Re:11colors

日曜の日が登ってるうちに更新です。革靴、模型、日常。

雑誌を褒めたい Armor Modeling 11月号

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雑誌というのは大抵は販促が主たる目的であとはそれがどれだけ表に出ないのか?みたいな面があったり、それとは別に広告収入をアテにした上での刊行形態だったりすることが多いのかなと思ったりするけど、その辺はどうなのだろう。とかなんとか思いながら、最近圧倒的に面白いのは模型誌だ。主に読むのは飛行機模型専門誌のScale Aviationで、気に入った特集なら買うのがタイトルのArmor Modelingです。というわけで今回はArmor Modeling 11月号を書評というよりは褒めようと思う。褒めたくなったので。

 

まず、模型誌の良いところは掲載されたもののほとんどが普通に購入できる価格だという点だと思う。これはファッション誌なんかを主に読んでると顕著でジャケット1着に何十万、靴一足に十何万とかやってると普通の人間なら割とすぐ破産する。私は死なない程度にやってたこともあるが、やり過ぎて給料日3日前に金が尽き、残りの3日を特用せんべいで凌いだことがあるが、もっとやるとそのまま危ないところまで行ったと思う。カメラや時計も似たようなものだと思うが、単価や市場価格の最低ラインが高い趣味は大抵こんな感じな目に遭う。

 

その点(?)プラモデルは物にもよるが普通に満足する程度だと1万円はまず超えないだろう。そしてハイクオリティなものが日本のメーカーであることもありがたい。タミヤのことだ。タミヤを買っておけば、とりあえず普通に買って作る分には良いものが出来上がる。名作が安いというのはありがたい話。さらにラインナップも幅広いので網羅性も高い。

 

今号のArmor Modelingは「シャーマン戦車」を軸に構成された号であったが、とにかく「シャーマン戦車を作ってみるか!」と思わせる誌面がとても良く、情報の疎密のバランスも素晴らしいと思う。普段関心のない読者が、なんとなく読みたいところだけを読んでも、がっつりプラモデルにハマってる読者が誌面を読み込んでも、シャーマン戦車を作ってみようと思う構成は、ついつい「シャーマン戦車の全てがここに!情報満載、濃厚な誌面」と言いたくなるところを、言ってはいけない気がしてくる良さがある。 

 

情報は整理され、市街に満遍なく水道が通るような「量のコントロール」がされている様があり、そこに自発の学びを生み出す良さがあると思う。どこを読んでも読まなくても良いという心地よさで、読めば分かるし読まずに分からなくても良い、ただ手に取り、目を通しさえすれば「読む、読まない」の選択がなされ、かなりの確率でシャーマン戦車のプラモデルが作りたくなるというのは雑誌としてはかなり良いものなのではなかろうか。

 

雑誌を見て作りたくなる、というのは(きっと)編者にとっても読者にとっても非常に幸福なことだと思う。だから照れたり濁したりすることなくこう言いたい。

 

私はArmor Modeling 11月号を読んで、シャーマン戦車のキットが作りたくなったし、実際に購入した。

 

はっきり言うことこそが、最大の賛辞になるのだろう。

 

 

私の欲しい物リスト

 

今日の物販

 

Armour Modelling(アーマーモデリング) 2020年 11月号

Armour Modelling(アーマーモデリング) 2020年 11月号

  • 発売日: 2020/10/13
  • メディア: 雑誌
 

 

 

 

手賀沼にいる

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JRのスタンプラリーのキャンペーンで箸置きがもらえるってことでその箸置きがなんだか可愛らしかったのでチャレンジしたんだけど、俺が集めた常磐線のゴールが我孫子ってことで我孫子に初めてきた。

 

昔は、こういうものは貰ったらすぐに帰るような人間だったのだけどせっかくだからと足を伸ばして手賀沼へ。駅前に観光マップがあって、それを見て来たのだけど観光マップってボロくてダサいものが多くて何のためにあるのかなってずっと思ってたんだけど、こうやって足を運ぶとボロいとかダサいとかってあんまり関係ないんだなって思ったりした。

 

最近、ボロいものに関する特集をネットで読んだんだけど歳を取ると洋服を買わなくなるらしい。70歳くらいの爺さんが最後に服を買ったのは50歳とか、そういうことがあるそうで、なんていうかボロいものを受容するように人はできているのかもしれない。買わなくなるのと、自分で使い込むのとのバランスが良くなって熟成されていくというか。

 

今は、とりあえず手賀沼にいる。座って、こうしてブログを書いてる。実は移動中に書いてたんだけど、それはとりあえず無しにして、書いている。

 

手賀沼は思ったより、綺麗だ。綺麗というか情景がある。沼の向こうに見える住宅街だとか、大きな送電線を取り持つ鉄塔だとかそういうものが情景なんだなってよくわかる。

俺は東京の下町育ちで外に行くこともあまり好きじゃ無いから、こういうものが美しいだとか、綺麗だとかってことは知らなくていいことだとずっと思ってたが、今は昨日よりは気分が良い。

 

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脱ぎ履きが楽でかしこまらない感じが好きでよく履く中山製靴のチロリアンシューズも、起伏の激しい道だとか砂利道だとかを踏み締めると、その意味がよくわかる。目の前の石垣とかそういうものとも相性が良く思える。ここに来て、身につけてるものの意味がしっかりとわかる。

 

身近にこういう場所がある暮らしは、楽しいだろうな。

違いを見つける楽しみに触れる「Armor Modeling 11月号」

違いを見つける楽しみというは、キノコだとか野草だとかを食べるときに「これは毒があるのかないのか?」を判断することから端を発する、生存における必要な感覚だと聞いたことがある。

 

つまり、見分けがつくことは有利になるという話で、大人数のアイドルグループのそれぞれのメンバーも何度も見ていると個々を認識できるようになるのも根本は生存に関わる感覚があるようで、「思わず見分けてしまう」といった様子であるようだ。そして、必要な感覚なのでそれには快感が伴うといった形。

 

今月のアーマーモデリングは一冊のほとんどがアメリカのシャーマン戦車の特集だった。読めば分かるのは、まさに今あげた個々の認識と、それによる楽しみが記されているということだ。

 

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特筆すべきは、戦車としての面白さに加えて、アメリカの大量生産品の面白さをどう伝えるのか?というところだと思う。アメリカの大量生産品といえば、私のようにファッションに関心があるとLevi'sのジーンズや、REDWING、Russell Moccasin、Florsheimなどに関心がいくし、HamiltonやBenrus、Waltham……などなど数多ある「あの頃」の腕時計たちの外見上の愛らしいほどに凝らされた工夫なども知ってしまえば目を離さずにはいられない。

どれも細かなディテールの差異による、年代の特定やそれぞれの特徴などの研究がかなり進んでいて、そこにはシャーマン戦車と同様に「違いを見つける楽しみ」が存在していてる。そして希少性などによって高額で取引されたり、市場に流れればすぐに売れてしまうという状況がある。

 

その点、プラモデルが面白く、かつ今回のシャーマン特集の良いところは比較的容易に「この年代のこの車種」を入手することができる部分だろう。知ったものを、すぐに買える。これがファッションアイテムやアンティークの世界の様に「本物が欲しい」というとそうそう手に入らず、本物に近しいレプリカや復刻版などを手に入れたところでやはり本物ではないというのが、大変しんどいところ。

 

プラモデルはその点、本物のプラモデルが手に入るのでありがたいし「復刻版」などと銘打って商売をすることもほとんどないので優しい。あのLevi'sの501ですら年代によってシルエットが変わるのに、常に本物が改良されずに同じように売られ続けている面白さと、その大量生産性はこの世界の特殊さとも言える。

 

もちろん「私はファッションに興味があります」だとか「いや、私は戦車に興味があるんです」と言われてしまうとそれまでなんだけども、少し視点を変えて「アメリカの大量生産品が持つ、年代や生産箇所による個体差の面白さ」を味わうにはジーンズだろうがブーツだろうが戦車だろうがあまり変わらない部分があるのではと思う(そういう意味だと本誌は今はなきファッション雑誌、free&easyのツイードを特集した号に近い雰囲気を持っている)。

 

今月のアーマーモデリングはその面白さを味合わさせてくれるには十分な号で、新しい世界に足を踏み出すきっかけになるのではないか。

ファッションアイテムやアンティークのものの判別が自身を着飾ったり身の回りのものをどう構成するのかといった豊かさや世界観の確立に役立つように、プラモデルとの関わり方をじんわりと実感するにはぴったりで、どの分野においても一度は触る必要があるのがアメリカモノということなのかもしれない。

 

ジーンズやブーツ、時計やメンズアクセサリー、あるいは古のスーツスタイルの持つ強さ、何れにしても真似できない「当事物のパワー」と雰囲気があるわけだが、豊かさや国力と言いたくなる力に触れられる模型がシャーマン戦車なのだろう。それをきっかけに細かな差異を楽しむかは別として「そういう世界がある」ということを体感するという意味では、海外旅行とかに近いのかも。

 

言葉を選ばずに言えばシャーマンを取り囲む環境は異国だな、とは思わなくもないので。

 

最後にもうこの世にはいない私の憧れのスーツスタイルを体現した方の言葉を借りて終わりにしよう。

 

「豊かだったアメリカを味わうには、あの年代のスタイルや手間がとても良いんだ」

 

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