Re:11colors

毎週木曜日更新(2023年5月現在)。模型、日常。面白いことあれば他の日も

雨の日の過ごし方における靴の話

今週のお題「雨の日の過ごし方」

 

雨の日は本当は家の中でダラダラしていたいのだけど、仕事がある以上そうはいかない。休みの日だって買い物に出たりする必要が出てきたり、どうしても遠出しないといけないこともあるから一日中部屋で過ごすにはそれなりの準備が必要で「ダラダラする準備をする」というのもおかしな話なので、何らかの形で外出することになる。

 

また、雨の日は人が普段集まるところは多少集客が落ち着いていたりして、それはそれで狙い目だったりするので(特に巨大な温泉施設、スーパー銭湯など)、一考に値する。

 

私はスニーカーを持っていないので雨の日でも革靴を履くことになるが、その場合は黒色で脱ぎ履きがしやすいものを履くようにしている。

 

黒はどんなに濡れても黒なのでそれ以外の色と違ってシミになることはなく、また白とも違って汚れが目立ちにくく、比較的良い状態を保つことが可能だ。

厚みのあるしっかりとしたものであったりすれば尚良い。ゴアテックスなどを内側に張ったものもあるが、私はそういったものはラインナップには加えないので選外。

この条件になんとなく当てはまるものを考えるとオイルドレザーと呼ばれる革に油分がたっぷりと含まれた革がそれに当たるのでそれを履くことが多くなる。

 

脱ぎ履きのしやすさは雨の日に帰宅し、玄関にいる自分から漂う悲壮感に関わる。

細々と紐を解くのも面倒だし、この悲壮感の前では踵が抜けにくいようなラストの工夫は却って面倒だ。また脱ぐときにも気を使わないと行けないという面倒さが私の心を蝕む。

この場合は思い切ってサイドゴアブーツだとかを選ぶのも良いんだろうけどそこまで足にバシッと合うサイドゴアブーツを雨にも対応させるのはなんだかもったいない気がするし、合わないそれを履くつもりはサラサラない。

 

こんなことを考えながら靴を選んでみて、私が履いていてこれは楽だと思うのはチロリアンシューズと、ワークブーツ

 

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特に短丈のブーツは非常に楽。靴べらは要らないし、それでも履き口は紐を十分にほどけばかなり広くなる。紐もワークブーツになってくると通す穴にハトメと呼ばれる金具が露出するデザインになっていて滑りの良いフープの中を紐が通り形になるのでかなり楽に広げることができる。力任せに紐をぐいっと引っ張れば、穴の何処かに引っかかることもなく、そのまま足をしっかり固定できるのも良い。

 

あとは、こういった靴はある程度ワイルドに使ったほうがかっこよくなったり、あるいは自分の中で愛着が湧きやすい気がする。決して快適ではない環境にも付いてきてくれる良さ。みたいな。

 

まぁ、一足試しに買ってみましょうよ。とはいつも思います。

 

昨日、本当に欲しいものは H TOKYO のハンカチだった

二週間くらい前から漠然とハンカチがほしいなと思っていて、それは既に持っているハンカチの肌触りになんかこう癒やされるというか、疲れを吸い取られているような感覚を覚えていたからだ。

私お気に入りのハンカチはH TOKYOの浮き輪のハンカチと、ミシンのハンカチ。他にも魚のハンカチもある。最初の2つは少し硬めで吸水性が良い感じ。魚のは、なめらかでプリントがキレイだ。そして、私が欲しいと思ったのは前者のものだった。

 

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H TOKYOのハンカチは縁の縫い方が好きだったり、柄の豊富さ(特に今回買ったペンギンのような昔っぽい単純で見ていて楽しいテキスタイルは最高だ)が好きで使っていたらますます好きになって最近は出番も増えていて、補充が必要になったというわけ。

直営店舗も普段の生活圏にあるので、そういう、ハンカチのような気軽に買いたいものが気軽に買えるところにある点もポイントだ。

また、接客はさっぱりしているけど、こちらの要望を聞いてくれたり、反対に提案をしてくれたりという商売のコミュニケーションは残っているのも気持ち良い。

 

そんなハンカチだけど丸の内のKITTEで先日見たときは少しフェアが行われていて、私が好きな様子の柄のものはいつもよりもうまく見つけられなかった。ただ、そこで綿麻のガーゼのハンカチを見つけたので、それは非常に印象が良かった。ちょっと、大人すぎるかなとはおもったけど。それと、イタリアの様子を刺繍で表現したものをプリントしたハンカチ。これも良かった。ただ、白いからなぁ。どうだろうな。と思いながらその日は帰宅した。

 

そして、昨日「今日はハンカチが欲しいな」とどういうわけか思った。早く会社を出てハンカチを買おうって。私は以前、甘いものを食べに食べたがどれも微妙に合わなくて、最終的に洋梨を食べたら心も体も満たされたことがあるが、その感覚に近いものがあった。靴でも時計でも服でもなく、ハンカチ。ハンカチ。ハンカチ……。

 

帰りに御徒町のパルコヤに寄ってold fashionedへ向かう。

ハンカチをこれとかこれとかこれとかこれとか……なんて頭の中で言いながらヒョイヒョイと手にとっては「いや待てよそもそもハンカチってのは……」などと考え込んだり「俺っぽいハンカチってなんだろう」とかわけのわからないことを考えたりしだした。

ただ、この辺の気持ちの動きを自分で見ていると結構面白い。

「あ、魚のエンブロイダリー。良いな。あ、でもこの薄いチェックがなぁ」

とか

「猫のシルエットの良いな。でも猫は好きだけど猫グッズが好き家と言われると違うし……」

とか。自分が何が好きで何がそうでないのかを小さく確認していく作業を続けていくというか。なんでこんなにハンカチに悩んでいるのかはよくわからないけど。

 

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結局買ったのは三枚。

 

ペンギン柄は見つけた瞬間に手にとった。たしかアメリカの生地のラインだったかな。このラインは好きで見ていて楽しい柄が多く、なおかつ自分らしいものを見つけることができたり、派手だけど落ち着いてるものとかそういうものがよく見つかる。

残りは、丸の内で頭に残っていたものと同じ。

イタリア、ナポリ柄はピザが好きな私にはぴったりだなって思い直したのと、端に描いてあるマカロニが気に入ったからだ。

ガーゼのハンカチは最後まで他のものと悩んだ。柄が大人過ぎる気がしたのだ。でも、それよりを差し置いてこのハンカチは洗っていくとどうなるんだ? という好奇心が勝った。加えて新品の状態でもかなり好感の持てる肌触り。まだ知らない質感を買おう。

 

こんな感じで「三枚も、買ってしまった!!」とホクホクした気分でお会計をして、リュックに仕舞い、帰る。

他のフロアも見ようと思い、エスカレーターで気になる店に行くがそれでも「あー、これ」とはならない。精神的にかなり満たされている。

 

「さぁ、帰ろう」

 

と素直に思いながら帰る。本当に欲しいものをジャストで買えたときの嬉しさ。

久しぶりに味わいました。

中山製靴3ヶ月

タイトルの通りで3ヶ月ほど履いているけど特に記録を残していなかったので、書こうと思う。

 

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「本当は」って言って良いのかわからないが、本当は登山靴なので街履きにしようというのも中々悪い話だ。そんなことを言うと多くの靴がそれぞれのルーツを持つのでそれらもそうなのか?と聞かれかねないが、僕はこの靴に関してはそう思う。

なにせ検索しても「この靴を街履きにしてます!」なんていう人は殆どいないし、むしろマウンテンブーツに関する話が多いからだ。山との関わりのほうが明らかに強い。

とはいうもののチロリアンシューズの筆頭のアレとか、同じ国の値段が抑えめのアレとか、そういうのを見てみたり、あるいは「チロリアンシューズは欲しいが代名詞的なものは避けたい」と考えると日本製のチロリアンシューズにサーチライトが当たる日はいずれくる。ただ、それを記録している人は殆どいない。なんでかはわからないけど。

 

私はこの靴をよく履いている。頻度はわからないけどよく履いていると思う。

靴をたくさん持っていると素直に「履きたい」と思ったりもするが、たまに「履かなくちゃな」という義務感みたいなものが生まれることもある。作っている人への申し訳無さ?期待に答えて愛用し続けたいという思い?どんな気持ちだろうか。

丈夫で、足が楽だ。ホールド感もいい。傷がついても様になる、堅牢なデザイン。

不安定な道を長く歩くことを前提としているからか、地面に対してカカトがピタッとつかない(手作りが故の個体差かもしれないが、そうだとしてもケチを付けるのは野暮というものだろう)。

 

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この辺はドレスのそれとは全然話が違う。

なので長い間突っ立っていると足の踵が痛くなる。私はそれが気になったので修理屋でお願いして削ってもらって地面にカカトがピタッとつくようにしたが、それで具合はさらに良くなった。

 

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革は色々と話をしていくうちに出してくれたいつのだかわからないイギリスの革。もうほとんどないし、そんな簡単に「イギリスの革を出してくれ」なんていって出てくるのかはわからないからあんまり参考にはならないだろうけど、艶もあってキメも細かいのがシワの入り方からも伺える。ワーク/カントリー系の靴でドレッシーにまとめずともここまで良い革を使うことがあるだろうか?それか、昔はこれが普通の革だったのか。

 

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適当に、ガシッと履くのに良い靴。

ハレとケだとかリラックスだとかコンフォートだとかイージーだとか言ってるけど、全部それで良いのかっていうとそういうことじゃなくて、っていう塩梅を自分のどこに宿すのか、それを基に何を探すのか?って。

楽に履きつつ、それでも様に。そんな靴だ。