉としての理論や技術が、急に実体を帯びて目の前に広がる。 「とりあえずこんな感じだろう」とウクライナのプラモデルメーカー、ICMのあまりにも曖昧な塗装指…
女子高生は現代の兵士である。 というのは模型の中での話であって、ちょっと極論過ぎるかもしれない。 とはいうものの、縮尺が表記された人間の模型の中では「戦争の中の情景を描き出すという役割」を与えられた兵士のように、一瞬を切り取ったポーズが魅力…
数年後に今の自分の完成品を見たら「この頃は影の色をがっつり残すのが楽しかったんでしょうね」と話すと思う。 影の色として下地に塗る最初の色を、その後に塗られる色よりも明るくする。そうした場合に、自分が設定した光源に対して、影となる部分や筆が届…
ICMの1/35 モロッコグミエライフルズを塗装しました。このキットの特徴は、服装に尽きると思う。どこかのブランドがそのままそっくり復刻させそうな、フードのついた緩めのコートが面白く、これだけで既に買う価値がある。加えてターバンのようなものを頭に…
緑色を肌の塗装の下地に使ってみたが、結論から言うと下地の色がスタート地点となって全体のカラーリングが決まっていく過程を発見することになった。緑色を肌に使うというアイデアは、絵画によくみられる手法のようでテールベルトという色名のものを使って…
「肌を表現するのに水色を塗ることは、センスがあるように感じる」 こう思ったのは私が、肌を表現するのに当たり前のようにピンクを下地に塗っていたからで、その理由は「ピンクを下地に塗ることは、血色がよく見えるからである」というセオリーをその通りに…
今は肌色の塗装に魅力や上達の喜びを感じているのだけど、それを最大限に味わおうとすると必然的に肌の面積が広いキットを塗ることになる。左手工房は割と肌色の面積が広いキットを多く出していて、私が左利きなのも手伝って前から気になっていたメーカーで…
「今から、水色が一番暗い色になります。なので黒に近しい暗色は全て水色になります」 相対的に色を塗るという発想がわかるようでわからないので試してみることにしたが、要は冒頭に書いたことっぽく、ではなぜ水色にしたのかというとコントロールカラーとい…
「絵が上手くなりたかったら快楽天を一冊買ってきて、まるまる模写するといい」 そんな嘘か誠かわからないウワサがインターネットには潜んでいるのだけど、この練習を実践した人物を観測することができないので嘘っぽい感じが漂う。それでも「あー、なるほど…
高校は私服だったので制服姿の女子高生をあまり知らないから、どうなるかなと思っていたら作っている最中に私は私の女子高生を発見した。まっつくさんの女子高生のフィギュアのすごいところはリアルさもそうだがポーズによって場面を演出しているところだ。…
気づく、再現する、気づく、再現するの連発が楽しいけど疲れるわけなんですが、まぁ趣味だしうまく行っているので良いかなと思っています。 先日、まっつくさんの女子高生のフィギュアの顔を塗っている時に右から左に走る筆のタッチが綺麗だなと気づいて眺め…
相対的に黒に見えるってなんじゃいという宇宙に飛び込みましたが、これアレですね。平成ラブコメの名作I''sのコミックスの表紙がわかりやすいですね……。 I"sのコミックスの表紙って、結構意味がわからないくらいガツンとくるタッチの絵なんですけど色遣いと…
まとめて2つ。 ZEALOT MINIATURESのDjinnとKingdom Death "Death high stan Y"の二つ。 ファンタジー系のミニチュアの良いところはモチーフの持つ雰囲気の良さに合わせてファンタジーなので何色に塗ってもいいという自由さと、その自由さが異様に広いところ…
どういうわけか、妙なミスが何度も起きてしまいその度に上手くなる不死鳥みたいなプラモデルだった。フィギュアは塗装を落とす作業を行なっている最中に細かなパーツが折れたりしないのが良い。 まず組み立てた後のスプレーを3回ミスってる。厚く吹いてしま…
面をザクザクと区切っていくように筆を運んで、バランスをとって塗る。 単純なビートに身体を揺らしながら気分の良い時間を過ごす、みたいな感じで頭の中の感覚が筆を通じてプラモデルに痕跡として残る。雷に感電した人に残るといわれる模様のようにバリバリ…
印象派は、光を描こうとする中で絵の具が混ざり合うと色の鮮やかさが失われてしまうということに気づいてしまい苦心したというが、それより何より外の光を捉えようとするために野外で創作する時間があったりとか完成までの製作日数の短さなども特徴だったそ…
サイトウヒール氏が手がけるLOVELOVEGARDENシリーズだけども、ヌギカケガールは塗装の対象として一番面白いと思う。少し上がった腕に、ダボっとしたツナギ。サイドからの光を浴びると露骨に明暗がつく。その辺を観察しながら塗る。今回はその明暗がくっきり…
フィギュア塗装をずっとやっているし、ここ一ヶ月くらいで嘘みたいに上手くなっているけど、こんなのは成長期みたいなものでいずれ壁にぶつかるというか、一歩一歩の階段がきつくなってくる時期が来ると思う。が、毎日骨が音を立てて背が伸びるような感覚が…
私の友達が以前「コンサバファッションといってもコンサバの中に流行り廃りがある」みたいな話をしていて確かにそうだなと思ったことがある。言葉はある範囲を規定することがあるが、それゆえにその奥が見えなくなることがあるなと感じた出来事だった。私の…